【Review】Best Service&Sonuscore「Strings of Winter」レビュー(ストリングオーケストラ音源&馬頭琴音源を含むストリングスライブラリ)

【Review】Best Service&Sonuscore「Strings of Winter」レビュー(ストリングオーケストラ音源&馬頭琴音源を含むストリングスライブラリ)


Sonuscore「Strings of Winter」はBest Service社との共同開発によって開発されたThe Orchestraシリーズ。The Orchestraシリーズ全製品を統合したThe Orchestra Complete 3にも収録されています。

メーカー情報

北極平原。きらめく氷河。広大な草原。これらの荒々しく、手付かずの未加工の風景の精神を完全に捉えた唯一無二の楽器です。壊れやすく冷たい孤立のシーンを、氷のように束縛されない力と同じくらい完璧に描写する、絶対に正直で型破りな新しいサウンド。Strings of Winter は、41 人編成のヨーロッパの弦楽オーケストラと素晴らしいユニークなモンゴル国立モリン ホール アンサンブルによって演奏される60 の前例のない原始的なアーティキュレーションでここにあります。「TO Strings of Winter 」は、「The Orchestra」のために特別に開発された画期的なアンサンブル エンジンに基づいた独立したインストゥルメントであり、革新的な Kontakt Player ライブラリであり、アイデアをすばやく簡単に音楽に変えることができます。

特徴
  • 最小限の読み込み時間で、膨大な量のプリセットにより、箱から出してすぐに完全なアンサンブル カラーが提供されます。
  • 独立したアルペジエーターとベロシティ エンベロープが、鮮やかで力強いオーケストラ カラーを生み出します。
  • 独立したスロットに最大 5 つの異なる楽器をロードし、一緒に演奏します。すべてのスロットに 5 つの異なるモジュールのいずれかを割り当てることができます
  • アンサンブルを完全にコントロール
  • Engine ページでは、5 つのインストゥルメント モジュールのそれぞれの個々のコントロールにアクセスできます。
  • 短いノートはアルペジエーターでアレンジでき、持続的なノートはベロシティ エンベロープで形作ることができます。必要に応じてオーケストラの色を作成し、魔法を起こしてください。



機能紹介


Sonuscore「Strings of Winter」はヨーロッパの伝統的な弦楽オーケストラライブラリとモンゴルの伝統楽器である馬頭琴を収録した総合ストリングスライブラリ。「The Orchestra」と同じシーケンスエンジンが搭載されたコア- アンサンブル エンジンつきのパッチの他、それぞれの楽器のアーティキュレーションスイッチのあるパッチ、そして単一のアーティキュレーションパッチが用意されています。
弦楽オーケストラでは、スル ポンティチェロ、ハーモニクス、コル レグノ、バルトーク ピチカート等も用意されていてかなり豊富なアーティキュレーション。


馬頭琴には高音アンサンブルと低音アンサンブルの二つのパッチが用意されています。。


通常のライブラリとして使用できるキースイッチ付きのパッチ。アーティキュレーションキースイッチをON/OFFで消すことができます。それぞれの音色についていうならば、軽量でありながらも表現力の高さが特徴。チェロやヴァイオリンの低音域等のノイジーな弓のこすれる音もしっかりととらえられているので容量以上にリアルに聴こえます。なにより後述のオーケストレーション用のパッチに高速でロードできるのはメリットしかありません。
独自のレガートシステムにより発音されるようで、レガート奏法をした際に自動的に滑らかに繋がるように設計されています。もちろんヴェロシティに問題があると繋がりませんが、さほど神経質にならなくても映画音楽のサステインストリングスような滑らかなフレーズがかなりの精度で鳴らすことができるのは大きいですね。



そしてオーケストレーション用のパッチではこのように5つのスロットが用意され、上記のパッチをロードしてそれぞれ独立したフレージングをすることができるようになっています。
プリセットもデータベース上になっていて拍やフレーズの細かさ、雰囲気など、フレーズの性格を細かく絞って探すことができるという画期的な構造。また、他のThe Orchestraシリーズを所有している場合横断的に検索できるのも大きいですね。

メイン画面ではロードした音色のピッチとアサインするアルペジエータあるいはエンベロープを選ぶことができます。

アルペジエータは3パターン、エンベロープは2パターン用意でき、それぞれのスロットに割り当てることができます。アルペジエータはオクターバーとなっており、それぞれのステップに点を打っていくスタイルステップ数スピードスイング拍等を設定できるほかアルペジオパターンが豊富に用意されています。また、MIDIエクスポート機能が追加されたため、MIDI をエンジンからお気に入りの DAW にドラッグ アンド ドロップするだけでエクスポートしたクリップごとに、後で音符とリズムを変更できます。また、他の音源に使用することもできます。

アルペジエータが複数あることにより、スロットに独立したフレーズを演奏させることができるということですね。
サステイン向けのエンベロープでは自在にエンベロープを描くことができるようになっています。




各楽器の個別の音域は、それぞれの楽器のアーティキュレーションの自然な演奏範囲をモデル化しているため、キーボード上の演奏可能な音域はプリセットごとに異なります。演奏可能な範囲は、Kontaktのキーボード・ディスプレイとKOMPLETE Controlに青色で表示されます。アニメーション・アンサンブル・プリセットは、ミドルC付近の2オクターブで最適なサウンドになるように最適化されており、Kontaktのキーボード・ディスプレイでは緑色で表示されています。


また、ミキサー画面ではパンニングやヴォリュームはもちろん独立したアウトプットに送信することもできます。




評価

なによりストレスフリーで高速でパッチをロードしてオーケストレーションをし、組み立てられるのが良いですね。音もなかなかですが、音色を高速で組み合わせて即座に作れるのはこの手の大規模なストリングスライブラリでは稀でしょう。また、プリセットが定番のオーケストラアレンジが豊富に収録されており充実しているのでかなり実用的です。
単体のパッチとしてみても純粋なソロ音源としてみればさらに良い音源もあるかもしれませんが、総じてサンプル数ではなくサンプルの鳴らし方(スクリプト)で勝負しているので(レガートやスタッカートの発音等)、リアルな演奏を素早く作れるのは利点といえるでしょう。
また、Strings of Winterはストリングスを収録した音源ですが、さらに楽器を増やしたいと思た時に全部入りのオーケストラ音源であるThe Orchestra Complete 3をクロスグレード価格で入手できるのも魅力。

ストリングス音源としてみると非常に使いやすい作曲家の業務用といった観点を見落としていない合理的な音源かと思いますね。また、オーケストラの扱いに精通している人でなくても、オーケストラを組み合わせて素早く形になったものを用意できるできるのは大変便利だと思います。

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