【Review】Universal Audio「1176 Classic Limiter Collection」レビュー(1176 FETコンプレッサーエミュレーション・他社エミュレーション製品との比較等・セール情報・最安値)


Universal Audio「1176 Classic Limiter Collection」レビュー(1176 FETコンプレッサーエミュレーション、他社エミュレーション製品との比較等)


もはや知らない人は皆無であろうほどには名の知れ渡った高速FETコンプの1176。オリジナルハードウェアを同社がエミュレートするという非常にオーセンシティの高いエミュレーションです。

メーカー情報








ける大きなブレークスルーを表しています。ソリッドステート回路と 20 マイクロ秒の超高速 FET ゲイン リダクションを備えた最初のコンプレッサーである 1176 は、使いやすい「無人島」コンプレッサーであり、歴史上最も偉大なレコーディングのいくつかにそのキャラクターとパンチを与えてきました。2001 年にリリースされた UA の最初の 1176 プラグインは、単独で UAD プラットフォームを立ち上げました。2013 年の広範なエンドツーエンド回路モデリングにより、さらに多くの音のニュアンスが捉えられました。グラフィックが更新され、コントロールが追加された 1176 Classic Limiter Collection は、優れたアナログ モデリングの伝統を継承しています。2001 年にリリースされた UA の最初の 1176 プラグインは、単独で UAD プラットフォームを立ち上げました。2013 年の広範なエンドツーエンド回路モデリングにより、さらに多くの音のニュアンスが捉えられました。グラフィックが更新され、コントロールが追加された 1176 Classic Limiter Collection は、優れたアナログ モデリングの伝統を継承しています。


特徴
  • UAD Native と Apollo Realtime/UAD-2 の両方のバージョンが含まれているため、任意のオーディオ インターフェイスを使用できます。
  • 最もポピュラーなコンプレッサーである伝説の 1176 の入念なエミュレーションでトラックとミキシング
  • Rev A、Rev E、AE の 3 つの有名なバージョンから選択してください。それぞれに独自の音響特性があります。
  • 1176 のトランスと FET およびトランジスタ アンプを含む電子経路全体を利用して、カラフルな歪みを実現
  • カラフルなオーバードライブ テクスチャの「All-Button」または「No Ratio」モードにアクセス
  • ヘッドルーム、ミックス、カスタム サイドチェーン フィルターのコントロールを拡張し、低域のポンピングを軽減
  • Andy Johns、Andrew Scheps、Ed Cherney、Joe Chiccarelli などの伝説的な 1176 ユーザーのプリセットとミックス


引用元:Universal Audio

機能紹介


1176 Classic Limiter Collectionは、オリジナルの 1176 に対する 3 つの異なる 1176 リビジョン(ヴァージョン)が用意されています。

Rev A のSilverface Bluestripeといわれるヴァージョンは、オリジナルのパトナム FET リミッター デザインを表し、より高い歪みと独自の FET ゲイン アンプが特徴。Rev E「ブラックフェイス」と比べるとより高音域が歪んだような金属質でノイジーなかかりかたです。

Rev E「ブラックフェイス」は、70 年代初期のブラッド プランケット「LN」(ロー ノイズ)時代をカバーし、よりリニアなコンプレッションレスポンス、トランジスタゲイン増幅が特徴となっています。Silverface Bluestripeと比べるとInputを上げてもノイジーにはなるもののサウンド全体を包み込むようなあたたかみのあるもので耳に刺さるような特性には感じられないと思います。


1176AE は、UA の珍しい 1176 40 周年記念エディション。2:1 の低い圧縮比を含む独自のモッドが搭載されています。

それぞれのリビジョンの主な違いは、ゲインステージとタイム・コンスタンス(アタックタイム/リリースタイム)、そしてTHD(トータルハーモニックディストーション)とノイズレベルです。



Ratioはノブではなくボタン。4 つの Ratio ボタンは、ゲイン リダクションの度合いを決定します。低い比率では圧縮、高い比率では制限します。通すだけで色合いが付くタイプなので、すべてのRatioボタンを外すと、コンプレッションが無効になりますが、信号は1176回路を通過し続け、通過した信号に色が付きます。

