【Review】Scaler Music「Scaler 3」レビュー(音楽理論ソフトウェア、新機能について、他の製品との比較等・セール情報と最安値)




【Review】Scaler Music「Scaler 3」レビュー(音楽理論ソフトウェア、新機能について、他の製品との比較等・セール情報と最安値)


メーカーによる一次情報








Scaler 3 は完全に再設計され、Scaler 2 を世界で最も人気のある音楽理論プラグインにしたすべての機能を取り入れ、想像もできなかった方法で構築されています。Scaler 3 を使用すると、新しい方向性をとったり、音楽のパズルを解いたり、進行中の作品をまったく新しい方法で改善したりすることが簡単になります。

再創造されパワーアップ
Scaler 3 を使用すると、新しい方向性をとったり、音楽のパズルを解いたり、進行中の作品をまったく新しい方法で改善したりすることが簡単になります。







ビルドの進行

コードをドラッグ アンド ドロップして進行を構築します。アーティストやムード別に分類された何百ものコード セットから選択すると、Scaler がそれらのコードに適した親スケールを教えてくれます。アイデアが浮かばない場合は、Scaler に次に使えるコードを提案してもらいましょう。



VST/AU ホスティング

お気に入りのサードパーティ製インストゥルメントとエフェクト プラグインをコード トラックと MIDI レーンに直接ロードします。MIDI エフェクトとオーディオ エフェクトの両方を完全にサポートします。サウンドをシームレスに統合し、ワークフロー内で Scaler 3 のクリエイティブな可能性を広げます。



マルチレーンタイムライン

アレンジ ページには、コード、メロディー、ベース、フレーズ専用のレーンを備えたタイムライン ベースのレイアウトが含まれるようになりました。各レーンはメインのコード トラックと同期され、レーンまたはクリップごとに独立したコントロールでクリップを完全に調整できます。



スタンドアロンアプリ

Scaler 3 は、DAW 内のプラグインに加えて、Mac および Windows 用のスタンドアロン アプリとしても実行できるようになり、マルチトラック操作とプラグイン ホスティングを備えた完全かつ柔軟な作曲ツールを提供します。



ページを探索

特定のスケールに縛られないコードのハーモニック ユニバースを発見してください。ジャンルと雰囲気 (EG、ダーク、ブライト、ニュートラル) 別に分類された [探索] ページでは、互換性のある実験的なコード進行が提案され、ユニークで大胆なハーモニック構造の新しい道が開かれます。



カラーページ

すべてのコードボイシングとハーモニック代替を 1 つの統合ページで包括的に確認できます。平行コードや相対コード、多様なボイシングや代替オプションに即座にアクセスして、楽曲に表現力と創造性の柔軟性を加えます。



動議

Scaler の人気のフレーズ、パフォーマンス、メロディー、ベースラインがモーションとして再考され、ムードベースのタグが付けられて簡単に参照できるようになりました。Scaler 3 では、まったく新しい Passages Motion など、プロのミュージシャンが作成した何百もの新しいモーションが導入されています。



五度圏

進行に合わせて代替コードを取得します。選択したコードに近いまたは遠いルート音、または相対的なマイナー スケールまたはメジャー スケール内のルート音を選択すると、そのコードのどのバリエーションが現在のスケールに適合するかが青色で表示されます。ここでは、コードの転回や移調を試すこともできます。



変調経路

進行に合わせて代替コードを取得します。選択したコードに近いまたは遠いルート音、または相対的なマイナー スケールまたはメジャー スケール内のルート音を選択すると、そのコードのどのバリエーションが現在のスケールに適合するかが青色で表示されます。ここでは、コードの転回や移調を試すこともできます。



音符編集と倍音修飾子

進行に合わせて代替コードを取得します。選択したコードに近いまたは遠いルート音、または相対的なマイナー スケールまたはメジャー スケール内のルート音を選択すると、そのコードのどのバリエーションが現在のスケールに適合するかが青色で表示されます。ここでは、コードの転回や移調を試すこともできます。

その他詳しい内容は製品ページも参照してみてください。

引用元:Scaler 3

Scaler 3とは

何をするプラグインかを簡単に。カテゴリーとしてはMIDIジェネレーターに属するプラグインで、プラグイン内で音楽理論に基づいてデータベース化されたコードライブラリからコードを選択し、並べ替えて、組み替えてMIDIで作曲ができるプラグイン。スタンドアロンもあります。
具体的にはプラグイン内でコードネームに基づく(他の理論も対応しています。)コードをブロックのようにタイムラインで並べてコード進行を作り、転回や配置をカスタマイズして実際のMIDIフレーズとしてDAWにエクスポート、あるいはさらにその進行に基づいたメロディやフレーズをDAWのようにプラグイン内でマルチトラックで作成し、エクスポートできるプラグインです。

