【Review】UJAM「Virtual Guitarist SILK 2」レビュー(ナイロン弦アコースティックギター音源・新機能・使い方・評価・セール情報)

 


【Review】UJAM「SILK 2」レビュー(ナイロン弦アコースティックギター音源、新機能、評価、セール情報)

製品情報


次世代アコースティックナイロンギター


SILK 2 は、まったく新しいギター モデルでナイロン弦ギターの本質を見事に捉えています。フレーズの大規模なコレクションと、さまざまなコード、オクターブ、リフを備えた SILK 2 は、エレガントなポップ ソングやロック ソングを作成したり、ほぼあらゆるジャンルに親密な雰囲気を加えたりするのに最適です。


 

SILK 2 は、数え切れないほどの時間の練習を通じて技術を磨いた、熟練したスタジオの名手のように巧みに演奏します。


量より質


Ujam は SILK 2 に最適なギターを細心の注意を払って厳選し、音の可能性を広げるためにさまざまなマイク セットアップで録音しました。そのクリエイティブなエフェクトにより、独自のサウンドをシームレスに作成できます。


特徴

SILK 2 は、そのユーザーフレンドリーなデザインと創造的な可能性で際立っています。新しいスマート コード エンジンからインストゥルメント モードに至るまで、各要素は芸術的表現を高めるために調整されています。


スマートコードエンジン

ギターのスキルは必要ありません。数回クリックするだけで、基本的なコードやノートをリアルな演奏に変えることができます。


インストゥルメントモード

指の下の弦を感じてください。インストゥルメントモードでコントロールして、個々の音やアーティキュレーションを演奏してください。


キャラクター&ミックス

SILK 2 のミックス & キャラクター コントロールを使用してトラックを調整します。5 つのミックスと 4 つのキャラクターから選択して、理想的なナイロン弦サウンドを作り上げます。

その他詳細は製品ページも確認してみてください。

UJAM

バージョン2の新機能と使い方について

UJAM「SILK 2」なナイロン弦アコースティックギターのバーチャルインストゥルメント。サンプルベースの音源です。アップデートによって大きく分けて以下の点が変更・追加されました。


  • 新しいインストゥルメントモード
  • ピッキングとストラミングのスタイル
  • 新しいオープンコード機能
  • 40 ストンプボックスエミュレーション、75 フィニッシャー FX モード
まず大きな違いとして挙げられるのはインストゥルメントの実装です。これまでのバージョンでは基本的にフレーズパターンを指定したコードに合わせて演奏するというPlayerモードの機能しか搭載されておりませんでしたので、基本的にバッキングパターンを選択して、再生することに限られておりましたが、SILK 2ではインストゥルメントモードによって、ストラムをリアルタイムで演奏することができるため、バッキングパターンをカスタマイズすることが出来るようになっています。これは他のVirtual Guitarstバージョン2と重複するアップデートでもあるのですが、高音域でコードを象徴する音程(m3、M3等)を入力することでコード選択するのはこれまでと共通。低音域にインストゥルメントモードのトリガーキースイッチが用意されており、ストラムの上下のストローク、デッドノート、スライドミュート等の奏法、そして、コードに沿った6弦のそれぞれの単音を鳴らすことが出来ます。(勘違いしやすい点としてはピアノの音程で単音を演奏するわけではないので注意。)


また、Player Modeについては他のVirtual Guitarst製品と共通するところが多いのですが、
全てのプリセット共通の基本バッキングパターンがアサインされています。それにに加えて中音域にジャンル特有のバッキングパターンプリセットを選択することによって、Style Phraseエリアのキースイッチでそれを演奏することが出来るようになっています。


また、Studio One限定ですが隠れた新機能として非常に強力な機能が搭載されました。

新しい VGSILK2 では、バージョン 4.6.2 以降を実行している Studio One ユーザーに、専用の PreSonus コード トラックとサウンド バリエーション機能を提供します。 スタイルとキースイッチの説明がピアノロール上に表示され、トラックに適したスタイルとフレーズをより速く、より簡単に見つけることができます。 サウンドバリエーションはピアノロール上で強調表示されます。 Studio One のコードトラック機能は、自動的にコードをたどり、MIDI ノートを自動的に変更します。
Studio Oneで起動した時のみ、右下にFollow Chordsスイッチが表示されます。これはなんとStudio Oneのコードトラックから信号を受信してコード入力を行ってしまうというもの。つまりバッキングパターンを選択するだけでトラックのコード進行に合わせたフレーズが出来てしまうという訳ですね。これは便利すぎます。上記のインストゥルメントモードでも同様。つまり、コードは勝手に入力されるので、パターンを作るのに専念できるわけです。ルーティングさえも必要ないので簡単にギターパートが作れるわけです。(なおプラグイン自体のバッキングコードが7th等シンプルなものに限られているので複雑なコードの場合簡素化されたものに変更されるようです。)これは隠れた大きな目玉かもしれません。

