【Review】Krotos「Igniter/Igniter Full Tank」レビュー(車やバイク、飛行機、ヘリコプター、宇宙船等あらゆる車両のエンジン音や駆動音をデザインする究極の車両音響サウンドデザインツール・使い方・評価・セール情報についての補足)

【Review】Krotos「Igniter/Igniter Full Tank」レビュー(車やバイク、飛行機、ヘリコプター、宇宙船等あらゆる車両のエンジン音や駆動音をデザインする究極の車両音響サウンドデザインツール)




製品情報



業界標準の車両音響設計システム

Igniter は、DAW 内で車両を直接設計、実行、自動化するためのワンストップ ソリューションです。日常の乗り物から、スポーツカー、バイク、飛行機、ヘリコプター、宇宙船、ドローンなど、想像できるあらゆるものまで。

DAW で車両のサウンドエフェクトを直接デザイン

すぐに使える車両- フォード F150、ハーレーダビッドソン、アウディ R8 などを含む 20 台以上の高品質で高性能な車両からお選びください。

ハイブリッド ワークフローの力を探る- グラニュラー、シンセ、ワン ショット、またはループ モジュールを使用して、強力なハイブリッド ワークフローの一部として車両のサウンド エフェクトを処理します。
車両サウンドを数秒でデザイン- Igniter を使用すると、何時間もの編集作業が節約され、MIDI 経由で車両サウンドエフェクトを実行したり、複雑な車両シーンでサウンドの長さや種類を数秒で変更したりすることができます。
サウンドデザインにおける使用例
車両の動き- 自動化を使用して車両を設計し、車両の音響効果の時間のかかる要素を排除します。柔軟で素早いワークフローを使用して、画面上の映像に従ってデザインを行うことができます。

通りすがりの運転- Igniter のプリセットにドップラー効果を即座に追加し、空間を通過する車両の動き、または視聴者を通過する車両の動きを実行します。この動きを保存して呼び出して、後の編集で簡単に調整したり、別のプロジェクトで使用するためにプリセットを保存したりできます。

Vehicle Foley - 甘味料、車のドア、窓、フロントガラスのワイパー、内装または外装 - 車両の完全なシーンを 1 つで提供します。「One Shot」タブには、デザインにさらなる次元を加えるために甘味料をロードできるサンプラーのコレクションが含まれています。

電気自動車- Igniter のファイル ブラウザで多数の電気自動車アセットに直接アクセスし、すぐに使える電気自動車プリセットにアクセスして、完全にリアルな電気自動車エフェクトを瞬時に生成します。

視点と変更- 各車両のエンジンと排気の視点を組み合わせて自動化し、完璧な組み合わせを実現します。Igniter の内蔵コンボリューション リバーブを使用して、内部と外部の視点を切り替えたり、独自のライブラリから独自のインパルス レスポンスをドラッグ アンド ドロップしたりすることもできます。

サーフェス上の動き- Igniter のループ システムを使用すると、タイムラインに沿ってループをシーケンスし、動的に変化するループベースのシステムを設計できます。この機能により、車両がさまざまな路面や風速の上を移動したり、静的な回転バンド記録を使用して車両用のループ駆動システムを作成したりすることができます。

複雑なアクション- 回転、加速、ブレーキ、エンジン、排気を追加するイグナイターの可能性を最大限に高めます。マウスまたは MIDI コントローラーを使用して車両の動作をすばやくスケッチし、画像に合わせてすぐに実行します。

ドローンと航空機- 地上に限界はありません。Igniter には、地上車両だけでなく、ヘリコプターやドローンの設計に最適な航空音響効果が多数含まれています。

SF と未来の宇宙船- Igniter の [Synth] タブを使用して、時間と空間を旅し、宇宙船、SF テクスチャ、未来の乗り物をデザインします。

世界クラスの車両効果音ライブラリ

Igniter は、世界最高の録音家による比類のない車両ライブラリと、オンボード録音、ランプと静的回転バンド、フォーリー サウンド、スキッド、スライドなどを含む車両デザインのあらゆる側面をカバーする Igniter プラグインを組み合わせています。