Scaler 3の新機能について

新機能の目玉としてはいくつかありますが、大きく分けると

・VST/AU ホスティングにより他社サードパーティ製プラグインをScaler 3内の音源、エフェクトとして使用可能に
・コード提案機能
・マルチトラックに対応
・UIの刷新、データベース性の強化
・コードスタイルやフレーズパターンの増加
とその他諸々といったところでしょうか。
以下細かく見ていきましょう。

コードセットについて

まず、メインの一つともいえるコードスタイルプリセット。ジャンルやムードごとのコードセットが用意されていて、ロードするとスタイルごとに用意されたコードが表示されその中から瞬時にコードを選べるようになっています。ちなみにこのプラグインの良い設計としてはスタイルのコードセットに用意されていないそれ以外のコードにもアクセスできる点。
これはバージョン2の時からありましたが、3ではデータベースとしてより細分化され、ジャンルだけでなくムード、アーティスト、さらには最頻出の基本進行といった様々な異なる切り口のカテゴリーが用意されています。UIも非常に見やすくなりました。ファンク、ソウルなどの歴史の長いジャンルはもちろんK-Popなどの21世紀以降に盛り上がりをみせた比較的最新のスタイルもしっかり用意されています。画面上に並べられたコードブロックはドラッグアンドドロップで画面下のメイントラックに並べることでコード進行をカスタマイズし、作成できるわけですが、コードを検知させることで可能性のあるスケールも併せて表示することができます。コードはコードネームと合わせて選択された調に基づく機能和声の和音記号で合わせて表示されるので複雑なコード進行を作る際にも役立ちます。コードのブロックをクリックすると和音の音が鳴るのもScaler 2からもちろん継続です。Windowsの場合はコードを右クリックするとそこからコードの7th, 9thのバリエーションにアクセスできるオプションが表示されます。

ちなみにピアノ鍵盤表示はギターのフレット表記にすることが可能。
コード進行が行き詰まる、あるいはさらなる選択肢を吟味したい方向けにコードとラックに豆電球のマークを押すとコードの提案機能が表示されます。これは直前のコードに続くコードを提案します。色付きはスケール内のコード。面白いのはコード進行の声部の動きをできるだけ小さいものに限定して提案する機能があります。また、自動でコード進行を並べてくれる機能もあります。試したところこちらに関しては音楽的文脈は特に考慮に入れられていないように思われ精度はそこまで期待しない方が良いのではと思いますが、とりあえずコードで埋めてみるという使い方もできるかもしれませんね。


音楽理論について

また、Scaler 3は転調、そしてスケールや機能和声に依らない音楽理論にも対応しており、他の作曲支援系プラグインの多くにない強力な機能があるといえます。モーダルインターチェンジもあります。筆者の個人的な見解としては単に転調の仕方をガイドしてもらうというよりは、コードの転調先への進行を色々模索する上でも使える機能だと思います。鳴らして音を確認できるので、耳から入る人にも使いやすいと思いますが、併せて文字情報としてコードが表示されるというのはコードネームと機能和声に慣れている人にとってやはり使いやすい。
カテゴリーごとにページ分けされています。既にScaler 2のレビューの際に言及していることではありますが、通常のポピュラーミュージックの作曲では使用しないような拡張された機能和声まで足を踏み入れることができます。まず、転調では非常に見やすくなり、メインの並べたコードトラックを参照し、それに続く転調したい調を選択すると自動的に転入和音から転調までの接続を表示してくれます。



また、機能和声の機能性の薄いジャンルは現代の電子音楽やポピュラーミュージックでは無数にあるわけですが、そういったジャンルごとのコードをアイデアを表示してピックアップしてコード進行に組み入れることもできます。こちらの例ではアンビエントスタイルのハーモニーを表示しています。ムード(暗い、明るい)というまさに感覚的な価値基準を音楽理論の中にスムーズに取り入れることができるわけですが、スケールに応じてハーモニーが遠隔かどうかが色分けされます。このあたりの機能和声理論と実際の音楽スタイルの隔たりの無理のないスムーズな統合がプラグインの設計レベルの話としては実に上手い。開発者の方が気になります。


