【Review】Stagecraft Software「Beat ReBuilder」レビュー(ビートを解析し、ドラムサウンドの変更や、リアルタイムのレイヤリング、MIDIデータへの出力を可能にする、革新的なビートリプレイサープラグイン・機能と使い方・評価・セール情報)
【Review】Stagecraft Software「Beat ReBuilder」レビュー(ビートを解析し、ドラムサウンドの変更や、リアルタイムのレイヤリング、MIDIデータへの出力を可能にする、革新的なビートリプレイサープラグイン・機能と使い方・評価・セール情報)!
製品情報
Beat ReBuilder は、ビートのさまざまな要素を検索して置換できる、斬新なオーディオ分類プラグインです。何もないところからビートを掴みましょう!このプラグインはビートを解読し、それにサウンドのレイヤーを追加します。これを使用して、ビートの一部を置き換えたり追加したり、新しい MIDI パターンやオーディオ ループのインスピレーションとして使用したりできます。 Beat ReBuilder は MIDI とオーディオを出力し、MIDI クリップをレンダリングできるため、最大限の柔軟性が得られます。
特徴
ビートの分解
Beat ReBuilder は、オーディオ内のパーカッシブなサウンドを検出します。特定したら、ビートの上に独自のサンプルを重ねたり、ビート全体を置き換えたりできます。あるいは、MIDI データをドラッグ アンド ドロップして、独自のドラム マシンで使用することもできます。
MIDIクリップ
Beat ReBuilder は最新のオーディオのループを保持し、オーディオ ループを取得して対応する MIDI ループを作成し、DAW にドラッグしてドラム トラックやシーケンサーで使用できるようにします。
クロスフェードとEQ
Beat ReBuilder は、リアルタイムのビート レイヤリング マシンとしても機能し、入力を増強する新しいビートのレイヤーを作成します。 EQ とクロスフェードの追加により、これを DJ 環境のように扱うことができ、新しく作成されたビートをさまざまな方法でトランジションに使用できます。
連続MIDI出力
さらに、Beat ReBuilder は入力オーディオを継続的に解析し、それに一致する MIDI ストリームをリアルタイムで出力します。チューニングが完了すると、この出力を使用して曲内の各ビートの位置を見つけたり、既存のオーディオ ドラム トラックを拡張するためのトラックを迅速に構築したりすることができます。
オーディオ フィンガープリンティング テクノロジーを使用すると、ビートのさまざまな部分 (キック、ベル、スプラッシュなど) をデコードできます。デコードしたら、このプラグインを使用して、入力オーディオに新しいサウンドのレイヤーを完璧なタイミングで追加し、キックやスネアを置き換えたり増やしたり、ビートに正確にまたは緩く一致する新しいパートを作成したり、一部またはすべてを置き換えたりすることができます。ビート。
ミキシングタブを使用すると、新しいビートと古いビートの間でクロスフェードしたり、高/中低の部分をドロップして DJ のような方法でミックスしたりできます。これはトランジションに最適です。また、エフェクトもあり、再構成されたビートのさまざまな部分のパンとボリュームを制御できます。
このプラグインはオーディオと並行してライブ MIDI も出力するため、これを使用して既存のオーディオと一致する MIDI トラックを作成したり、他のドラムマシンで使用したり、DAW でビートの置き換えやレイヤーを行ったりすることができます。また、既存の MIDI トラックの 1 小節ループをいつでも簡単に取得できるため、既存のトラックから新しいビートをリッピングするための簡単なドラッグ アンド ドロップ アプローチが可能になります。
最後に、新しいループ/ビートやサウンドスケープを作成するためのサンプルとして使用できるドラムセット/ドラムマシンやアンビエントサウンドを提供するプリセットが多数あります。オーディオを仕上げるためのエフェクト スロットやオートメーション オプションもいくつかあり、上級ユーザーがさらに深く掘り下げることができます。
ビートを構築するための素晴らしい新しい方法を見つけたり、既存のビートを次のレベルに引き上げたりしましょう。
詳しい内容は製品ページも確認してみてください。
機能紹介・使い方
一見するとどのようなプラグインなのかわかりにくいと思うので簡潔に要約するとStagecraft Software「Beat ReBuilder」は入力されたドラムミックス(オーディオ)からキック、スネア、ハイハットなどそれぞれのパートを検出してMIDIに変換して、そのMIDIデータに基づいてドラムサンプルをレイヤーあるいはドラムを別のサンプルに置き換えられるドラムリプレイサーです。ドラムリプレイサーというと通常単一のパートを検出して置き換えるのが一般的ですが、このプラグインは最大6パートを同時に検出して置き換えられてしまうという新しいプラグイン。
使い方は大変シンプルで、任意のドラムミックスのトラックやドラムバストラックにインサートして、レコードボタンを押します。すると自動的に周波数と6つの帯域に振り分けでドラム、スネア、ハット等、それぞれの帯域のトランジェント信号を検知してそれがMIDIとして表示されます。勝手に振り分けてくれるので手間がかからなくて良いところでもあります。
