【Review】New Nation Audio「Curio | Texture Generator」レビュー(96バンドのダイナミックレゾナンスEQが搭載されたテクスチャージェネレータープラグイン・使い方・評価・セール情報)
当記事はNew Nation Audioの技術的提言・協力のもと執筆されています。(批評の中立性を担保するため記事内容に関する提案・監査は一切受けておりません。)
【Review】New Nation Audio「Curio」レビュー(テクスチャージェネレータープラグイン・使い方・評価)
製品情報
Curio は、音の革新の真髄であり、サウンド操作の本質を再定義するために細心の注意を払って作られたオーディオ プラグインです。その目的は、普通のサンプルを空気のようなテクスチャと催眠術のようなドローンにシームレスに変換することです。 4 つのダイナミック サンプラー エンジンを自由に使用できるため、アーティストやプロデューサーはサウンドスケープを簡単に彫刻したり変形したりすることができ、境界がなくなり、創造性に限界がない音楽探求の新時代をもたらします。
音の現実を彫刻する
Curio は、音の創造性の限界を押し上げるように設計された画期的なオーディオ プラグインで、サウンド操作の未来に足を踏み入れましょう。革新的なアプローチにより、Curio はあらゆるサンプルをテクスチャーとドローンの豊かなタペストリーに変換し、ユーザーに楽曲に対する比類のないコントロールを提供します。 4 つのカスタマイズ可能なサンプラー エンジンを搭載したCurio は、ミュージシャンやプロデューサーがピッチ、音色、モジュレーションを簡単に操作して、新しい音の領域を探索できるようにします。
Curio の直感的なインターフェイスで音楽制作のデジタル進化を取り入れ、ユーザーは自分の WAV サンプルを簡単にインポートして、ユニークな音の風景を作り上げることができます。Curio のMorph エフェクトを使用してサンプラー エンジン間をシームレスにブレンドし、従来のサウンド デザインを覆す流動的なトランジションとダイナミックな構成を作成します。Curio が音との関わり方に革命をもたらし、聴覚探求の未来を垣間見ることができるように、無限の可能性の領域に飛び込みましょう。
特徴
4 つのカスタマイズ可能なサンプラー
これらのサンプラーが芸術的表現のためのキャンバスとなり、豊富な編集オプションを提供するので、音響のクラフトマンシップの世界に飛び込んでください。直感的なドラッグ アンド ドロップ機能により、ユーザーは独自のサンプルをシームレスに統合し、自分の生活のサウンドを音楽作品にブレンドすることができます。Curio を使用すると、周囲の街路のキャプチャから自然のシンフォニーの録音まで、アーティストが周囲の生のエッセンスを、携帯電話でキャプチャしたオーディオも含めて活用できるようになります。
任意のキーまたはコードを作成する
Curio のレゾナント EQ スライダーで、前例のないサウンドのコントロールを体験してください。任意のキーのゲインをブーストする機能により、ユーザーは驚くべき精度でサウンドを彫刻し、深みと個性を伴った演奏可能なトーンを吹き込むことができます。複数のキーをブーストすることで、アーティストは豊かな和音のようなテクスチャや、ハーモニクスのシンフォニーでリスナーを包み込む広大なドローンを作成できます。ユーザーはサウンドのレゾナンスを完璧に微調整し、すべての音を明瞭かつ存在感をもって歌うことができます。
ダイナミックレゾナンス
オーディオ テクスチャとドローン インストゥルメントを前例のないコントロールで実現します。ダイナミック レゾナンス コントロールにより、クリエイターは動的および手動の両方で、サンプラーごとに最大 8 つのレゾナンス ゲインを簡単に操作できます。これは、ユーザーがサンプルの共鳴特性をリアルタイムで微調整および変調できることを意味し、無限の創造的な可能性を解き放ちます。Curio の ダイナミック レゾナンス コントロールは、比類のない柔軟性と精度を提供し、サウンド デザインの芸術性を高めます。
シンプルで強力なエフェクト
中心となるのはMorph Blenderです。これは、関与するサンプラーをシームレスに絡み合わせ、独自のサウンドのタペストリーを作成するツールです。サウンドを繊細にまとめるために細心の注意を払って作られたコンプレッサーで、すべての要素がミックス内で調和して配置されるようにします。ディレイとリバーブのエフェクトは、リスナーを臨場感あふれる音の風景へと導きます。Draggable EQによる最終調整により、サウンドはすべてCurioインターフェース内で洗練され、洗練されたものになります。
