【Review】MeldaProduction「Analog Empire: Pads & Strings」レビュー(アナログシンセ音源・使い方・評価)

【Review】MeldaProduction「Analog Empire」レビュー(アナログシンセ音源・使い方・評価)

メーカーによる一次情報

レトロをゲット!
Analog Empire で、伝説的なアナログ シンセサイザーの暖かくクリーミーでファットなサウンドを体験してください。このアドオンは、5 つのベロシティ レイヤーを使用してオクターブごとに複数のノートを細かくキャプチャした深みのある高品質のマルチサンプルを提供し、アナログ サウンドの魔法を真に捉えた表現力豊かでダイナミックな演奏を実現します。


Analog Empire を選ぶ理由

Analog Empire は、演奏するのが楽しくなる、非常に高品質で表現力豊かなサウンドを提供することに全力を注いでいます。直感的なデザインにより、調整に費やす時間を減らし、作成に多くの時間を費やすことができ、トラックにぴったり合うサウンドを簡単にすばやく得ることができます。アンビエントなサウンドスケープ、シネマティックなテクスチャ、豊かなパッドなど、Analog Empire は、音楽を高めるツールとサウンドを提供します。

32種類の豊かなサウンド

アナログシンセの温かみと深みが吹き込まれた、丁寧に作られた 32 種類のパッドとストリングスのサウンドからお選びください。

レイヤーをミックス&マッチ

レイヤー A と B の任意の 2 つのサウンドを組み合わせます。ハイパス フィルターとローパス フィルター、ピッチ、アナログ ドリフト、ユニゾン、ステレオ ボイス パンニングのコントロールを使用して、サウンドを個別に調整します。

ダイナミックな動き

メインノブを使用して、レイヤー A と B をシームレスにブレンドします。FLOW および FADE コントロールを使用してブレンドを調整し、動きを追加します。

高度なサウンドスカルプティング

アナログスタイルのマルチモード フィルターを使用して、トーンをさらに調整します。

包括的なFXセクション

4 種類のモジュレーション エフェクト (トレモロ、フェイザー、フランジャー、コーラス)、豊かなシマー リバーブ、ビンテージ風の LoFi テープ エフェクトでサウンドを強化します。

マスタリングツール

マスター セクションの追加のフィルタリング、EQ、コンプレッション、マキシマイザー、ステレオ幅コントロールなどを使用して、サウンドをあらゆるミックスに完璧にフィットさせます。

プロフェッショナルプリセット

プロのサウンド デザイナーが作成した素晴らしいプリセットを使用して、すぐに創造力を発揮できます。

MPE互換

ニュアンス豊かで表現力豊かなパフォーマンスを実現する MIDI ポリフォニック エクスプレッションを完全にサポートします。

ユーザーフレンドリーなインターフェース

シンプルさとスピードを重視して設計されており、簡単な彫刻で完璧なサウンドを素早く実現できます。

一部無料

MSoundFactory または MSoundFactoryLE をすでにお持ちの場合は、Analog Empire: Pads & Strings は完全に無料でダウンロードできます。MPluginManager を実行して実行するだけです。ただし、別途購入して、MSoundFactory の無料バージョンである MSoundFactory Player と一緒に使用することもできます。 

公式ティーザー


その他詳細は製品ページも確認してみてください。

機能紹介

MeldaProduction「Analog Empire」はアナログシンセサイザーのサンプリングによって設計されたシンセ音源です。実機は公式では明かされていません。音響合成方式ではなくサンプリングベース。総容量は約5GBほどになります。これはこのシンセ音源に収録されているカテゴリがパッドとシンセストリングスに限定されていることを考えてみるとサンプルベースのシンセ音源としてはなかなかのボリュームだと思います。操作方法としてはMeldaProductionとしては非常にシンプルで、大きく分けてメイン画面は2つ。ロード時に少しだけ時間がかかります。音色スロットが2つ用意されていて、Sound A、Sound Bからそれぞれ32種類の音色をロードできます。ロードはほとんど時間がかかりません。パッドとストリングスとあるように全体的にサステインの長い白玉やレイヤー、サウンドデザインに適した音色が揃っています。それぞれピッチやピッチベンド、ユニゾン、コーラス系のステレオ幅などを調整できるようになっています。面白いのはこの2つの音色をブレンドできるので、適切なミックス量のバランスを探ることができる点。フェードではブレンドのトランジションのスピードを設定できます。Flowはブレンドを周期的に行いサウンドにモジュレーションを加えることができます。これが非常に面白いエフェクトでこの音源のハイライトの一つだと思います。


