アップデートのお知らせが来た瞬間にアップデートしました。
Songwish「Remidi 3」は簡単に言うと、Midi版のサンプラーなのですが、業界初のソフトだそうです。(の割にバージョン1リリース時当時あまり使っている人を意外に見かけななかったのですが私は使えるソフトだと思ってたのでV1時から初期投資の意味もあり購入していました。)
メーカー情報
究極の MIDI 作曲アシスタント
reMIDI 2 と同様、reMIDI 3 は MIDI サンプラーです。余分な MIDI トラックで DAW を乱雑にすることなく、MIDI ファイルをすばやく参照してプレビューしてシーケンスをすぐに試すことができます。テンポ同期した MIDI シーケンスを実行して、その場で曲をアレンジしたり演奏したりする機能をお楽しみください。接続されたコントローラーまたは DAW のピアノロールを使用すると、reMIDI 3 は DAW とそのルーティングされた VST インストゥルメントの間の仲介者として機能します。
詳しい製品内容はこちらを参照してみてください。
reMIDIとは・基本的特徴
reMIDIはMIDIをスライスするサンプラー。仕組みとしては、Midiファイルをソフト上で読み込んで、サンプルする範囲の幅を設定し、テンポ変更やトランスポーズをソフト内でできてしまうプラグインです。そして、サンプリングできたMidiファイルはドラッグアンドドロップでDAWにエクスポートできます。Fullデータもエクスポート可能。
といったヴァージョン2の基本的機能仕組みはそのままですが、一部機能が変更されてレコード機能等消えた(?、今のところ見つかっていません)機能もあるみたいです。
自前のMIDIファイルだけでなくファクトリーMIDIファイルが用意されていて、MIDIプリセットとしては変わらず著作権の心配のない8つの異なるジャンル(バロック、クラシック、フォーク、賛美歌、ジャズ、マーチ、ルネサンス、ロマン)が用意されています。プリセットは全てキーの情報がファイルに書かれているので、トランスポーズが容易です。その他のジャンルが用意されていないのですが、基本その他のジャンルは鬼のようにMidiパック等で出回っているので特に問題ないでしょう。むしろ、こうした通常出回らないMidiデータを使用できるのは大きな強みといえます。
ReMIDI 3新機能
今回のアップデートの特に大きなポイントを簡単にまとめると以下のようになります。
- プラグイン内UI上でスライスポイントを選択することが可能に
- ピアノロール・ノートエディタの実装
- スライスしたMIDIデータのポリフォニック入力が可能に
- クオンタイズ、ハーモニー生成などMIDI機能によるMIDIアレンジ、微調整が可能に
1に関していうならば、これまでReMIDIはMIDIデータをスライスする際にスライスする部分を選択する際にMIDIコントローラーによって位置を選択してパッドにロードする必要がありました。それが、今回のアップデートではまさにMIDIスライサーともいえるべき、サンプラーのサンプル画面をそのままMIDIに置き換えたようなMIDI画面が表示され、範囲を画面上に選択できるようになり(自由に選択範囲も変えられます)、格段に使用しやすくなりました。さらに、選択範囲を2倍、半分にする、あるいは選択した領域を等間隔で左右にシフトする(矢印ボタン)等選択操作のための便利な機能が搭載。さらにズームトランスポーズはもちろん再生速度も変えられるので長いMIDIデータでも不自由がありません。
これはV2を使用していた感覚からすると待望でした。
また、MIDI機能が拡張されたという点では非常に大きいのはピアノロールの実装。DAWではなくプラグイン内でスライスしたMIDIを加工することができてしまうようになりました。MIDIに関するDAW機能が追加されたといってもいいかもしれません。
ピアノロールエディター
ピアノ ロール エディターを使用して MIDI シーケンスを制御します。音符や表現を正確に調整し、作曲のあらゆる細部を完璧に調整することがすべてです。
ハーモニーツールはなかなかユニークです。
SongWish のバッハ コラール ハーモニー セット、SongWish のオープン賛美歌ハーモニー セット、および優れた Musician Paradise のネオソウル ハーモニー セットということで、複数のノートを選択して生成するとコードに応じて上記のスタイルに応じて自動的にハーモナイズすることができるようです。