  • アグスタ ウエストランド 119x
  • アストンマーティン ラピード
  • アウディ R8
  • BMW i3
  • バッカー BU 131
  • セスナ560XL
  • CH-47D チヌーク
  • ダチア 1310
  • デ・ハビランド タイガーモス
  • フェラーリ 348
  • フォード F150
  • ハーレーダビッドソン 99 ホッグ
  • ホンダシビック
  • ヒューイ UH-1H
  • ランドローバー ディフェンダー
  • メルセデス・アクトロス
  • ポルシェ カレラ
  • スバル クロストレック SUV
  • スバル インプレッサ
  • テスラ モデルS P85D
  • トヨタ チェイサー
  • U650M トラクター
  • タイヤ
特徴
  • イグナイタープラグイン
  • 2,689 オーディオ サンプル
  • 24 台の実行可能な車両
  • 284 プリセット
  • 75 GB GB追加SFX
  • タグ駆動型ブラウザ



その他製品の内容はこちらも参考にしてみてください。


IgniterとIgniter Full Tankのエディション・グレードの違い

Krotos「Igniter」にはIgniterとIgniter Full Tank2つのエディションが用意されています。エディションの違いはサンプル数と追加のSFXサウンドの量。収録されている車両の種類や機能等は同様です。 Full Tankでは無印が4.9GBのSFXアセットに対し、75GBものボリュームに及びます。とことん素材を使用したいという人にはIgniter Full Tankが良いかもしれませんが、Igniterでも十分なプロフェッショナル仕様であることが分かります。

Igniter



最適な対象: ポストプロダクション プロジェクトにダイナミックな車両デザインを追加したい音響専門家

  • イグナイタープラグイン
  • 630 サンプル
  • 24 台の実行可能な車両
  • 284 プリセット
  • 4.9GBの追加SFX
  • タグ駆動型ブラウザ

Igniter Full Tank


理想的なユーザー: Igniter プラグインを使用して、世界最高の録音者による膨大な車両ライブラリを必要とするサウンド プロフェッショナル。

  • イグナイタープラグイン
  • 2,689 サンプル
  • 24 台の実行可能な車両
  • 284 プリセット
  • 75GBの追加SFX?
  • タグ駆動型ブラウザ
Igniterに拡張コンテンツが付いたのがIgniter Full Tankということになります。Igniter Full Tankはコアライブラリに加えて大量のZipファイルでサウンドアセットをダウンロードすることになるのですが、あまりにも量が多いので、完全にプロ仕様あるいは車にこだわる人のニーズを想定したものだと思いますね。


機能紹介


Krotos「Igniter」は様々な車両の駆動音を素材にしたサウンドデザインツール。筆者はあくまで音響側の人間なので車両の種類に特別詳しいわけではないですが、国産、外車含め名前を聴いたことのある車両のライブラリがそろっています。

アウディ R8

スバル インプレッサ


自動車だけでなく、ヘリコプター、バイク、飛行機、トラクター等も収録されています。






Igniter/Igniter Full Tank共通のプラグインについて解説していきます。コアライブラリには4つのミキサーとエフェクトバストラック、そしてマスターとなっており、4種類の音源をミキシングすることが可能。グラニュラー画面はまさにエンジン音を作成する核心とも言えエンジン音と排気音を自在にブレンドすることが可能になっています。面白いのが、それぞれ異なる音声ファイルが用意されているので、現実にはありえない組み合わせによって、独自の車両を作ることも可能。(バイクのエンジンで排気音はスポーツカーなど。)画面上の2つのスイッチを押すと様々な車両のサウンドをロード可能。ここでのファイルはサンプルファイルではなく、kepファイルという特殊なファイルになっています。つまり、単なるサンプルの再生ではなく、パラメータの変化に伴ってエンジン駆動と発信音がシミュレートされるように設計されているわけです。

