【Review】Plugin Alliance「Looptrotter SA2RATE 2」レビュー(Looptrotter SA2RATE 2をエミュレートしたLooptrotter社公認のサチュレーションプラグイン・機能と使い方・評価・セール情報)





製品情報

Looptrotter の世界的に有名なソリッド ステート サチュレーション回路は、低次のハーモニクスを追加し、音楽的で耳に優しい方法でサウンドをスムーズに調整します。SA2RATE 2 を使用して、ミックスに歓迎すべきアナログ キャラクターを追加しながら、ピークを上げることなく (そしてオーバーコンプレッションやリミッティングのアーティファクトを導入することなく) RMS レベルを大幅に上げます。
SA2RATE 2 は、過飽和に関連する最も一般的な問題を回避するために、2 つの独自の回路を採用しています。「LO Safe」は、プリエンファシスおよびディエンファシス回路を使用して、最低周波数が歪むのを防ぎ、キック、ベース、ドラム グループ、ミックス バスなどのソースが低域のパワーと明瞭さを維持できるようにします。一方、「HI Smooth」は、サチュレーション回路の前で高周波数をブーストし、その後で減衰させて、より深いサチュレーションと、ハーシュネスを追加することなく高周波数のより優れたトランジェント制御を実現します。

特徴
  • 世界クラスのサチュレーター、SA2RATE 2 の正確なエミュレーションは、Looptrotter によって承認および承認されています。
  • 心地よいハーモニクスと穏やかなピークリダクションでオーディオをウォームアップ
  • 低域をタイトでパンチの効いたパワフルに保つためのスイープ可能なLOセーフフィルター
  • ハーシュネスを追加することなく、高周波数にスムーズなサチュレーションとトランジェント コントロールを追加する連続可変 HI Smooth フィルター
  • Brainworx の TMT の内部: Tolerance Modeling Technology (米国特許第 10,725,727 号) は、コンピューターで最もリアルなアナログ サウンドを実現するために、電子コンポーネントのチャネル間の差異をシミュレートします。
  • MAGIC ミックス全体をウォームアップして開放し、SATUR 8/24 から追加された鮮やかなアナログ感を与える機能
  • DRIVE と MAGIC の 2 つのゲイン補正モード
  • Mono-Maker - 低周波コンテンツをモノラルにまとめて、集中的でパンチの効いた低音レスポンスを実現します
  • ステレオ幅 - トラックのステレオ幅を拡張するには
  • スケーラブルなユーザー インターフェイス
その他詳しい内容は製品ページも併せて確認してみてください。

国内ストアでは日本語表記になっています。

Plugin Alliance「Looptrotter SA2RATE 2」の機能と使い方


Plugin Alliance「Looptrotter SA2RATE 2」はLooptrotter SA2RATE 2をエミュレートしたLooptrotter社公認のサチュレーションプラグインです。一見わかりにくそうな見た目かもしれませんが、意外にシンプルです。チャンネルリンクスイッチがオンになっていないは2チャンネルに独立したドライブとコンプレッションを設定することができます。(UI上で左右大砲に配置されています。)コンプレッサーとドライブの2セクションがメインになっていて、ドライブでサチュレーションを付与してくことになるのですが、倍音の他に周波数特性も変化が生じるのが特徴で、ドライブ量を多くすると低域がもちあがります。(通しただけの設定でもハイカットがおこなわれているのも特徴。)そのとなりのLo、Hiと書かれた部分は本質的にはフィルターセクションで望ましくない過剰な歪みを避ける保護機能。独特な形状でローの歪を抑えたり、ハイの歪みを目立たせなくするといったことができます。ターゲットとなる周波数をそれぞれ小さなトグルで設定します。割と簡単に歪みを抑えることができるのでサチュレーションの質感を簡単に整える便利機能と考えるのが良いでしょう。Magicは倍音増強とうことで歪特性に干渉し、サウンドをさらにアグレッシブに倍音を加えることが可能。


コンプは2モード用意されていてゲインリダクションはメータで表示されます。TMTによるハードウェアの個体差のバリエーションを再現することが可能。また、ステレオコントロールやローのモノラル処理もできるようになっています。




評価

低次のハーモニクスを追加し、音楽的で耳に優しい方法でサウンドをスムーズに調整できるということですが、アナログハードウェアモデリングとしては非常に柔軟にサチュレーションをスカルプティングできるエミュレーションプラグインだと思います。
ディストーションの保護機能があるので歪みをコントロールしやすいのですが、本質的にはフィルターですのでより良い音質のためにはまずはエフェクトなしでサチュレーションのプランを考えていく方がうまくいくかもしれません。特に、高いDrive量だと周波数特性が大胆に変化することもあり、フィルターに頼るのも良いのですが、やはりDrive量はあまり高くし過ぎない方が、このプラグインの個性を十分に生かすことができそうです。(ディストーションとして使用する使い方もありかもしれませんが。)適切なドライブ量を設定するのがポイントで高域と低域の耳障りな部分を場合によっては抑えて、Magicでサチュレーションの質感をプラスしていき、ゲインコンプで最終的なサチュレーションのダイナミクスを調整していくといった流れでしょうか。ステレオイメージのコントロールが用意されているので最後の仕上げまで出来るのが非常に有能です。また、サチュレーションプラグインということでTMTが他のエミュレーション以上に重要になってくるといった印象で、周波数特性や歪みの異なるバリエーションを試すことで複数使う場合にも理想のサチュレーションをデザインすることができます。初心者向けのプラグインではありませんが、慣れると使いやすさのある便利機能が多く、総じてハーモニクスコントロールのバリエーションが多いプラグインで細かく調整もできるのでアナログハードウェアモデリングプラグインとしては様々なジャンルで出番の多いプラグインだと思います。


セール情報

セール頻度自体はそこそこありますが、割引価格が意外に変動します。30ドル付近だとなかなか安くなっている印象。