ストックプリセットとスターター
創造性を刺激し、刺激するために細心の注意を払って作成された 40 のストック プリセットとサウンド スターターのロックを解除します。瞬時のインスピレーションを求めている場合でも、音の探求の出発点を探している場合でも、これらのプリセットは無限の音楽表現への入り口として機能します。 Curio では、独自のサンプルを含むプリセットを保存できるため、芸術的なビジョンを反映したパーソナライズされたサウンド パレットを厳選できます。幻想的なテクスチャから脈動するドローンまで、可能性は無限です。
直感的なインターフェイス設計
シームレスな創造性の世界に浸ってください。この GUI は、ワークフローを合理化し、芸術的なビジョンを解き放つために、細心の注意を払って作成されました。必要なものはすべて 1 つの画面にエレガントに表示されるため、複数のウィンドウやメニューを移動する必要がなくなります。サウンドデザインプロセスのあらゆる側面が手の届くところにあります。直感的なレイアウトにより、気を散らすことなく傑作サウンドの作成に集中できます。 GUI のサイズも 50% 近くまで縮小されます。
概要
- 4 つの完全にカスタマイズ可能なサンプラー エンジン。
- 独自のサンプルをドラッグ アンド ドロップして、まったくユニークな体験を実現します。
- あらゆるサンプルを再生可能なテクスチャまたはドローン インストゥルメントに変更します。
- 各キーを個別に調整して、任意のキーまたはコードを演奏します。
- 内蔵 FX モジュール (モーフ ブレンダー、x2 オシレーター、コンプレッサー、Gime ディレイ、自動デチューン、ディレイ、リバーブ、EQ、ゲイン & パン)。
- 独自のプリセットを検索および作成するための使いやすいプリセット ブラウザ。
- 40以上のファクトリープリセットとサウンドスターターが含まれています。
- 30 個のテクスチャ サンプルが含まれています (プリセットの作成に使用)。
- 直観的な単一ウィンドウのインターフェイスとパラメータ。
その他詳しい製品内容は公式ページも確認してみてください。
機能と使い方
New Nation Audio「Curio | Texture Generator」は一見するとどのようなプラグインか理解することは難しいかもしれませんが、ざっくりいうと4つのサンプラーエンジンが搭載されているサンプラー。ファクトリーサンプルが収録されているので、そのままでも鳴らすことができますが、サンプラーなので自前のサンプルをインポートすることが出来ます。(ブラウザから検索してサンプルにアクセスできないのは少し面倒なこともあるかもしれません。)
4つのサンプラーエンジンの画面右のDROPアイコンにサンプルをドラッグアンドドロップでインポートできます。さて、革新性のあるプラグインとして設計されたということですが、具体的にどのようなところに新規性がみられるのでしょうか。まず、このプラグインが何をするプラグインなのかというところをみていきましょう。
「あらゆるサンプルをテクスチャーとドローンの豊かなタペストリーに変換」とディスクリプションがあり、アンビエントやテクスチャー、サウンドスケープといったサステインの長いサウンドを作るのにに向いているサンプラーともいえますが、元となるサンプル自体は必ずしもパッドのようなサウンドに限定されているわけではなく、ドラムやピアノのワンショットのようなサンプルでも問題なく対応しています。しかしながら、プリセットをみるとわかるようにどちらかというとフィールドレコーディングやアンビエントなどのサウンドが多いように感じますので、確かにそういったジャンルを想定して摂家されてはいると思います。
それぞれのサンプラーは画面を見ればわかるようにサンプルの調整パラメータとしてADSR、パン、トランスポーズといった基本的なところから、ループ開始終了の位置を決定するスライダーが波形画面に用意されており、X Fadeによってそのループのつなぎを整えます。(これらはリアルタイム制御としては設計されてないかと思います。後述のMorphも恐らくそうです。)リバーススイッチがあるのが良い。これが4つ用意されているわけですね。それぞれのサンプラーについている左の上下スイッチはバイパススイッチです。さて、斬新な機能のひとつとしては96バンドのダイナミックレゾナンスEQ。これはサンプラーごとに12音の音階それぞれの音のレゾナンスゲインを設定することができるところ。C C#といったそれぞれの音のゲインを設定することによってサンプルをハーモナイズすることができるようになっています。ハーモナイズといってもレゾナントEQですので明確にコード化されるというよりは響きが近づくといった方がわかりやすいかもしれません。短1度だから極端に濁るという訳でもなく。アトーナルなサンプルに対しても印象的なピッチの変化を得られます。
