【Review】Fuse Audio Labs「Bucket-500」レビュー(BBDアナログディレイプラグイン)
メーカー情報
Bucket-500 は、アナログ バケット ブリゲード (BBD) デザインの典型的なジューシーなフレーバーをミックスに導入する、深く音楽的なディレイです。それは、主要な楽器やその他のソースの背後に完璧かつ快適に収まる、瞬時に認識できるバイブで輝きます。テクスチャーとディケイは他のほとんどのディレイ プラグインとは大きく異なり、クリエイティブな武器庫に加えるのに最適です。
Bucket-500 の背後にあるコンセプトは、幅広いビンテージ スタイルのサウンドを作成するのに十分な汎用性を備えた、使いやすいプロセッサを提供することです。プラグインは元の回路に非常に忠実であるため、BL-3208 遅延チップ、SA-571 ベースのコンパンダー システム、およびアンチエイリアシングと再構築フィルターはすべて、特別な種類の魔法を機能させるようにモデル化されています。
引用元:Fuse Audio Labs
機能紹介
Bucket-500 はバケツリレータイプのディレイ に基づくアナログディレイプラグイン。このBBD(Bucket Brigade Device)タイプはアナログの特性上音色が変化するだけでなく、フィードバックの度に高域が削られていき(ロールオフ)、リピートするたびにディレイの音が変化するという特徴があります。また、BBD回路によるアナログディレイはS/N比が悪いのでその欠点を補うべく、ノイズを乗せないためにコンパンダ―が組み込まれており、これによるコンプレッションにより圧縮されたようなそれでいて暖かみのある独特の質感が加わります。
ディレイタイムはLRで設定それぞれノブが用意されておりリンクも可能。フィードバックやフィードバックチルト フィルターとシンプルです。ステレオクロスフィード機能やLFO、の他ハードウェア特有のノイズを付与するスイッチも用意されており、アナログ系で音を作りこんでいく上であると嬉しい機能がしっかり搭載されているのは〇。
評価
アナログディレイはモデルによっては使いどころが限られると思われる製品も多いのですが、Bucket-500 は音楽制作に使いやすいBucket-500 は、ハードウェアの特性としてディレイが繰り返されるたびに劣化し、素敵なグリットとダークなトーンにフェードしていく、温かみのある、汚れた、有機的な感触が出てきます。そもそもの一般的特性として、ディレイの度に音はこもってくるのですが、ディレイのフィードバックによって音が曖昧になりがちなものとは異なり、Bucket-500は思いのほかくっきりと発音されるため、暖かみとアナログ性は強いものの粒立ちは大変クリアではっきりしているのが特徴。ぼわっとしない。トランジェントは他の多くのディレイほど汚れないため、テールが濁りすぎません。そのため、通す前の音がリスペクトされた上でアナログ特融の温かみが加わった上で立体感のあるフィードバックが得られます。 RE-201 Space Echoエミュレーション等のテープエコーと比べてもディレイの一つ一つが大変有機的で元の質感の感じられるものが返ってきます。Space Echoのように音の性格がまさしくスペーシーなものへと変わってしまうこともありません。サチュレーション色が強いプラグインだと思われますね。そのため、空間系といいながらもやまびこが反響して生まれる曖昧、スムーズでアンビエントな印象というよりも戻ってくるディレイそのものに物質感があるので楽器系にもぴったりですね。
総じて音楽やサウンドをくぐもらせることなく、アナログ感を強調したい際に強力な武器になりえるかなり使える部類のプラグインだと思います。アナログ好きはもっておきたいですね。