なかなか精度もよく一般的なドラムであれば完璧でなかったとしても良い具合までキャプチャーできることが多いように感じます。しかし、自動なので例えば、スネアの音がハイハットに検知されて入ってしまうということもあるかもしれません。その時に後からそれぞれのトラックの検出を再設定することが出来ます。自動的に再設定するボタンも用意されていて、全部のトラックの再検出の他、特定のトラックの再検出をすることもできます。
しかし、それでもうまくいかない場合にそれぞれの帯域の周波数の設定とトランジェント検出のスレッショルド設定が出来るようになっています。このように周波数の領域の位置と幅を設定します。(操作が通常のプラグインと若干異なり、位置はバーの左右をつかんで左右、帯域の幅はクリックしながら上下で変えるなど一瞬操作に悩みました)アナライザーに検出する周波数に該当するアタックがトラックの色と同様の色で色付きされて表示されるのでわかりやすいですね。アナライザーでもアタックの動きがみれるので迷うことが少ないかと思います。
検出されたビートはMIDIとして表示されるのですが、これの位置を動かしたり、削除したりすることもできます。MIDIエクスポートする場合は右上のMIDIをつかんでドラッグアンドドロップでDAWに送れます。(画面に表示されている2小節分のようです。)リアルタイムでMIDIをDAWにエクスポートするにはDAW上で別のトラックにMIDIルーティングで送信してDAWでレコードします。
とここまではオーディオをMIDIにする流れなのですが、面白いところは検出したそれぞれのドラムパターンに対し、ドラムサウンドをレイヤーあるいは置き換えることが出来ます。これは元の入力信号Thruと検出されたMIDIを元にトリガーするサンプラーの出力信号Beatsが2つのフェーダーでOutputに送られるので、元の信号をミュートにして、完全に置き換えたり、元の信号をミックスすることが出来るわけですね。それぞれのトラックにたいしてサンプラーが用意されており、内蔵サンプルだけでなく自前のサンプルをロードすることも可能。また、内蔵の音色セットをロードできる808等のドラムキットプリセットが用意されているのですぐに別の音色に変えられるというところに面白さがあります。
複雑なビートの時はミキサーをみて設定前にどの信号がどのトラックに入力されているのか確認するとわかりやすいと思います。トラック名も変えられるようになっています。また、ミュート機能も用意されています。
後は元の入力信号、とリプレイス後の信号のブレンドだけでなくEQも用意されています。地味ですがなかなか良いのがエフェクト。サンプラーそれぞれと、バス2つに対し、エフェクトがかけられるのですが、Stagecraft SoftwareがDJエフェクトにも強いメーカーということもあり、スタッターやグリッチ、リングモジュレーションなどのエフェクトもよういされているため、積極的に音をいじれるのが面白いかもしれません。
評価
まず驚くのが検出精度の高さ。オーディオをこのプラグインに入れると自動的に周波数ごとに6パート分類するのですが、少し修正すればOKなほど正確にドラムパートをMIDIに分類してくれます。それぞれのパートに対し、周波数と入力レベル、トランジェントの形状に基づいてスレッショルドでトリガーを設定でき、リアルタイムでアナライザーが点滅するので、わかりやすさだけでなく、正確にビートを検出できるようになっています。また、パーカッシブなサウンドであれば一般的なドラムだけにとどまらず、シンセプラックやパーカッションに対しても使えるという汎用性の高さもあります。一方で、ダブステップなどのビートではおなじみですが、周波数と音色の傾向が似た2種類のスネアなど同じようなインプットレベルで非常に似た音響特性をもつものを区別するのは難しいかもしれませんが、十分すぎる性能ですのでそこまで求める必要もないでしょう。
一方で、MIDIエクスポートの際に現状GM配列ではなく、後から音程をDAW側でトランスポーズする必要があります。(内蔵プリセットの場合は特に問題ないこともあるのですが、音色がそれぞれ検出されたものに対応せず変える必要があることもあります。外部音源に送るときに修正が必要になります。筆者の確認した限り設定の変更が見つかりませんでした。気づいてないだけであるのでしょうか?)特にMIDIをエクスポートではなく、ルーティングで別のトラックに送信している際にそれがあると便利だと思います。プラグイン側で音程を設定できたらよいと思うのでアップデートに期待。また、さほど問題でもないですが6つのトラックの独立したルーティングがあったとしても良いのかもと思ったりします。オーディオインポートのロケーション画面が使いにくさを感じ、他社の一般的なロケーション参照画面と比べるとすぐに必要な階層にアクセスしにくいウィークポイントを感じました。(オーディオインポートの参照先のロケーションも登録できるようなのですが、私の環境だと上手く認識されませんでした。マニュアルがないようなので筆者の設定の問題かもしれませんが一応記載しておきます。)
総じて基本的な性能の高さから今後のアップデートでさらに期待が出来そうなプラグインだと思いますね。