【Review】SoliderSound「S Pulser Pro」レビュー(エンベロープシーケンサープラグイン・機能紹介・評価・無料プラグインについての補足)




【Review】SoliderSound「S Pulser Pro」レビュー(エンベロープシーケンサープラグイン・機能紹介・評価・無料プラグインについての補足)

製品情報

無限の音楽の可能性を簡単に発見。


S Pulser Proは、あらゆるメロディーのリズム・スタイルを無制限に作成できるリズム・ジェネレーター・プラグインです。マルチ・ステップ、エンベロープ・シェイプ、ミッドサイド・プロセッシング、周波数レンジ・コントロールなどを駆使して、サウンドを向上させます。S Pulser Proはあなたの音楽をレベルアップし、画期的なリズム・イノベーションの原動力となるでしょう。



主な使い方

  • あらゆるサウンドにリズムとパルスを作成。
  • 独特でユニークなリバーブ・パルス効果で、リバーブ・トラックの雰囲気を高めましょう。
  • よりユニークなFXサウンドを作成。
  • 音楽や映画音楽のためのユニークなサウンド・エフェクトをデザインできます。
  • コード進行をエキサイティングでリズミカルな傑作に簡単に変換。
  • サイドチェイン・ダッキング・エフェクトを様々なスタイルでサウンドに素早く適用。
  • ユニークなパルスエフェクトを、ステレオトラックのミッドまたはサイドの周波数に個別に適用できます。
  • 複雑な音楽パターンを簡単に作成



想像を絶するリズムスタイルを作成

S Pulser Proをワンクリックするだけで、あなたのサウンドに思いもよらない新しいリズムスタイルが生まれます。あなたのサウンドのパターンを生成し、あなたの音楽をよりインパクトのある革新的なものにします。


S Pulser Proでは、パルシング・エフェクトのレートをコントロールしたり、ステップを作成したり、各ステップまたはすべてにミッドサイド処理を適用したり、各ステップごとにユニークな設定で異なるエンベロープ・シェイプを利用したりすることができます。オートジェネレーター機能により、S Pulser Proはこれらのエフェクトをあなたのトラックにダイナミックに適用し、今まで想像もしなかったようなリズムスタイルを発見します。





引用元:S Pulser Pro(公式サイト)



機能紹介・使い方



SoliderSound「S Pulser Pro」はエンベロープシーケンサープラグインということで具体的にどのようなプラグインなのか一見するとややわかりにくいかと思いますが、カテゴリーとしてはLFOシェイプを描くタイプのダッキングエフェクトプラグイン、Shaperbox 3シリーズのボリューム系のプラグインにエフェクトの雰囲気は近いといえます。サウンドを圧縮して音量の変化をもたらしてサウンドにリズムやうねりを加えるプラグインです。

エフェクトプラグインとしてトラックにまず挿します。
シーケンサーが画面下部に用意されているのが特徴です。最大8ステップで、ステップのON OFFが用意されています。ステップごとにLFOシェイプの形状とMS処理を個別設定することが可能になっています。

真ん中のEffect Depthはエフェクトのかかり具合といったところで、具体的に言えば、LFOシェイプの波の高さをコントロールします。大きく設定すると表示されているLFOシェイプの波の振幅が大きくなります。LFOシェイプにリアルタイム表示されるのが直感的で非常に良いです。ステップの番号をクリックするとそのステップのみの設定になり、Allをクリックするとその設定が全てのステップに適用されます。



Rateではステップの周期のスピードを設定します。1/32だと速いといったところで、こちらも、再生している間リアルタイムでLFOシェイプ上を点滅しながら線が光って動くので、エフェクトの動きがイメージしやすいです。


それぞれのステップのエフェクトシェイプはダッキング、サインは、矩形波、SAW波から選ぶことができます。Allにすると全ての波形をその選択したものに変更可能。Offsetはこのステップシーケンサーのタイミングを全体的に前後にずらすことができる機能。1つのステップを100%として単位づけられており、ずらすことができます。(こちらはシーケンス上の形状にはビジュアルとしては反映されません。)

Shape機能はLFOシェイプの波形の傾きをコントロールし、滑らかな勾配にすることができます。
さいころマークはオートジェネレータで、LFOシェイプの設定をランダマイズするランダマイズ機能です。

強力な機能でなかなか面白いのが、MS処理機能。これはそれぞれのステップに対して独立して、エフェクトをMSのどちらに偏らせるかを設定することができる機能。それぞれのステップの下にそれぞれ設定したMSスライダーのアイコンが表示されています。
また、エフェクトを特定の周波数帯域に限定して設定することができ、20Hzから20kHzをスライダーで範囲設定して適用できます。周波数帯域によって全く異なるエフェクトになるので非常にクリエイティブな効果を見込めます。
また、30以上のプリセットが用意されており、業界のプロによって作成された、特定の楽器やエフェクト・スタイルのプリセットが含まれています。UndoとRedoオプションがあるのはうれしいところ。




まとめ

ダッキング系のプラグインは他にも多数製品がリリースされている中でこのプラグインの最大の特徴はLFOシェイプのコントロールの合理的な設計と手軽さにあると思いますね。LFOシェイプというとShaperbox 3等の画面上でシェイプを直接描くタイプがありますが、非常に操作性に優れているもののやはり手間がかかるというのと手軽に色々なヴァリエーションを瞬時に試すのにはやや不適です。

このプラグインの場合LFOシェイプを一から描くことなく、ステップごとにパラメータコントロールによって調整できるというカスタマイズ性に優れているだけでなく、全ステップを一括して調整までできるので、全体の動きを一つの操作で一括コントロールできるという迅速性があり、大きな差別化を図っているといえます。ステップごとのシェイプを一括である波形に変えたり、パルスのうねりの深さや傾きを調整するなどがステップになっていることで非常に手軽。また、瞬時にバリエーションを提示するランダマイズボタンも非常に有用。ステップになっている以上、規則的な律動に限定されてはいますが、それらに特化していることで、ダンスミュージックには非常に親和性が高い。また、テンポを緩やかにすることで、おだやかな音の揺らぎをもたらすこともできます。シーケンスが8つとなっているので今後アップデート等増えると嬉しいといったところです。また、不要かもしれませんがエフェクトを適用する現状周波数帯域の設定がエフェクト全体の一括適用となっているので、もし、ステップごとに設定できるとまた面白そうな気がしますね。総じて複雑なLFO設定をカスタマイズ性を犠牲にすることなく如何にして手軽にセットアップできるようにするかという問題に対し、優秀な解の一つを提示しているといえ、合理的な機能設計といった面において、非常に良く考えられたツールとして評価ができるプラグインかと思います。また、無料試用ができるのも非常に良心的といえますね。また、このタイプのプラグインにしては価格が控えめなのもうれしいところではあります。


セール情報・無料版についての補足


セール自体は一年に何回かあるようですが頻度は多くありません。また、このプラグインのシーケンサー機能を省いたS Pulser というトレモロエフェクトプラグインがリリースされています。こちらは無料製品なのですが、LFOシェイプのカスタマイズができないもののトレモロエフェクトとしては非常に有用なのでまずはこちらを使ってみるのも良さそうですね。

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