【Review】Arturia「Acid V」レビュー(アシッドサウンドの象徴的なベースシンセサイザーRoland TB303のエミュレーションプラグイン・使い方・評価・セール情報)

【Review】Arturia「Acid V」レビュー(アシッドサウンドの象徴的なベースシンセサイザーRoland TB303のエミュレーションプラグイン・使い方・評価・セール情報)


製品情報


Arturia が現代向けに再考した伝説の TB-303 で、生々しいアナログ サウンドを解き放ちましょう。 Acid V の綿密なエミュレーション、高度なシーケンサー、モジュレーション システムはノスタルジーを超え、経験豊富なプロデューサーにクラシックな要素を革新的なトラックに再構築するツールを提供します。

Acid V には、新たな実験的な機能が追加されています。

  • 進化したシーケンサー&アルペジエーター
  • サウンドを進化させる先進のモジュレーションシステム
  • 内蔵ディストーション
  • サブオシレーターとビブラート
  • 鱗と変換
  • 17x ハイグレードエフェクト



象徴的なアシッドサウンドを求めるエレクトロニックミュージシャン向け。Acid V は、Roland の伝説的な TB-303 のソフトウェア エミュレーションであり、モデルと制作に対応したワークフローにより、前例のないオーディオ品質を実現します。波形選択による複雑なベースラインの作成、モジュレーションによるサウンドの進化、または内蔵ディストーションや高品位エフェクトの実験など、Acid V は創造的な旅を促進します。隠れた微調整、多彩なシーケンサーコントロール、リアルタイムインタラクションなどの機能を備えたこの製品は、音の革新の触媒となり、インスピレーションの連鎖反応を引き起こします。ミックスを致死レベルまで加熱する音の連鎖反応を引き起こすのに最適なツールです。


 
特徴
波形セレクター
完璧にモデリングされたクラシックなノコギリ波と方形波は、ベースラインにまったく異なる倍音特性を提供します。

音声とフィルターのコントロール
Acid V の音声を調整するための一連のコントロール。主に特徴的な金切り声フィルターを制御します。カットオフに乗り、レゾナンスを限界まで押し上げ、エンベロープコントロールでパンチの効いたスイートスポットを見つけます。

サブ オシレーター
2 オクターブのサブ オシレーターと 3 つの波形から選択して、Acid V のサウンドにさらに深みとコントラストのあるテクスチャーを追加します。

ビブラート

Acid V の追加のビブラート コントロールを使用して、微妙なピッチの動きを調整したり、クランク レートでフル FM を実行したり、その中間の操作を行うこともできます。

ねじれ

アナログまたはデジタルの 14 のアルゴリズムから選択し、ドライブとドライ/ウェット ブレンドをカスタマイズします。

シーケンサーとパフォーマンスコントロール

前モデルのハードウェアのコントロールを反映した Acid V のメイン シーケンサー パネルでは、シーケンス、アルペジオ、ノート入力などを素早く調整でき、リアルタイムでパターンを操作するのに最適です。

使い方・機能

Arturia「Acid V」はRoland TB303 Bass Lineのエミュレーションプラグイン。Roland TB303 はアシッドテクノなどでおなじみのアシッドベースでは欠かせない象徴的なハードウェアです。実機はこのようなフロントパネルになっていました。



Arturia「Acid V」は上記のハードウェアを模したようなメインUIが用意されています。波形は鋸と矩形波から選択可能。実機と同様サブオシレータも用意されています。コントロールノブはどれも一目見ればわかるものばかりですが、注目すべきはディストーション。これは複数のディストーションモデルが用意されているのですが、所謂ギターアンプのディストーションとは異なり、ドライブ量を上げることでサウンドが立体的かつ有機的になるアナログ由来のエフェクト。種類も多いので、かなり重要度の高いパラメータです。画面右下のスライド、アクセント、ビブラートはリアルタイムコントロール用のスイッチになり押している間それぞれの効果がかかります。

パターンではプリセットとなっているアルペジオパターンから選択可能。通常のアルペジオパターンに加えて、アシッド特有の象徴的なパターンが多数収録されているので非常に便利な作りになっています。ここまではメインUIのシンプルな機能。ここから拡張機能として(多くは実機にはない機能になります)、再現から再創造の世界になります。
まず、画面右上のスイッチを押すとここまで述べたパラメータの詳細設定が開きます。ベースのブーストやアクセントのアタックの度合い、カットオフの周波数帯域の選択、ピッチの追従、ハードウェアノイズの量をコントロール、クリッパーが用意されています。



また、アドバンス機能を開くと、プリセットとなっていた、シーケンスパターンの細かな統制ができるようになっています。またモジュレーションが3種類のスロットで用意されており、ポイントを打ってLFOカーブをえがくことが できます。モジュレーションのアサインはドラッグアンドドロップでノブに持っていくSerum方式の操作で行うことができます。モジュレーションをアサインするとノブの下にモジュレーション量のノブが用意されるのでそれをコントロール可能。


また、エフェクトもこのタイプのエミュレーションではなかなかみられないほどには非常に強力で、エフェクトラックに一通りの種類のエフェクトから自由にロードすることが可能。


JUN-6など実機から由来するエミュレーションエフェクトも用意されています。また、これらのエフェクトに用意されているパラメータはモジュレーションも可能というなかなかの徹底ぶりで、非常に複雑な動作をオートメーション化することが可能になっています。




評価・まとめ

Roland TB303はアシッドテクノ等のダンスミュージックを制作する人にとっては非常に重要なハードウェアサウンドです。この音楽制作において重要な楽器ともいえるハードウェアを再現しているわけですが、音の圧倒的存在感と質感の有機的な再現性にまず驚かされます。サウンドは非常に太さがありますが、細かなハードウェア特有の金属質な質感が非常に繊細に再現されていて、また、アシッド系のシーケンスパターンがプリセットとして内蔵されているので、これを使うだけですぐにアシッドスタイルのベースラインの出発点としてセットアップできるというのは非常に便利。ベースが主役になり楽器として担うことができそうなくらいには良く再現されているといった印象です。第一に音の良さが印象的ですが、サウンドを瞬時にアシッドにできるシーケンスというのもまた、非常に便利なライブラリとしての評価ができる と思われます。また、エフェクトラックも非常に多様で、モジュレーションも充実しており、操作性が現代の主要シンセ思わせる点においてもモダンです。これだけ有名な機材をこの時期にリリースしたというのは相応の自信があったと思われ、実際非常に完成度の高いエミュレーションとなっているといわざるを得ないでしょう。Arturia製品の中でも一際主張の強い優先度の製品だと思われるので、ダンスミュージックを中心に制作する人にとっては見過ごすことのできないシンセエミュレーションの一つだと思います。


セール情報

Arturiaは基本的にプラグインのセールの最安値が50%OFFに留まることが多いメーカーです。セール頻度は多くないですが時折行われる琴があるので、チェックしてみてください。