ストラムツールはコードをばらしてギターストラムのようにする機能。
メロディーツールはコードの構成音をアルゴリズムによって刻むことによって(縦にそろわずに刻むことができます)メロディを作るツール。これによって思わぬメロディラインを作るための下準備をすることが可能。つまり、ここまでのツールによってこのプラグイン内で作曲をすることができてしまうわけですね。
ヒューマナイズツール、クオンタイズツールもあります。
SW MIDI、Factory MIDI、SW Expansion MIDI などの特別なフォルダーにも対応しており、V2からありますが、好きなロケーションのMIDIを参照できます。
評価
V2の時もロケーションがカスタマイズできたり、パッドが実装されたりとうれしいアップデートでしたが、それ以上に革新がおこなわれて既存のユーザーにとってもビッグアップデートだと思います。プラグインでスライスも完結するだけでなく、MIDIの修正からエディット、さらには創作までできてしまうという完結できる作業が格段に増えたため、手軽さが増して、作曲ツールとしての側面が強化されました。あと一つ注文を付けるとするならば、MIDI編集画面の操作性の向上でしょう。(サンプラー自体の操作は割と使いやすさを感じますが、ピアノロールはDAWの操作性と比較して物足りないところがあります。アップデートに期待。)例えば、MIDIエディット画面がDAWのロールと比べてノートの縦の長さが最大拡大でも短く若干MIDIの動かす操作がしにくい気がしないでもないです。とはいえ創作意欲を掻き立てるようなアップデートとなったことは間違いないでしょう。
ユースケースの考察
それで何に使えるかというとまず、一番想定されているのはEDMやヒップホップその他音楽のループミュージックでしょう。長いフレーズだとクラシックとかだと聴く人が聴けばバスだけでも元の作品がわかってしまうので(私でもわかります)、断片化して使用することがベターだと思います。ジャズその他のジャンルだと作曲法のスタンスの違いもあって、比較的原曲がわからないかもしれません。
パッドが追加されたことで複雑な進行のフレーズ等も作りやすくなりました。
オーディオのサンプラーと違いトランスポーズやテンポ変更で音質劣化がないのと、音色を一から決められるのでループさせるメロディ探しに最適です。ルネサンス聖歌等一見使いどころの難しそうなフレーズもスピードとキーを変えると面白いフレーズができたりします。フレーズの句切れを変えるだけで原曲とは判別不可能なフレーズになってしまいます。そのため、新しいメロディ制作のツールになりそうです。
さらに自前のMidiパックを読み込めるので、サンプルパックと比べて管理が難しく使うことの少ない(?)Midiデータを思う存分にフル活用できる点が素晴らしいです。そのため、持っておくだけで、強力なMidi管理ツールとなることは間違いなしです。
また、私はまだ実践していませんが、自作のMidiデータを読み込めば、すぐに自分の好きなフレーズを引っ張ってこれるのもなかなか便利かと。トランスポーズができるので、すぐに曲のキーに合わせて使用できます。2オクターブまで変更可能。
最後に、補足。vstしかないので、ProtoolsユーザーはKomplete Kontrolなどから読み込むことになります。どうやらKontrol経由だと、試したところ、ソフトからのMidi出力送信で他の楽器を鳴らすということはできないみたいです。(要確認)
セール情報と最安値
最安値は39ドルです。
アーカイブ:
バージョン2の新機能に関する考察
reMIDI 2のアップグレードにより、次の新機能でMIDIサンプリングを次のレベルに引き上げることができます。
- 120パッドのグリッドレイアウト、効果的に120のreMIDIを提供
- 各パッドは、MIDIファイルから選択した独自のスライスをパッドにロードするように割り当てることができます。
- 異なるMIDIファイルを組み合わせる(メロディック/ドラムMIDIの場合)
- reMIDIMIDI入力/出力からパッドにMIDIを録音する
- すべてのパッドを個別または結合されたMIDIとしてエクスポートします
- MIDIスライスを最初にフリーズするフリーズボタン(コードをつかむのに最適)