また、UIのエフェクターやギターサウンドをコントロールするパラメータも変更されています。V1時はこのようなUIでしたが、



V2ではコードの演奏の際に、コードを同時に演奏させるか、実際の演奏のようにストラミングエミュレートする(同時にフレットノイズを加わります)Variance等の機能が追加。しかしながら、面白いところは単に追加だけでなく、パラメータが姿を消しているところもあるので、全体的にV1時では楽器単体としてサウンドをエフェクトをかけるといったころに重点化されていた気がしますが、V2ではミックスにどのように収めるのかといった点に焦点化されて設計されており、良くも悪くもエフェクトチェーン済みの完成されたエフェクトコントロールが搭載されていることが分かります。チューニングだけでなくストンプボックスといったサウンドをアコースティックからエレクトリック風に加工していくこともできるようになっています。キャラクターパラメータも選択肢が変わっています。


また、Playerモードのバッキングにオプションがついているのも結構重要かもしれません。コードモードには通常の入力したコードの構成音を使って自動的にフレーズを演奏するモードだけでなく、Noteモードで単音あるいは入力した複数の音を使用してバッキングを作ることが出来るモードが搭載されています。また、オープンコードモードによってボイシングにバリエーションを付けることも可能。また、それぞれのPhraseエリアの鍵盤をドラッグアンドドロップすることによってバッキングフレーズをMIDIエクスポートする機能も搭載されています。
フィニッシャ―はUJAMではおなじみの既に複数のエフェクトを駆使してデザインされたセットアップされたエフェクトを使用できる機能。

また、ヒューマナイズ機能が拡張されて、スウィングの度合いコントロールや、拍に対して、タイトに演奏するか、ばらつきをもって演奏させるなども可能。





SILKを所有している人はアップグレードすべきか

バッキングパターンやフレーズ、ストラムパターンを自分で演奏できるという機能が必要な人はアップグレードの価値があります。また、大きく違う点としては元々のサンプル。バージョン1が2GBほどだったのに対し、SILK 2では約7.4GBと非常に規模が大きくなっています。(そのためロードに時間が少しだけかかるようになりました。)これはフレーズを中心にサンプルを新たに収録しているからなのですが、このように約3倍近くにもフレーズが増えていることもあり、SILKとはミックスの傾向や音の性格が異なるサウンドが多く感じます。また、フレーズも最新の洋楽を思わせるフレーズも搭載されてモダンになったかもしれません。(それもあってかサウンドの傾向にバージョン1とバージョン2由来なのかばらつきを感じることもあるかもしれません。)また、Studio Oneユーザーでコードトラックを使用するという人はそのコード進行をルーティングなしで流し込めるのでかなり恩恵があるかもしれません。



評価

アップグレードによって大幅にサンプルが増えたことによって少し印象が違う音源になっているように感じます。SILKと比べて、空気感やミックスの広がりを感じさせるサウンドが増えており(加えてミックスしやすいようにあらかじめ完成されたパラメータに変更されたことでそれを選ぶだけでアコースティックギターの典型的なミックス済みのサウンドを用意することが簡単になったということも大きいでしょう)、また、SILKにはあまり見られなかったアグレッシブでパーカッシブなギターバッキングも守備範囲として少し広げてきたようにも感じます。UJAMのギター音源は他の類似したMIDIフレーズが搭載された音源と操作性が異なります。ギター演奏になれていない人にとっては非常にわかりやすい設計かもしれませんが、一方でインストゥルメントモードはピアノ配列ではなくギター弦に従った単音の演奏方法を採用している等全て鍵盤楽器の思考で演奏したい人にとってはやや癖があることも確かなので、相性があるかもしれません。総じて機能が加わったことはもちろんですが、それ以上にバージョン1と比較して、サンプル自体の音質とミキシング機能のアップデートと追加によってより簡単にミックスに収まるギターを手軽に調達できるようになった点は特に評価できそうです。また、筆者もStudio Oneを立ち上げて確認しましたが、コードトラックからのコード認識が便利です。(シンプルですが、大変合理的で最も評価できる機能。)UJAM独特のコード入力をする必要もなく、そのままトラックのコードに合わせて動いてくれるのはStudio Oneユーザーの特権かもしれません。(他のDAWも対応すると良いですね。)

UJAM



セール情報

リリース記念ということですが、今回は既存のユーザー向けの割引がイレギュラーになっています。Virtual Guitarst製品所有者向けに29ドル、SILKからのアップグレードは19ドルと破格ですのでチェックしてみてください。。

UJAM