1176 FETコンプレッサーエミュレーションプラグインの比較


1176は他社でも様々な製品がリリースされています。ということでいくつか比較してみて。ユーザーが多そうなWaves CLA-76とIK MultimediaのT-RackS Black 76 Limiting Amplifierを参考に取り上げてみました。

まずは有名どころのWaves CLA-76。

Waves CLA-76



モデルは2種類です。Silverface BluestripeとBlack Faceの2種類。CLA-76ではオリジナルのプリアンプのノイズまでもモデリングされているのが共通なのですが、ノイズのオンオフが選択性なのが特徴。
  • リビジョンB:クリスの個人的なお気に入りのリビジョンB。「Silverface Bluestripe」と呼ばれることもあります。モデルを使用してモデリングが行われました。
  • リビジョンD-LN(ロー・ノイズ):ブラックフェイスとも呼ばれるリビジョンD-LN。76と呼ばれるコンプレッサーの中でも最も有名なバージョンは、このリビジョンD-LNでしょう。

IK MultimediaからリリースされているT-RackS Black 76 Limiting Amplifierも取り上げてプラグインごとのキャラクター特性を比較してみましょう。

T-RackS Black 76 Limiting Amplifier





Hz440 -18db Input 24 Output 15 Attack 4 Release 5 Ratio 4でコンプレッサーを通して計測しています。

デフォルト



Black Faceモデルの比較


CLA 76 BLACKY



低音の成分が出ています。

UAD AE

控えめにひょろっと第一、第ニ倍音が出ています。Wavesにはなかったその上の倍音もかすかに出ているのが特徴。

TR5 Black76


がっつりと倍音が付与されています。

Silverface Bluestripeモデルの比較

Waves CLA-76 BLUEY



UAD RevA

高次倍音まで広く出ているのが特徴。総じて他社製品と比較した際に認められることとしては付加される成分が周波数ごとに少しずつ付与されている点です。そして、耳で聴くとしっかりと知覚することができます。ほんの少しの絶妙な匙加減といったところが大きな特徴といえるでしょう。


評価


CLA-76はどちらも圧縮した時にあたたかみがくわわり音が一回り膨らむような印象。原音と比較してみて付加される成分は十分感じられるものの本当に一回り変わるといった具合で自然です。実はしっかりとアナログテイストが加わりつつも、大きくキャラクターががらりと変わるのではなく元の素材の延長線上にあるので変な癖がなくて実は意外に使いやすいかもしれません。
 T-RackS Black 76 Limiting Amplifierは1176 Classic Limiter Collectionよりもさらに歪みのようなざらつきを大味にしたような印象があります。明らかに上記2製品とは異なる聴覚作用が生まれています。歪みの一歩手前の(それは言い過ぎかもしれませんが)かなりアグレッシブなかかり方、ロック等のジャンルでがっつり潰すのには適正ありかもしれません。ただしその高調波成分の粒の細かさは1176 Classic Limiter Collectionの方がより精細だと思います。コンプレッション時の音像の変化もUAD以上に大きくみられます。サチュレーションをおもわせるような膨らみ方。

その中で、1176 Classic Limiter Collectionはどれも高調波の付加が聴覚的に如実に表れているのが分かります。また、その付加される成分はより繊細に原音と聴覚的に聞き分けできるようなほど細かいディテールで(ざらつきの質感がこまやか。)反映されます。高調波のざらつきのある成分が出てくるので積極的に音をアグレッシブにするのには良いかもしれません。ミックスの中での音の広がりもCLA-76よりものびやかに積極的に広がる印象があります。


比較してみると1176 Classic Limiter Collectionはアナログハードウェアの繊細な作用を音の変化をしっかり音に反映させているという点ではかなり優れたエミュレーションであるといえるかもしれませんね。

セール情報

これまで最安値は70%OFF89ドルでしたが、現在39ドルにまで下がっているようです。このメーカーの割引率からみてもイレギュラーなので狙っていた方はチェックしてみてください。


この記事が気に入ったらフォローしてね!