- オリジナル/固定ベロシティのオプションを使用して、入力ノートによってMIDIファイルのノートベロシティをスケーリングするベロシティ設定
- 内蔵楽器をサンプリングされたグランドピアノにアップグレードし、オリジナルのreMIDI正弦波シンセを改良しました。
重要だと思う新機能が3点ほどあります。
①まず、ソフト内でコンピュータ上のディレクトリを探せるようになったので自分のMIDI保存場所にアクセスできるようになりました。そしてフォルダの星マークをクリックすることで、お気に入りのディレクトリとして保存され、すぐにアクセスできるようになりました。
パッドはそれぞれアサインするキーボード上の音程をカスタマイズ設定可能で音程を一括トランスポーズも可能。つまり、パッドのスライスされたMIDIをキースイッチで入力して呼び出しフレーズが演奏できるということ。(DAW上で録音等)パッドとスライスはヴェロシティ対応されているのでMIDIコントローラを強く押せば高いヴェロシティ値で鳴ります。
今回のヴァージョンアップでより一層MIDIキーボード等コントローラがあるとスムーズに作れそうですね。また、パッドは保存できるので強力な武器になります。
パッド上に格納されているMIDIをスライスするためには工具アイコンを押します。エディットモードに切り替わります。
スライスする範囲の箇所(サイズで決めた長さで等分されます)はMidiキーボードを使う場合は鍵盤上に音階順にアサインされています。(Midiキーボードは必須ではないがあると便利)そのため、おおまかにまずループの箇所を探して、始まりと終わりをShiftで微調整してという流れになります。Freezeというスライス冒頭の音を持続させる(白玉にする)機能が追加されました。
これまでと同様reMIDIを外部音源にルーティングして鳴らすことができます。ループ確認用の音源がサイン波だけでなくグランドピアノの音源が追加されました。(きちんとした音になり音の確認がしやすくなりました)。とはいえ他のインストルメントにMidi入力するのが良いと思います。
③そして、レコーディングモードが用意されました。InputとOutputの2通りで、InputはReMIDIに(DAW等外部から)送信されてくるMIDI情報をパッドに録音する機能です。録音中はパッドが赤くなります。
OutputはReMIDI内で鳴っている音をパッドに録音する機能で例えば、アサイン済みパッドで演奏したり、あるパッド内のMIDIをMIDIキーボードを使用することでスライスを組み替えてRemixすることができるということです。
V2の新機能の評価
好きなディレクトリ内のMIDIに瞬時にアクセスできるのはとても良いですね。これだけでも十分な改善です。パッドの追加もたくさんのフレーズを一度に扱うことができるので、柔軟性が高まったといえます。また、パッドで大量のフレーズをキープできるので、好きなフレーズをスライスしためながら、そして鳴らしながらフレーズを考えてドラッグアンドドロップで出力したり録音したりしやすくなりました。ここまでで十分だと思うのですが、可能性の塊なだけに今後の要望も増えてきますね。
パッドを組み立ててフレーズ作れるソング機能とかもしあるとめちゃくちゃ便利だと思うので今後に期待。
これまで同様、各パッド内のスライスのポイントを鍵盤で探せるのは便利ですが、細かく切った場合スライスのどのポイントなのかわかりにくいので全体でどこに位置するのか表示されていればよかったと思います。MIDIの場合WAVEと異なり大抵小節線に依存していることが大半だと思うので。
スライスサイズを小節単位にする機能とか欲しいですね。
まとめ
使用頻度: ★★★★★
機能の理解のしやすさ :★★★☆☆(最初戸惑う人いそうです)
動作の軽さ :★★★★★
コスパ :★★★★★
プリセットのバラエティー:★★★★☆
汎用性 :★★★★★
特徴:MidiをDAWに一々直接インポート&加工のプロセスを踏まずにソフト上ですべて調整可能、スライスした、あるいはフルのMidiデータをエクスポート可能、
おすすめできる人:ループ音楽を中心としたトラックメーカー、そのままループを使うだけでなくひと手間加えてオリジナリティを出したい人、Midiデータを管理してすぐ呼び出したい人、既存の作品からインスピレーションを受けたり、利用したい人向け