そして、これらのレゾナンスEQ設定は低域から高域まで右の8バンドからなるEQのゲインをコントロールすることで、設定したレゾナンスをどの音域でブーストするか設定できるようになっています。ここで重要なポイントとしてはリアルタイムコントロールに対応しているということ。つまり、サンプラーで鳴らしながら、リアルタイムで共鳴特性を変えることが出来るわけですね。サンプラーごとに異なる設定が出来るのもなかなか攻めてます。
レゾナンスなので極端な設定には注意する必要がありますが、非常に可能性を感じる機能。(要は好きな帯域で好きなハーモナイズをすることが出来るということです。)また、手動だけでなく、Powerスイッチによってランダムに共鳴特性を動かすことが可能。これらはテンポ追従、それぞれの帯域の入力量の変化量の幅をコントロールする変調の量、変調前のそれぞれの帯域のゲイン量のバランス等をリアルタイムで変えることもできます。つまり、手動かランダムかの2択ということになります。因みにリアルタイム操作は負荷がややかかります。
ファクトリープリセットはどちらかというとフィールドレコーディングを思わせるようなサウンドが多い印象。内蔵サンプルはそこまで数が多い訳ではなく、どちらかというとアトーナルでえシネマティックなサウンドデザインに向いていますが、
Q1-Q8の下のノブはゲイン微調整用のノブ。そして、もうひとつの機能としてはモーフィング機能。これは4色からなるタイルがそれぞれサンプラーエンジンのサンプルを表していて、リアルタイムでバーの位置にあるサンプルにモーフィングすることが出来るというもの。通常の再生時と異なり出力が並列ではなくブレンドされるので一体化したサウンドを鳴らすことが可能。バーの位置は可動域をRange、滑らかな変化をさせるためのSmooth、動く速度を決定するSpeedで制御します。(Speedを適切に設定しないとモーフィングが滑らかではなくぶつ切りに変化なします。表現によっては効果的かもしれませんが。)また、オシレータも2つ用意されているのでシンセサウンドをブレンドすることが出来ます。基本波形とノイズと大変シンプルですが、メインがサンプラーですので、バランス良く音をブレンドできるともいえます。後はシンプルなエフェクト機能として、オートパン、フィルター、コンプレッサー、ディレイ、リバーブ、EQが用意されています。これは標準的な機能。(EQはやや小さくて使いやすいとはいないかもしれません。)
コンプレッサーはビジュアル表示されます。
評価
機能自体は多用途ですが、どちらかというと面白くなってくるのはそのまま鳴らすよりもリアルタイムパフォーマンスでレゾナンスを移り変わるように動かすことでテクスチャを変容させていく楽器といった印象があり、ライブエレクトロニクスや効果音、シネマティック、アンビエントなどに特化したサンプラーです。(SFX作成なども非常に相性が良いと思います。)その分通常のサンプラーにはない独自の機能が備わっているといえます。このメーカーさんはどちらかというとポップなスタイルの音楽制作に適した音源をどちらかというと多くリリースしている印象がありましたが、この製品は効果音制作や電子音楽、映画音楽などにも適したやや尖ったサンプラーだと思います。単にアンビエント化するだけなら他のプラグインでもできることですので、楽音単位のピッチでダイナミックレゾナンスコントロールといったところを活かせるかどうかが重要。レゾナント操作はやや慣れが必要だと思います。それだけ聞くと前衛指向にきこえそうですが、オシレータでトーナルなニュアンスを強化することでよりキャッチ―なシネマティックサウンドやアンビエントに近づくこともできます。
EDMのなかでもパッドやアンビエントや電子音などどちらというと拍に合わせたシンプルなリズムというよりもリアルタイムにサウンドを変容させていくようなサウンド作りに適しているかもしれません。ミニマルにも素材次第で面白いものが作れるかと思います。総じて、リアルタイムで操作できるレゾナンスEQが非常に斬新で、サンプルを全く別のものに変えて鳴らすことができるので、共鳴特性を変えたマイナーチェンジでエフェクト的に使うのも良しですが、やはり、設定を固定するよりは動かすことで真価を発揮すると思います。
当サイト限定割引について
会計時にクーポンコード【 FREEKNKT-EX978 】を使用してください。割引されたのを確認してみてください。
現地時間4/19までになります。(日本時間4/20 13:00頃までの予定です。)