【Review】Pulsar Audio「Mu」レビュー(Manley StereoVariable Mu Limiter Compressorのエミュレーション)
やたらと話題性の高いメーカーなので、気になって導入してみました。
メーカー情報
現代的でありながら伝説的な真空管コンプレッサー/リミッターの最も忠実なエミュレーション – ミキシングとマスタリングに最適な接着剤です。可変バイアスチューブコンプレッサーを使用する理由はいくつかあります。1 つは、この種のコンプレッサーが極端なゲインリダクションに押し込まれた場合でも達成できる並外れた圧縮の透明性です。もう 1 つの機能 (おそらく最も一般的な機能) は、バス、ミックス全体、マスターにまとまりや「接着剤」を追加する機能です。
残念ながら、元のハードウェアは高価で、「インザボックス」ワークフローとの統合が困難です。ソフトウェア エミュレーションは存在しますが、ハードウェアのほとんどの所有者は、常に「何か」が欠けているため、元のユニットと比較できないことに同意しています。独自のTopology Preservation Technologyにより、Pulsar Mu はあらゆる制作状況において客観的にハードウェアと同一に聞こえ、信号対雑音比の増加などの改善さえ行います。
引用元:Mu
機能紹介
実機のモデルはManley StereoVariable Mu Limiter Compressor。Variable Muタイプのコンプレッサー・リミッターのエミュレーションプラグインです。実機は貴重で高価なので、導入するのは多くの場合現実的ではないでしょう。
Pulsar Audio「Mu」は実機の音の特性を再現しながらも複数のプラグイン独自の機能を備えています。LRとMS処理を選んでコンプレッションをかけることができます。2つのチャンネルを個別の処理をすることもできます。リリースは5段階。SIDECHAIN EQが用意されており、潰したいところだけ入力されるオーディオがコンプにかかりやすくなるように、検出する周波数を調整することができます。
プリセットはヴォーカルギター等用途ごとのものからマスタリングまで用意されています。リダクションされるdbまで書いてくれてます。
また、ハードウェアエミュレーションですが、ノブだけだとイメージがどうもつかないという人のために、ヴィジュアルメーターも用意されています。どれくらいつぶれているか等を目で確認できるのはなかなかありがたいですね。
製品レビュー
まず、音が良いの一言に尽きます。高価なハードウェアを使用してでレコーディングしたときのような独特の質感がしっかりと耳でわかるレベルでついてきます。可変バイアスタイプのチューブコンプレッサーがモデルなだけあって、かなり極端にコンプレッションをかけても音が破綻せず滑らか。(流石にがっつり潰すと歪みます。)暖かみのあるサウンドでありつつも輪郭はしっかりと残っているという理想のようなかかり方。また、実機に基づいてマスタートラックにおいてミックスをまとめ上げるバスコンプ(あるいはグルーコンプ)としての使用が適しているとのことですが、かけてみるとそれぞれのトラックの立体感は保ちつつもまるで別の空間に配置されているかのようなばらつきのあるミックスを同じ空間にまとめあげ配置してくれます。驚くくらい自然で滑らかにまとまるので、中毒性があります。同じバスコンプで人気のあるWaves「SSL G-Master Buss Compressor」と聞き比べてみると、SSL G-Master Buss Compressorはより音がバキッとして、トラック全体が輝きをもって太くなっている印象がありますね。どちらかというとPulsar Audio「Mu」の方はウォームでおちつきがあり、素朴な印象を受けます。とにかく滑らか。落ち着いたトーンの音楽を作りたいときは手放せなくなると思います。
Manley StereoVariable Mu Limiter Compressorのエミュレーションはそこまで多くリリースされているものではないのでそれだけでも価値があります。筆者も数々のアナログコンプレッサーを使用していますが、数々のアナログ系コンプレッサーの中でも一際ミックスを変える力を持ったプラグインで、使いやすく改善されているので、絶対に持っておきたい一つです。
セール情報と最安値
セール頻度は多くもなく少なくもなくといったところですが、最安値になるのは多くはありません。
最安値は49ドルです。