【Review】UJAM「Beatmaker CIRCUITS」レビュー(アナログドラムマシン音源)


【Review】UJAM「Beatmaker CIRCUITS」レビュー(アナログドラムマシン音源)

UJAM初のアナログドラムマシン音源がリリースされたとのことで気になっている人も多いのではないでしょうか。

メーカー情報

クラシック ドラム マシンのサウンドは好きだけどビンテージ ギアが足りないという方に、CIRCUITS はアナログの暖かみとクラシックなグルーヴを提供し、良い雰囲気を伝えます。



エッジの周りを荒くする
仕事を成し遂げるためにオリジナルの電子ドラムが必要な場合があります。CIRCUITS を使用すると、デジタルだけでは得られない美しい不完全さで、リスナーを即座に 70 年代に引き戻すことができます。


中身を見る
  • 20 スタイル、50 プリセット
  • 10ドラムキット、460パターン
  • MIDI ドラッグ & ドロップ、サイズ変更可能なユーザー インターフェイス
  • スペシャルコントロール:ブースト
引用元:Beatmaker CIRCUITS

機能紹介


beatmakerシリーズを知らない人向けに簡単に説明するとGM配列の要領で鍵盤に配置されたドラムキットだけでなく、高音域にループするMIDIパターン(独立したフィルのMIDIパターンも含む)がアサインされたキースイッチが用意されていて、通常のドラム音源としてだけでなく、キースイッチを押すことでドラムのフレーズを演奏できるドラム音源。黒鍵がフィル等短い小節数のMIDIを担当していて、白鍵のドラムループパターンを演奏中にフィルを入力すると自動的にフィルに切り替わって自然にフィルを入れられるという大変使い勝手の良いもの。また、鍵盤にアサインされたMIDIパターンはエクスポートでき、それらのパターンを調整することさえもできるので、柔軟性の高さも魅力。(また、他のbeatmakerシリーズで演奏させることもできます。(雰囲気が合うかどうかは別にして)
Beatmaker CIRCUITSはキットが10種類用意されていて、様々なアナログドラムマシンの音色が用意されています。キットの含む楽器の音色を変更することもできるのである程度柔軟性があります。

16bitレトロゲーム風のキットもあります。キックとスネアのバランスを簡単に変えられる他boostスライダーでは低音を膨らませて飽和させたりできます。
また、Beatmaker CIRCUITSで他のbeatmaker以上に注目できるのがMixプリセット。トランジスタから、コンソール、コンデンサー等、様々なハードを通したようなエミュレート風の音色に変えることができます。キットがただでさえ豊富なのにMixプリセットも12種類あるので音色の組み合わせが非常に多岐にわたって思った以上にバラエティに富んだ音色の幅があります。こちらの動画では全てのプリセットが聴けるみたいですので参考に。



評価

まず、音の出音の良さに驚かされます。ドラムマシン音源はD16 Groupをはじめとした様々なメーカー製品を使用していますが、それらの多くと比較しても質量感のある立体的なサウンド。キックはもちろん金物系や電子音もアナログ感が存分に発揮されています。シンバルであってもアコースティックに近い雰囲気のものもあります。パーカッションも生楽器のような質感があるものも。

UJAMはどちらかというとジャンルごとにbeatmakerをリリースしている印象があり、ポップ系のbeatmakerシリーズだとジャンルの性格から軽いライトなビートが多い印象があったのですが(ポップな音楽に使いやすいキャッチ―な音等)、この音源はアナログ好きのニーズに応えるべく割とシリアスに作られています。真面目といいますか。

またUJAM製品は全体的に言えることですがプリセットと音色のセンスがBeatmaker CIRCUITSでも非常にセンスが良い。フィルもオーソドックスなものはカバーしつつも面白いものも多く、音質の良さも相まってあと少し足せばそのままビートトラック作れるんじゃないかと思うくらい完成されています。ライブラリだけでも十分に価値があります。そのまま聴いても十分納得できるといいますか。

また、ダンスミュージックの中でもテクノやエレクトロ系に幅広く使用できるので汎用性の高さも特長ですね。とにかく出番が多く、音の良さも際立っているので、UJAMのbeatmakerシリーズの中でも一二を争う持っておきたい製品であることは間違いなさそうです。流石の電子音響音楽発祥の国ドイツのメーカーだけありますね。