マルチトラック機能とフレーズライブラリ

さて、そして大きなハイライトともいえるのが、マルチトラック機能。Scaler 2になりコード進行だけでなくフレーズパターンを適用することができましたが、当時も言及しておりますが、Toontrack製品のフレーズライブラリの操作性と比較するならばお世辞にも使いやすいものとは言えませんでした。また、これまで基本的にコード進行のコードブロックの和音をフレーズパターンに置き換えるといった方式を取っており、基本的に単一のトラックでしたが、バージョン3ではマルチトラックになり、複数のトラックを作成し、それぞれプラグイン内でフレーズもメロディも作れるようになりました。感覚としてはDAWが入っているといったところでしょうか。操作もDAWのものと非常に近いものになった感触があります。画面のように前述のメインのコードトラックで並べた和声進行のブロックの状態を引き継ぎアレンジ画面ではその進行をもとに新しいトラックを作り、それぞれフレーズパターンのライブラリからパターンを選択肢、トラックにリージョンを作成することができます。そのパターンはコード進行に対応しているので、パターンを並べるだけでハーモニーに沿った伴奏やフレーズをすぐに作れるわけですね。もちろんトラック内でリージョンはトリミングすることが可能で、途中から別のフレーズに変えるために途中から別のフレーズパターンを挿入することも可能。ほとんどDAWですね。また、このアップデートに対応する形でサードパーティのプラグインに対応し、お手持ちのプラグインやエフェクトをScaler 3内で使用して鳴らしたりすることができるように。ミキサー画面で、トラックごとに音源を選択でき、内蔵音源もありますが、手持ちのプラグインをインサートすることもできるように。エフェクトもラック数に限りがありますが同様です。ちなみにトラックのMIDIエクスポートだけでなくオーディオファイルのエクスポートもできるので音源をプラグイン内部で鳴らしてできたものをオーディオで書き出すことができるようになっています。96kHzまで対応。

リージョンはDAWのMIDIクリップとは少し仕様が異なり、後からトラックの中のリージョンを選択し、ライブラリから瞬時に同じカテゴリーの別のフレーズライブラリに置換することが可能。パターンをすぐに置き換えて雰囲気をすぐ変えられるわけですね。その他、リージョンをストレッチして倍速やハーフタイムのフレーズに変えたり(一般的なDAWの機能と異なりパターンベースなのでストレッチしてもリージョンの長さが変わらないので操作が非常にスムーズ)、トランスポーズなどもできます。そして、リージョンのMIDIパターンをプラグイン内のピアノロールでDAWのようにMIDIノートの操作ができるようになっています。とはいえどちらかというと使うのはコードの転回をしたり、レンジを設定したり、このプラグイン内ならではの操作がメインかと思われますね。ノート移動の各種ショートカットがあるのか未確認ですが、マイナーチェンジでなければDAWにエクスポートして作業した方が早そうではあります。

ちなみに作成したプロジェクトは保存ができます。一応既にコードとパターンがセッティングされたプロジェクトのプリセットもいくつか用意されています。

フレーズライブラリ。バージョン2とは比較にならないくらいには使いやすい。リージョンベースでトラックにMIDIクリップを作成、パターンのイメージもMIDIのイラストで表示され、瞬時に置換できるバージョン3に対し、


バージョン2はコードブロックに対し、フレーズパターンを適用して鳴らす方式でした。倍速のストレッチがあるなど機能は近い部分も多いのですが印象がまるで違う。(筆者は2の時操作性の兼ね合いからほとんどこの機能を使わなかったです。。)



