【Review】wavesfactory「The Tack Piano」レビュー(ホンキートンクピアノ音源、他製品との比較等)

【Review】wavesfactory「The Tack Piano」レビュー(ホンキートンクピアノ音源、他製品との比較等)


メーカー情報



Tack Piano はゼロから完全に再サンプリングされ、これまで以上に優れたサウンドを実現し、最高の機能を備えた新しい GUI を備えた完全に本物のタック ピアノとなり、私のようなタック ピアノ ファンの夢が実現しました。音楽、サウンド デザイン、FX のいずれにおいても、Tack Piano は他に類を見ないものであり、あなたのピアノ コレクションに欠かせない存在です。

引用元:The Tack Piano

機能紹介


タックピアノとはハンマーに画鋲が付いたアップライトピアノのこと。金属質で調律の狂ったような音が特徴。昔のハリウッド西部劇映画のラグタイムに関連するホンキートンクの感覚を呼び起こすためによく使われます。ラグタイムで愛用された古い酒場に置かれた調律の狂ったアップライトピアノであるホンキートンクピアノを再現するためにも多用されます。
UIは結構シンプルですができることはそこそこ多いです。
ラウンドロビン設定やヴェロシティカーブはもちろん、キーノイズ等も調整できるのは通常通りといったところでしょうか。


エフェクト。スロットにEQコンプ、Lofi、アンプなどをチェーン上に配置しかけることができるようになってます。古めの音源だからか並び替えや一括設定ができないところは少し残念です。しかし、このエフェクトスロットは3つのマイクごとにそれぞれ用意されているのでかなり柔軟に音作りをすることが可能。

マイクポジションは3つそれぞれ異なるアウトプットに出力することはもちろん、ヴォリュームやパン、ステレオ幅を設定可能。

製品レビュー

まず、音が出回っている音源の中では断トツに良いと思います。色々使ってみて、以下の記事で世に出回っているホンキートンク系の音源を網羅的に比較していますが、ここまでクオリティの高いものはそう多くないです。総容量が15GBに近いのもありますが、複数のマイクポジションで録られているので音のディテールも多い。音色を一言で例えるならばチェンバロ的。金属質な響きがしっかり生きていて、まさにチェンバロのような響きがしっかりと感じられます。この楽器は楽器の機構そのものが通常と異なり、エフェクト等で代替えが効かないので、(ホンキートンク風でよいのであれば、通常のピアノ音源のプリセットに入っていたりもしますが)持っておきたいものですね。オールドスタイルのジャズにも良さそうです。願わくば、様々な音色の楽器を複数収録してもらいたかったですが、それを実現するとなるとサイズがすごいことになるので現実的ではなかったのかもですね。
音が大変クリアなため、ホンキートンク系をオケに混ぜる時の混ぜにくさがないのが良いですね。逆にいえば逆に言えばクリア過ぎるので、もっと粗野なものが必要な時には合わないかもしれません。

ホンキートンクというと当時のレコーディングのルーツからいえばモノよりのミックスがリアルであり、合いますが、現代のスタイルにうまく適合させるうえで細かく絶妙なステレオ感を追い込めるのは良いですね。


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