ここからは少し車の知識がないと難しい内容になるかもしれませんが、RPMはエンジンの回転数のこと。(Rotations Per Minute)Loadはエンジンの負荷についてのパラメータになります。ペダルを踏んで圧力をかけると、エンジンは「オンロード」になります。 ペダルを放して圧力を解放すれば、エンジンはまだ動いていますが、通常は回転数が下がり、「オフロード」になります。Manualとオートモードがあり、Manualではこれら2つのパラメータを手動で動かすことができるわけです。オートの場合はまさにオートマ車のようにアクセルとブレーキのパラメータ。つまり、まさしく運転するかのようにサウンドをコントロールできます。これは革新的な部分ともいえます。右側のRevsエンジンの回転をコントロールします。はこれらのパラメータはリアルタイムコントロールによって、車の動きをリアルタイム操作できるわけですね。

シンセセクションでは5つのオシレータが搭載されたシンセのサウンドをブレンドすることが可能。
これに関しては特に新しいこともないですが、それぞれのオシレータでは2つの波形をブレンドすることで波形を作ることが可能。
ワンショットではタイムライン上に4種類のサンプルをロードすることが可能。4つのタイムライン上にスタートポイントを設定することですきなタイミングで再生することが可能。Revsコントロールによって再生場所をコントロール可能。
△は再生のバーがその向きに移動した時のみトリガーできるもの。□はその位置で再生が停止します。ひし形は順次逆行関係なくトリガーします。タイムライン上に10個のポイントを置くことができるので、複数の車の音を鳴らせるようになっているわけです。


ループでは4種類のサンプルをクロスフェードで組み合わせることが可能。
後はエフェクトですが、それぞれのトラックのフェーダーの下にエフェクトチェーンが表示されており、それぞれのトラックごとにエフェクトをロードすることが可能。EQといった基本的なものから、フェーザー、リングモジュレーションといったものまで様々なものが用意されています。

まとめ・評価

自動車やヘリコプター、飛行機など、様々な車両の発信音をあたかも実際の車に乗ってシミュレートするかのようにリアルタイムで鳴らすことができるプラグインはたぐいまれ。エンジンの駆動やアイドリング、加速に至るまで、さほど神経質にならなくとも(クオリティを上げるためにはリアルタイムコントロールを絶妙にコントロールすると良くなりますが、おおざっぱでもそこまで違和感なくリアルな一連の音の動作が再現できます)車両のエンジン音を再現可能。これは実際に全ての車両を収録するのはほぼ不可能であるため、これらのサウンドが全て簡単にシミュレートできるのはまさに革命的ともいえます。

シンセサイザーも付いていることでシンセの音をミックスできるようになっていますが、少し厳しい目でみるならば良くも悪くも標準的かもしれません。これがあることでプラグイン内で、車両のSFXとしてだけでなくシーン全体のサウンドスケープを完結あるいは部分的にデザインできるというのは良いとは思うものの。また、SFXアセットがデータベース構造になっているわけではなく、フォルダ参照型のプルダウンで表示されるところは少し惜しいところ。特にFull Tankの場合データ容量は75GBにもなりますから、大量のフォルダがある関係上、文字で表示されても目当てのファイルを見つけるのが難しいのでこれは今後データベース構造を導入されると助かるところですね。また、フォルダを一つ一つドラッグアンドドロップするのではなく、データベースからクリックすることで ロードできるようになると操作性が上がるかと思いますね。

また、ポストプロダクションの観点から離れて楽曲といった音楽制作の観点からみれば真っ先に思いつくのは電子音楽のジャンル。車の音やアクセルといった音はまさにトラックを彩る上で重要な素材となりえ、これまでも様々なトラックで使用されていることを考えれば、そのサウンドをあたかも自分が車に乗って収録するかのようにコントロールして思いのままのサウンドが作れるのは非常に魅力的。ワンショットサンプルを好きなタイミングで鳴らすこともできるため、非常に複雑なサウンドが作り出せます。これだけでも導入するメリットが十分にありそうです。また、通常の楽曲としてもSFX的に使用することもできますが、オーバースペックぎみかもしれません。やはりある程度素材として主張のあるところで使ってあげたいところです。



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