【Review】Klevgrand「Borsta」レビュー(ブラシ奏法によるドラム・パーカッション音源)
メーカー情報
Borsta は、ストロークとブラシ用に特別に設計された新しい革新的な打楽器です。独自のオーディオ エンジンにより、真に自然なサウンドのブラッシング フレーズやリズムを無限に作成できます。Borsta が同様の楽器と異なる点は、そのオーディオ エンジンが強度の連続的な変化をサポートしていることです。これにより、従来のサンプルベースの楽器では実現できなかった、非常にリアルなブラッシング フレーズやパターンを作成することが可能になります。
パラレルエンベロープとイベントシーケンサーを使用すると、ストロークをいつ開始するか、ストロークの圧力/速度が時間の経過とともにどのように変化するか、いつ終了するかを正確に決定できます。それに加えて、すべてのインストゥルメントは高度なチョーキング機能を備えたマルチサンプルのワンショットも提供します。各インストゥルメントは、さまざまなベロシティおよびラウンドロビンでの演奏用に録音された 400 以上の高品質サンプルに基づいています。
Borsta は一度に 1 つのドラム インストゥルメントをエミュレートしますが、18 種類の異なるインストゥルメントの中から選択できます。シーケンスは一度に 1 つずつ再生されますが、シーケンス間の切り替えは MIDI 経由でシームレスに行うことができ、追加のワンショット サンプルは通常の MIDI トラックを使用してトリガーできます。インストゥルメントはすべて統一された方法で構造化され、MIDI マッピングされているため、どのインストゥルメントでも同じシーケンスを使用できます。たとえば、伝統的なスイング パターンは、フレーム ドラム、タンバリン、またはスネア ドラムのどれを選択しても音楽的に正しく聞こえます。ミュージシャンが楽器を変更したように聞こえます。ボルスタとはスウェーデン語の動詞で「ブラッシングする」という意味です。
特徴
- それぞれ6つのマルチサンプルワンショットを備えた18の高品質インストゥルメント
- 230 の既製のファクトリーシーケンス
- さまざまなサウンドやジャンルをカバーする 60 個のグローバル プリセット
- 各サウンドタイプの個別のボリュームとベロシティカーブコントロール
- ルームシミュレーション(9つの異なる部屋)
- 減衰時間を調整できるリバーブ (6 つの異なるアルゴリズム)
- 音色調整コントロール(倍音)
- 全体のピッチ
- 3バンドイコライザー
システム要求
macOS 10.10以降(M1プロセッサ用に最適化)
Windows 7 SP1以降
AU、VST-2、VST-3、AAX引用元:Borsta
機能紹介
楽器は以下の種類が収録されています。スネアの他、タンバリン、カホン 、パンデイロ 等ラテン系にも対応しており、日用品のパーカッションも多数収録されているので、守備範囲はインストルメント系にとどまらず、シネマティックからダンスミュージックまで幅広く対応できます。ミニマルな印象もあるユニークなものもそろってますね。
- 錆びたバケツ
- ギラ
- パンケーキドラム
- タンバリン
- フレームドラム
- ピザボックス
- 段ボールパイプ
- カホン
- パンデイロ
- ベークストーン
- シンバルチェーン
- スネアドラム1
- スネアドラム2
- スネアドラム3
- LOFI スネアドラム
- メタルスペード
- ジャンベ
- 鉄の棒
Klevgrand「Borsta」は各楽器ごとにストローク(こする)、と2種類のワンショットのパターンをそれぞれシーケンサーに入力する3レーンが用意されています。一台のプラグインには一つの楽器のパターンしか作ることができないので、複数楽器を使う場合、その個数分トラックが必要になります。
ストロークは1ストロークの始まりと終わりがブロックで表示されます。上部のエンベロープはストロークの勢いをコントロールすることができます。LFOシェイプの他モジュレーションホイール等のMIDI入力によってリアルタイムコントロールすることもできます。
ワンショットは2種類の奏法が用意されており、それぞれグリッド上にベロシティ(DAW同様高さがベロシティ値)を調整可能な棒を立てていきます。オープンクローズが用意されていてそれぞれのヒットに対してワンクリックで変えられるのはなかなか良いですね。右画面のEventsで小節数を設定することができます。
ミキサー画面も充実。ストロークのそれぞれのポイントのボリュームコントロールだけでなく、オープンクローズのバランスも設定できます。
リバーブ等のエフェクトも一応ついています。
まとめ・評価
ブラシ奏法のフレーズを作りたいと思っている人にとっては代替えの効かないほどあたかも演奏しているかのように柔軟に細かい注文をつけてグルーブを創り出せるので持っておくと非常に強力なツールとして活躍できそうです。定番のジャズのワルツやフレーズもプリセットが用意されているのであまり打ち込みが得意でない人にとっても大変役立ちます。(一から作るとエンベロープ等色々いじるので手間がかかります。)また、フレーズも16小節まで作ることができ、ヒューマナイズ系のランダマイズ機能もあるので、表情は意外に多彩。また、キースイッチを切り替えることで複数のパターンを格納できるだけでなく、ワンショットのリアルタイム入力ができるので、MIDIコントローラを持っている人ならば、これだけでフレーズを演奏することも可能かもしれませんね。