【Review】MAGES.『「KA・WA・YO」- FOR MUSIC -』レビュー(かけ声やナンバー、オタコールなど、楽曲制作のみならず、動画制作など、様々なシーンで活用できるかけ声音源、使い方と機能・評価)
【Review】MAGES.『「KA・WA・YO」- FOR MUSIC -』レビュー(かけ声音源、使い方と機能・評価)
製品情報
本製品はNative Instruments社のサンプラー「KONTAKT」に対応する、作曲支援ボイスライブラリーです。掛け声やナンバー、オタコールなど、楽曲制作のみならず、動画制作など、様々なシーンで活用できる126種類の音源を収録しています。各声に対応するフェーダー、サンプルの微調整が可能なノブ、サンプルの発音方法やダブリング効果の有無を切り替えるスイッチを搭載。最大10声(5声×ダブル)の発声をコントロールする事が可能です。
・最大5声ダブルで任意に1~5声の再生・ミュートをリアルタイムにコントロール可能
・6キースイッチによるボイスグループの切り替え
・ベロシティ3レイヤー
・速度・ファイン&セミチューニング・ステレオイメージなど、細かな調整が可能
・5声ステレオダブル状態のWAV(48k,24bit)378ファイルを収録
(KONTAKTを持っていなくてもシーケンサー上でご使用が可能です)
製品の特長
5声の掛け声をリアルタイムにコントロール可能
女性(5声) / 男性(5声) / ロボット(1声)のnkiを収録
各声ボリュームを微調整するフェーダー搭載
DOUBLE / LIVE MODE / MULTI の3スイッチ搭載
6種のボイスグループ(キースイッチ対応)
汎用的に使えるものから、パーカッションボイス、コール等を多彩に収録
ベロシティで切り替わる3レイヤーテンション搭載
1~50:ライブ中テンションが上がったけど疲れてしまったボイス
51~100:楽しいボイス
101~127:テンションMAX
サンプルの微調整が可能なコントロールノブを搭載
各ノブ(Speed / Relese / Fine / Semi / Stereo)をリアルタイムに操作可能
その他詳しい内容は製品ページを確認してみてください。
機能紹介・使い方
STEINS;GATEほか、数々のビデオゲームやアニメ音楽を手掛けるMAGESによる第一作のKontaktライブラリ。
Kontaktフルバージョンが必要なKontaktライブラリですが、機能には少し説明が必要になるのでここでは通常のライブラリにはない特徴について触れながら見ていきたいと思います。総容量はトータルおおよそ1GB程度ですが、Kontaktライブラリの立ち上げには環境によってはロードにほんの少し時間がかかります。(そこまで長くはないですが。)ライブラリのKontaktパッチは3種類用意されており、ロボット、女声、男声の3種類。赤色のキースイッチはライブラリのサンプルのカテゴリを選択するキースイッチであり、ジャンルごとに高域の水色のキーでトリガー出来るサンプル集がまとめられています。各素材はEQやコンプ、その他エフェクトがかかっていないナチュラルな状態なので、楽曲にぴったりな加工、調整がしやすい状態になっています。
カテゴリーは以下の通り。
C1 汎用 D1 カウント系+セリフ
E1 汎用2 F1 かわいいパーカッションボイス
G1 コール A1 方向指示+その他
収録ボイスは以下の通り。(製品ページより引用)
音するようになります。(途中で切れないということ)パッドなどにアサインする場合等にも適しています。SingleとMULTIのモードがあり、MULTIではONにすると前のサンプルの発音中でも次のサンプルが重なって鳴るようになります。例えば早いパッセージの曲の場合は
重なって鳴らない方がスピード感が出しやすいということもありますね。
す。そして重要なのは男声と女性のライブラリに見られる5ボイスのフェーダー。これは一つのかけ声に対し、5人の異なる声で発声されるそれぞれの声のボリュームバランスをコントロールできるものです。緑色のキーボードは5声それぞれの声に対応しており、それぞれのキーを押すことでその声だけを鳴らすことができるので、鳴らしたい声や人数をリアルタイム制御できるわけですね。 またユニークなのが上記各かけ声にはベロシティで切り替わる声のトーンの3ベロシティレイヤーが搭載されており、
1~50:ライブ中テンションが上がったけど疲れてしまったボイス
51~100:楽しいボイス
101~127:テンションMAX
といったように単に声のボリュームではなく、声のテンションやニュアンスを入力の強弱でコントロールできてしまうという機能。
なんといってもリアルタイムコントロールに対応しているというのが一つのポイントになります。かけ声はまさしく生ものですので、楽器と同じように生きている必要があります。臨場感あふれる声を適切に追加できるのはなかなか便利なものです。そのためにもどの鍵盤にどのかけ声が入っているか覚えておく必要はあるかもしれません。
また、ベロシティによるテンションのバリエーションを付けられるというのがリアルタイム入力の操作を考えた時に非常に合理的でより即興的なフィールを加えられるように設計されているといえます。(テンションが上がった時その勢いでMIDIコントローラーで強く入力すればよいということ)あとはこれは製品の良し悪しとは別の観点にはなりますが、評価の基準としてはかけ声が制作のジャンルに合うかどうかというのも評価の分かれ目かもしれません。(筆者はそこまでマルチジャンルのかけ声を全て認知しているわけではないので詳しく述べることはできませんが、筆者にとってあまり聞きなれないかけ声も入っていたのでジャンルによる適合の可否はあるかもしれません。)
フェーダーにそれぞれのボイスの入力信号が表示されてくれればユーザーとしてはわかりやすい気がしないでもないですね。総じて比較的シンプルなコントロールでかけ声のバリエーションを付けることができるので楽曲に少しトッピングして彩る制作ツールとしても役立ちそうなライブラリだと思います。