【Review】Reveal Sound「Spire」レビュー(ポリフォニックシンセサイザー、Serum等人気シンセとの比較など)
メーカー情報
Spireは、強力なサウンドエンジンモジュレーションと柔軟なアーキテクチャを組み合わせたポリフォニックソフトウェアシンセサイザーであり、グラフィカルインターフェイスは比類のない使いやすさを提供します。Spireは、ソフトウェアおよびハードウェアシンセサイザー内での最高の機会の具現化です。
特徴
- 4xマルチモードポリモーフィングオシレーター
- クラシック、ノイズ、FM、AMSync、SawPWM
- 4xマクロ、4xエンベロープ、モーフィング形状の4x LFO、
- それぞれ2xソースと4xターゲットを備えた15xマトリックススロット
引用元:Spire
機能紹介
Reveal Sound「Spire」は4つのオシレータが用意されたポリフォニックシンセサイザー。クラシック、ノイズ、FM、AMSync、SawPWM等、オシレータのパターンが豊富なのも特徴となってます。
ステップ機能やアルペジエータも用意されています。特にステップ機能に関しては、線を実際に描くのではなく、エディット様々な機能でカーブや反復数をポイントごとにコントロールして描くことができるのでとても操作しやすくなっています。(X1X2等をいじることで周期を変えることができます。また直線等も可能なので基本Serumのマルチエンヴェロープと同じようなものは描くことができます。)
アルペジエータは比較的シンプルなつくりですが、様々なアルペジエータパターンやゲート、サステイン等過不足なく用意されており、使えるようになっています。
ノブとして用意されているパラメータはほとんどシンセを触ったことのある人ならなんとなく使い方がわかりそうなものがそろっています。
ノブを右クリックしたままドラッグアンドドロップすることでルーティングできるのはSerumと共通していますね。ルーティング先が点灯するのでどこをつなぐことができるのかわかりやすいのも〇。
評価
流石は人気の大型シンセといったところで、
プリセットに関しては癖が強いものではなく、一度は聴いたことのあるプリセットが揃えられており大変使いやすい印象です。全体的にみてゴリゴリ系から一歩引いたサウンドといいましょうか(もちろんその方向性の音色も用意されています)、ポップス系等にも使いやすいサウンドです。そして古い感じでないのでバランスが良い。
ヴィンテージハードウェアシンセ系サウンドだけでなく、デジタルよりのEDMサウンドもあり、ハイファイ系等頻繁に使いそうな音色が多数用意されているのが〇です。
音色としてはデフォルトプリセットのみに言及するのであれば、Serumのような刺さるような音ではなく、かといってバッキングに徹するような控えめサウンドでもなく、一定の太さのある程よい主張感なのでそのまま使いやすい音色が多い印象です。(印象としてはSerumが鋭利な硬さのあるサウンド、Spireは輪郭ははっきりしているものの先が尖っていない聴きやすいサウンド)
また、操作性が良いのも〇です。ルーティング方法等はSerum等と共通ですが、一画面に必要な情報が備わっているだけでなく、わかりやすいので、ストレスなくお目当てのサウンドにたどり着けそうです。そして多機能の割に軽めなのもポイント。
機能に関しては、真新しいものがそろっているというよりはむしろ使いやすさにこだわっているといった印象。エンヴェロープ等を描いたりするのがやりやすいですね。
ここ5年間で登場した人気の大型シンセと比較してみるとAvengerが最も斬新な機能が付いている印象です。そして、SerumはサウンドがTheSerumでややとがりがち。
Spireはどちらかというとこれまでのシンセ機能を使いやすいように整理しつつ、現代寄りの機能を不足なく搭載したシンセという印象です。そのため、往来のシンセユーザーは使いやすいと思います。そして初めてシンセを使う人や商業的に汎用性の高いサウンドを求めている人には、大変使いやすく大変おすすめです。かといってNexusのように一昔前にやや使い古されたものが大半を占めているといったこともないので、大変バランスが良いシンセサイザーといえますね。
Serumのようなウェーブテーブル波形のロードや1からパラメータを描くようなことをする機能はない代わりに、あちらよりも通常のエディットがより直感的かつ簡単にできるように設計されています。
その点においてSerumとはすみわけされているように感じますね。
最安値とセール情報
国内と国外で為替の関係上若干の変動はありますが、50%OFFあたりが最安値でした。(税抜き94ドル)時折セールが行われるのでチェックしてみてください。