【Review】Audio Blast「AcidBox」レビュー( Roland TB-303 Bass Line ベースシンセサイザーのエミュレーションプラグイン・使い方)





【Review】Audio Blast「AcidBox」レビュー( 303ベースライン シンセサイザーのエミュレーションプラグイン)


製品情報


AcidBox V2 はベースライン シンセサイザーで、80 年代の象徴的な 303 ベースライン シンセサイザーを新しいインターフェイスで再現したもので、リアルタイム シーケンスの作成やライブ状況での微調整が容易になります。


AcidBox は、ダフト パンク、エイフェックス ツイン、ローラン ガルニエなどのテクノおよびハウス アーティストの作品にインスピレーションを受けており、80 年代のビンテージ シンセサイザーの使用やアシッド ハウス ジャンルからの影響を受けています。このシンセは、 DJ Pierre、Dr. Fernando、Woody McBride、Hardfloor、Leo Anibaldi、Fast Eddieなど のアシッドの先駆者にも敬意を表しています。

  • 4 つの同期モード:ホスト同期、内部同期、MIDI 入力、Arp
  • 最大32パターン
  • 5つのディストーションユニット。
  • 1 遅延、同期およびピンポン モードあり。
  • シーケンスを容易にするオンザフライ MIDI レコードを備えたシーケンサー。
  • シーケンス、パターン、バンクを複数の形式でエクスポートおよびインポートする機能。
  • カスタム機能を備えたベースラインシンセサイザー、16~64ステップのシーケンサー、6つの統合エフェクトを備えたACID BOXでライブパフォーマンスをさらに高めましょう。
  • リアルタイム作成のためのシンプルなツール。
引用元:AcidBox 

機能紹介


Audio Blast「AcidBox」は303ベースライン シンセサイザーのエミュレーションプラグイン)。 Roland TB-303はベース音色に特化し、シーケンサーを内蔵していたことで短いループをプログラムし本体に記憶させることが可能になっていました。また、持ち運び可能でもありました。フィルターにも特徴があり、アシッドハウスの代名詞的なシンセサイザーにもなりました。実機は以下のようになっています。


プラグインとスタンドアロンが用意されています。ライブリアルタイムマニピュレーションを想定されたプラグインです。モードとしてはDAWにシンクロして追従するモードと、内部のシーケンサーが独立して動作するモード等も用意されています。音色プリセットから選び、ロードします。パターンメモリーバンクが用意されており、それぞれのシーケンスや音色設定したものをメモリーに保存し、瞬時にボタンで呼び出すことができるようになっています。チューンカットオフレゾナンス、エンベロープその他諸々の横一列に並ぶパラメータによってサウンドを調整し、ディストーションとディレイでエフェクトをかけられるというシンプルな設計ですが、割と音の調整が効きます。波形を矩形波やSAW等色々選べるようになっているというのもあります。円のマークはこれらのパラメータのランダマイズボタン。

そして、重要なのが、シーケンサーレーン。機能拡張されているわけですが、最大64ステップでそれぞれのステップにアクセントスライド、ピッチ、オクターブはもちろん、ピッチの微調整や、タイミングの微調整、そしてパンニングまで全てのステップで設定できるようになっています。コピー&ペーストやステップのシフトやトランスポーズもできたりします。


そして、ランダマイズボタンがそれぞれのシーケンスレーンに用意されており、それぞれのパラメータのみをランダマイズできるようになっているのでインスピレーションの原動力になります。トータルランダマイズボタンもあります。設定のクリアも同様に用意されているので、操作できるところが多いだけに助かります。
また、MIDI INモード、所謂インストルメントモードも用意されており、ベース音源のように鍵盤で演奏するモードも用意されています。




エクスポートボタンを右クリックすることでシーケンサーで作成したMIDIデーターのMIDIエクスポートも可能。



まとめ・評価


非常に手軽に303スタイルのベースラインを作ることができるベースシンセサイザーです。ランダマイズ機能がシーケンスレーンの各パラメータごとに用意されているのでベースラインを作ることができます。これがこのプラグインの非常に有能なポイントだと思います。また、リアルタイムを想定されているということで、スタンドアロンが用意されているだけでなく、シーケンスをループさせながらリアルタイムで操作することも可能です。リアルタイムということで軽さがあり音についても可もなく不可もなくといった印象で、303の雰囲気は十分感じられると思います。(当時のアシッドサウンドを想起できるレベルにはリアリティがあるので、個人的にはなかなか気に入ってます。)
MIDIエクスポートはあるのですが、ファイルのエクスポートであり、DAW上にドラッグアンドドロップできないのは惜しいですね。総じて、シーケンサーでいろいろいじりフレーズを作りたい人にとってなかなか魅力的に映るエミュレーションプラグインだと思いますね。