【Review】UJAM「Symphonic Elements BRAAASS」レビュー(ブラス音源、他の製品との比較など)

UJAM「Symphonic Elements BRAAASS」レビュー(ブラス音源、他の製品との比較など)

Symphonic Elements Striiiingsが結構良かったので、導入してみました。

メーカー情報


BRAAASS は、Hans Zimmer のブラス セクション フレーズの個人的なコレクションをすぐに利用できるようにします。ハリウッドで試行錯誤を繰り返してきたこの Symphonic Elements シリーズの最新作は、現代の音楽制作において時々トリッキーな重要な要素であるこの要素を直感的に利用できるようにします。BRAAASでエピックの精霊を召喚!
特徴

  • フレンチ ホルン、トランペット、トロンボーン、チンバッソ、チューバなど、世界クラスの楽器の豊富なコレクション
  • 即戦力: クリエイティブなパフォーマンスとサウンド デザイン エンジン
  • 78 の演奏スタイル、250 以上のサウンド デザイナー プリセット
  • ハンス・ジマーのリモート・コントロール・スタジオで録音、ボリス・サルコウがプロデュース
引用元:UJAM

機能紹介

UJAM「Symphonic Elements BRAAAS」はフレンチ ホルン、トランペット、トロンボーン、チンバッソ、チューバなどのブラスオーケストラライブラリ。純粋なオーケストラライブラリとは異なり、それぞれの楽器を独立して演奏することはできません。すでにアンサンブル化されており、入力したコードに応じて、オーケストラブラスが演奏できるというもの。つまりミックス済みの出来上がったブラスセクションが鳴らせるわけです。

基本的な操作はSymphonic Elements Striiiingsとほとんど変わりません。Play Rangeでコードの特性となる音程7thなら7度、Diminishなら三全音等です。中音域ではコードのバスを指定することができます。そして、低音域でフレーズパターンのキースイッチを選んで入力することでコードに応じたフレーズを演奏します。Striiiingsと同様半音に配置されたAddictionキースイッチが大変強力です。これは演奏されているフレーズパターンを少し変えたもの(フレーズの前後に挿入されてぴったりとはまるフレーズやフレーズのパターンはそのままに音を追加したり、パッセージの装飾など)を入力している時だけ演奏することができる機能。このおかげでフレーズが多様になり、マンネリ化を防ぐことができるという素晴らしい機能。




またEndキースイッチはジャン!等とフレーズを終わらせる結尾部のパッセージがフレーズパターンを中断して(プラグインの優れたシステムによりぶつ切りではなく滑らかに接続できるようになっています)くれるという。フレーズのみというとインスタントの印象を思う人も多いかと思いますが、上記のようにフレーズをアレンジできる幅が広いので、結構自由にフレーズを組み立てることができます。


サンプルベースのBRAAASSは総容量が7GBほどになっており、(brobファイルなのでWAVE非圧縮時にどれくらいのサイズなのかどうかは不明です。)高音域と低音域2つの音域のデュアルコアになっていて、どちらかをカットしたり、それぞれのバランスを調整することができます。そして強力なのが、FXノブ。これはフィルターやアンプ、Lofi等様々なシンセでも見られるエフェクトをかけることができるノブ。Characterが音色系、Motionがモジュレーション系。

これを使用することで、リアルなオーケストラブラスをトラップやヒップホップのダーティなブラスに変えたりすることができるわけです。Motionではゲート等のシーケンスベースのエフェクトも用意されているので、エピック系オーケストラの音色がダンスミュージックに簡単に変わります。そういうこともあり、プリセットは必ずしも生ブラス系の音色だけでなく、エレクトロ系やヒップホップよりのサウンドも多くあります。プリセットがどれも秀逸なのですよね。Experimental系のプリセットはUJAMでは毎度おなじみですが、かなり尖ってます。生楽器のエピック系も申し分のないクオリティです。





まとめ

まず、音が良いですね。商業作品で聴く音が完成されて用意されているという意味での良い音です。誰が聴いてもブラスな音。MIDIコードで再生されているとは思えないくらいに自然な音が鳴ります。ハンスジマー氏監修ということもありますが、映画で一度は聴いたことがあるであろうあのブラス音源の音が誰でも鳴らせてしまうというのは驚きとしか言いようがありません。(監修しているということもあり、それだけのものを作らないと信用問題になるというのもあるかもしれませんが。)また搭載されているフレーズも、クラシックの伴奏のようなシンプルなものからエピック系のものまで幅広いです。生楽器系のフレーズはとくに何も考えずともすぐに映画のワンシーンの音楽が出来上がります。ブラスのオーケストレーション、あるいはボイシングが得意ではない、あるいは面倒な時に使うとかなり助かるプラグインだと思います。バッキングとしても上出来です。ダンス系でもじゅうぶんつかえるのではないかと思います。

また、劇伴系の愛称は抜群ですね。EDMのプリセットだとリズミカルにパルスを刻むようなものもあります。実はトラップやベースミュージック、ダンス系にもかなり相性良いのではと考えてます。Symphonic Elements Striiiingsを気に入った人はBRAAASもきっと気に入るのではないでしょうかね。ここまでできるとソロモードが欲しい気もしますね。少なくともこの価格でこのクオリティの音源はなかなかないかと。
 これはきわめて個人的な印象ですが、UJAM製品の中でもトップクラスの汎用性と出来だと思います。