音色のエンベロープに加えフィルターが用意されています。様々なフィルタータイプを選んでフィルターエフェクトを加えるのですが、アナログタイプのフィルターです。これがなかなか良い具合で非常に美しいフィルターです。内蔵ですがなかなかのこだわりだと思います。流石のエフェクト屋さんといったところ。(MeldaProductionはエフェクトの開発のボリュームの方が大きい印象)
後はエフェクトセクションでそれぞれのモジュレーションエフェクトで一般的なエフェクトになりますが、トレモロ、フェイザー、フランジャーなどの効果をかけられます。Lo-Fiテープエフェクトが入っているのが良いですね。ダスティなLo-Fiサウンドになります。Lo-Fiビートの世界感になりますね。(ただし、個人的な印象だとプリセットのLo-FiサウンドはややデフォルトのLo-Fiエフェクトがかかりすぎてると思うプリセットがいくつかありました。もちろん後から調整できます。)全体としてはオーソドックスなエフェクトではありますが、サウンドソース自体のアナログサウンドとアナログエフェクトが組み合わされて良い具合のアナログな雰囲気になります。やはりエフェクトは良いですね。また、リバーブはシマ―エフェクトが入っていてこれがなかなか印象的なリバーブなので注目できるエフェクトです。


まだリリースされたばかりなので音が聴ける動画も少ないようですが、こちらの動画では(記載によると)全てのプリセットが聴けるようです。プリセットは71種類現状用意されているようです。

参考動画




評価

 現代的なモジュレーションや最新のエフェクト機能でサウンドデザインするといったコンセプトで設計されていないこともあり刺々しいモダンシンセのLFOをぐりぐりといじるような方向性の現代的なシンセサイザーの音色としての斬新さはそこまでありませんが、モーフィング機能が非常に優秀で、絶妙なブレンドで繊細な音色を作ることができます。これはこの音源の大変刺激的な機能の一つといえるでしょう。良き時代の音色の美しさを混ぜ合わせて楽しむ音源だと思います。少し思ったのが、似たような方向性の音色(モーフィングするうえでは絶妙に混ざるわけで、それを混ぜることで元の音とは全く別の質感が生まれて面白いですが)がいくつか入っているので細かな音色のニュアンスをあまりこだわらない方にとっては音色が思ったより少なく感じ、似たような音色が多いようにみえるかもしれません。汎用シンセというよりはそれぞれの音色のブレンドを堪能する音源です。(個人的な印象だと作ることができる音色の幅と全体的なコンセプトとしてはPowerBrassよりさらに面白さを感じました。)基本的にサステインが長いですが、ADSRを操作して、リリースカットすることによってアタック感のある柔らかくパーカッシブなサウンドやテヌートのように演奏することは可能です。(素材の特性上鋭いサウンドにすることはできません。)
リアルタイムでモーフィングするのも良し。あくまでもサンプリングなので静的ではありますが、そこをMeldaProductionならではのエフェクトやオーディオ処理の機能によって非常に楽器的なものにしているところは流石だと思います。
音色の32種類を組み合わせるということですが数を絞っている分非常に厳選されている印象を受けます。ネオクラシカルな作品にも使いたくなる美しい音色が多数。筆者としても生楽器のオーケストラを感じさせるようなパッドストリングスサウンドなど美しさを感じさせる音色を見つけることができました。低音が深みのあるというのはアナログサウンドで典型的ですが高音も非常に美しい音色も多い印象。MeldaProductionはこれまでの製品を鑑みるとエフェクトやオーディオ処理により技術力を感じるメーカーだと思いますが、この製品でもフィルターやモーフィングなどそういった部分で光る部分を感じさせます。この音源の強みとしてはパッドの音色をブレンドすることによって絶妙な音色に調整できるところだと思うので、アナログシンセの音色の良さを聴かせたいという方にとっては味わい深い音源だと思います。通常のポピュラーミュージックのパッドとしてはもちろんですが、Lo-Fiビートでも非常に相性が良く使えそうな音源です。サウンドデザイン、シネマティック、ヒーリングミュージック、さらにはアンビエントのメインレイヤーのひとつとしても使用できると思いますね。

セール情報

MeldaProductionはリリース時に大きく値引きする傾向にあります。また、MSoundFactoryおよびMSoundFactoryLE(エディット機能などに制限があります。)は今後リリースされる対応音源を含めて全ての音源(MDrummerなど別エンジンの音源は含まれません。MSoundFactoryで起動する製品が対象でPowerStringsなどもMSoundFactory有償製品には含まれています)が全て無料で付属するので複数入手したい方にとっては長い目で見るとやはりお得だと思います。現在セールも実施されています。

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