【Review】MeldaProduction「MDrumStrip」レビュー(ドラムのミキシングに最適化されたチャンネルストリッププラグイン・機能・使い方・評価・セール情報)

【Review】MeldaProduction「MDrumStrip」レビュー(ドラムに最適化されたチャンネルストリッププラグイン)


製品情報


あらゆるドラムミキシングのためのオールインワンソリューション
MDrumStrip は 1 つの特定のタスク用に設計されており、実行する必要があるすべてが含まれています。いくつかのコンプレッションやEQプラグイン、リバーブなどは必要ありません。指示に従ってミキシングを行うだけです。オーディオをスマートに分析し、内部アルゴリズムをカスタマイズするため、通常は最小限の調整のみが必要です。素早くて簡単です。ただし、MDrumStrip には、さらに詳しく知りたい場合に備えて、より高度なコントロールも多数含まれています。遅延がゼロなので、MDrumStrip を取り出してライブで使用することもできます。




隠れたノウハウ
私たちは世界クラスのプロデューサーがどのように仕事をしているかについての複雑なノウハウをもとに MDrumStrip を設計し、プラグインをシンプルでありながら多用途にしました。すべてのノウハウを自分で学ぶ必要はありません。それがコンピュータの目的ではないでしょうか?もちろん、すでに数十のオーディオ プラグインをお持ちで、ドラムのミキシングに長年の経験がある場合は、これまで行ってきた方法でドラムをミキシングすることができます。しかし、MDrumStrip を使用することでより簡単に、より速く、そしておそらくさらに良いサウンドが得られるとしたら、なぜそう思うのでしょうか? 


その他詳しい製品情報はこちらも参照してみてください。

機能紹介

MDrumStripはドラムキットごとに最適化されたチャンネルストリッププラグイン。エレクトロニック・ドラムにも活用できますが、生ドラムの収録後に生じうる処理、例えば、ドラムのブリードに関する処理等も網羅的にできるように設計されているため、特にアコースティック・ドラム用にデザインされています。ドラムのために最適化されたチャンネルストリップというとSSL Native Drumstrip等もありますが、
MDrumStripの最大の特徴はドラムキットパーツごとに、つまり、バスドラム、スネアハイハット、タム、さらにルームやオーバーヘッド等マイクごとに収録されたそれぞれのソースに最適化されたチャンネルストリップが一つのプラグインのモードとして用意されている点。これはかなりの力の入りようだと思います。(下記はルーティング例)



プラグイン画面左端にそれぞれのチャンネルストリップのモードが用意されているので、トラックごとに(ヴァーチャルインストルメントの場合はパラアウトされているそれぞれのトラック)に挿してそれぞれ該当する楽器のチャンネルストリップを選択します。


例えば、バスドラムの場合、上記画面、これだけでも十分すぎるほどの機能が所狭しと搭載されています。それぞれに用意されたダイナミックEQでは、あらかじめバスドラムを想定したカテゴリー名が表示された周波数帯域が区分けされていてセッティングされているので、気になるところを少しいじればOKという便利仕様。青色の線で周波数帯域の区分が確認できます。また、EQ画面のノブはEQ量ですが、下のパラメータをみるとわかるようにターゲットとなる周波数帯域の位置調整等ももちろんできます。これはそれぞれ可動域が用意されているので、Bodyであれば、それに該当する周波数帯域の一定の範囲以上は動けないようにしてくれているので、迷うこともありません。BWはフィルターの帯域幅、つまりフィルターが影響を与える周波数の範囲をコントロールします。

Dynamicは、ダイナミックEQの動きを制御するパラメータ。このフィルターをどの程度ダイナミックにするかをコントロールします。0%に設定すると、従来のパラメトリック・イコライザーのように、フィルターは完全に静的な状態になります。100% に設定すると、フィルターは完全にダイナミックになります。100%に設定すると、レベルがあるスレッショルドを超えると、フィルターが作動します。つまり、ドラムが実際に叩かれたときだけフィルターが動くことになります。どれくらいダイナミックEQにするか具合を調整するということです。

右画面のResokillはレゾナンスサプレッサーで、オンにすると2ポイントの赤色の縦線が表示され、その位置の周波数帯域をターゲットにして、削ることができます。ゲートだけでなく、BKというブリードキル機能も用意されており、周波数帯域と深さを設定して、被りを軽減できるようになっています。ダイナミクスも3ベクトルのパラメータモーフィングが可能になっており、それぞれにサチュレーションやドライブ、トーンコントロールのパラメータが用意されているので、音のコントロールは非常に柔軟。スラップはトランジェントを生み出をアグレッシブでパワフルにして、キックをミックスから切り離すパラメータ。音楽がアグレッシブにする場合等に使用されます\。

Squashはオーバーコンプレッションされたサステイン・サウンドを生成するためのダイナミクスプロセッサーです。


オーとインプットボタンは押すことで入力音量が最適化されるように、自動調整されるのでちょうど良い入力になったら切ります。また、次に述べるEQマッチング機能のためのオーディオソースのプロファイルを取得するためにも使用されます。マッチングノブは、自動イコライゼーションの量をコントロールするノブ。オーディオを非常に良い録音のスペクトラムに合わせるため、できるだけ無加工な信号に対して使用されることが想定されています。ここが自動機能のハイライトですね。
スネアも同様ですが、周波数帯域の区分等に違いがあります。

ハイハットの場合も高音域ということで周波数帯域のEQバンドの初期ポイントと区分が異なります。

タムに至ってはバス用と。
それぞれのトラック用に分かれて用意されています。

ルームマイクではEQは楽器にフォーカスされており、楽器ごとの細かい調整が可能。



オーバーヘッドの収録に対するチャンネルストリップはそれぞれの楽器の周波数帯域が想定されたEQセッティングされた5バンドが用意されています。CKILLはシンバルキルというシンバルの軽減を想定したパラメータ。








そしてマスターチャンネル用の画面では、最終調整のための機能が用意されています。多くのドラムチャンネルストリップの場合ドラムトラック全体の最終調整を想定したこの画面の機能のみが用意されていることが多いですね。グルー効果では1176コンプ等様々なスタイルのブレンドができるようになっています。マルチバンドグルーまで用意されています。


まとめ・評価

自動で全て処理を行ってくれるプラグインではありませんが、徹底的にドラムの収録を想定して機能が詰め込まれて設計され、最適化されているので、まさにこれ一つでドラムの処理を完結させてしまおうという意気込みが感じられます。ここまでオールインワンと呼ぶに相応しい徹底したドラムチャンネルプラグインもなかなかないかと思います。あまり慣れていない人であっても、全自動とはいかず、手動の作業がありますが、周波数帯域の区分等がドラムに最適化されて設定されているので、ある程度わかりやすいと思います。一方でダイナミクスEQの細かい処理をする場合、ビジュアルに反映されるのがややわかりにくいだけでなく、スレッショルドはあらかじめ設定されているようなので、慣れていないと使いこなすのは少し難しいかもしれません。また、プロユースとして考えてみても、所謂ミックスコントロールの他にブリードやレゾナンスの処理までセットでできるようになっているのは非常に珍しく、非常に合理的に設計されているので、十分に多用途で守備範囲の極めて広い便利なプラグインとして、一定の恩恵が得られそうなプラグインだと考えられます。



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