評価・Scaler 2からアップデートすべきか

Scaler 2を筆者は主に音楽理論に一定の知見があり精通した人にもまた利便性を感じさせる(セリー系やピッチクラスといった分野にまでは拡張しませんが)ソフトウェアであることをこのプラグインの重要な点として挙げておりましたが、今回のアップデートではそうした理論の網羅性(リリースされているプラグインの中ではにはなりますが)がUIの刷新によりさらにスムーズにジャンルやスケール、複数の音楽理論の垣根を超えて行き来できるようになったと感じます。単に機能を増やすだけでなく、それらを統合するUI設計にもしっかり手が行き届いているのは一定の評価をすべきだと思います。現在のバージョンの製品には特に関係のない話ではありますが、個人的に気になった点としてはリリース最初期にプラグインホスト機能が正常に動作せず、サードパーティプラグインが読めない事態があった(筆者だけでなく海外の公式フォーラムでもその事例が挙がっていました、もちろん現在は修正されています。)ことですね。これについてさほど巷では触れられていないことにも驚きですが、マイナーバグではなく目玉機能なだけにプリオーダーで準備を十分にしながらもリリース直後にバグが判明し、管理が行き届いていなかった(のでしょうか?)というのはちょっと残念でした。(逆説的にはなりますが、ユーザーも多く公式フォーラムでの意見交換も盛んにおこなわれていることからサポート対応も早かったともいえますがなんとも。。)プラグインを批判的に評価する中立的立場としてはこれは流石に指摘せずにはいられない。現在は問題なく使用できるのではありますが。内蔵音源はバージョン2と同様音の確認程度にとどまりますが、プラグインのロードと異なりプラグイン内で音色の設定をせずにとりあえず音を充てることができるので悪くないと思います。筆者としてはマルチトラック内のフレーズを瞬時に入れ替えできるのが便利に感じました。Scaler 3はコード提案機能なども備わり、非常に直感的に耳で音を聴いて並べ替えるという感覚でコード進行を組みたい人にとっても使いやすいプラグインだと思います。しかしながら、音楽理論を精通した、あるいは音楽理論を学習する意欲のある人にとってはさらなる恩恵が感じられ、如何に合理的に設計されているかということがより実感できるようになっていると感じます。コードのバリエーションを見つけやすいようになっている設計なので、トーンカラーを重視して耳で聴きつつコードのセオリーも考慮にいれながらという響きを探求しつつ拡張された機能和声の範疇で制作するハイブリッドスタイルの方にはなかなか使いやすいかと思われます。後筆者として可能性を感じるのは今回のアップデートでソフト内にプラグインがロードできるためスタンドアロンで簡易DAWのように使用することもできる点。iOS版Scaler 3は2025年第2四半期にリリース予定とのことで(別売)その連携があるのかどうかというところも気になるところです。
総じて充実したバージョンアップであることは確かでマルチトラック機能によりこれまでDAWでしていたことが、コード進行と連携したトラックの設計により少ない操作でほとんどプラグイン内でおおまかにできてしまうというところはなかなか驚かされます。Toontrack製品のトラック機能やMIDIライブラリと比較するとあちらの方が、データベースの構築性がより堅牢で検索方法も音声検出を含め複数にわたりますが、Scaler 3はマルチトラックで全体的な楽想を練ることができるという意味では全く目的は異なる比較対象かと思います。後MIDIパターンのスムーズな置換やストレッチはScaler 3の方が使いやすい印象があります。総合的な印象としてはフレーズもシンプルなものが多くおまけ機能のような実装(?)でお世辞にも直感的ではなかった(今回比較の際にScaler 2も確認した際の印象です、なおScaler 2時のレビュー(後述)を確認したところやはりその点を批判していたのでやはりそのようでした。)Scaler 2のフレーズ機能と比較して使いやすさが格段に向上し、予想以上に健闘している印象。
Scaler 2を気に入っている人にとってはアップデートによりさらに操作性が良くなるだけでなく、スピーディに内蔵のフレーズを瞬時に並べ替えながら音楽のざっくりとした構想を固める、あるいは実験することができる点において魅力的なアップデートだと思います。コードスタイルのレパートリーが増えているというのも筆者としては地味にうれしいものでした。新機能としてはマルチトラックで作成し、実際のサードパーティ製の音源を使用してプラグイン内で色々作るかどうかというのがアップデートするかのひとつの指標になるかもしれませんね。マルチトラックのミキサーに関しては至ってサードパーティが使えるという以外には至ってオーソドックスですが(操作性が優れているということも特になし、ただプラグイン内部で立ち上げたインサートプラグインの立ち上げが遅いということも特にない(はず)というところは良いです)、しっかりエフェクトもサードパーティに対応しているというのはちょっとうれしいところです。
総じて筆者個人の印象ではDAW機能の充実が今回の大きな変更点でもあり、DAWで完結する方にとってはややオーバースペックぎみの機能拡張と感じられそうなものではありますが、複数のコードセオリーを単一のプラグインに詰め込みながら、ユーザビリティを全く犠牲にすることなく落とし込んでいる点は流石だと思います。


発売記念セールとして通常購入だけでなくScaler 2ユーザーはアップグレードパスも用意されています。

以下Scaler 2時代のレビューをアーカイブとして残しておきます。

バージョン 2.7.0 の新機能について

バージョンアップされました。マルチボイス出力対応になったのは良いですね。複数のパターン(パターン1、パターン2)等で作成したコードを一つのコードセットファイルにまとめられるようになったのも助かります。
新機能
  • Progression Builder (セクション C) を他の Scaler インスタンス間でリアルタイムに同期させる Live Sync 機能を追加します。
  • Parallel Harmony に新しいモードを追加して、3 度、4 度、5 度の進行を生成します。
  • ブラウザ (セクション A) に自動再生を追加して、コード セットのクイック プレビューを有効にします。
  • 和音の各ノートを別々のチャンネルに分割するためのマルチボイス出力 (Multi Midi Out) オプションを追加します。
  • インターフェイスを介して再生される MIDI ノートの強さを変更するグローバル UI ベロシティ コントロールを追加します。
  • 複数のパターンのコードを 1 つのコード セット ファイルに統合する機能を追加します。


プリセットやシーケンスパターンも追加されました。
新しいコンテンツ

  • スケールベースのシーケンス。
  • 80年代、クラシック、ヒップホップ、ローファイのコードセット。
  • 固定ベース コード セット (Triad および Extended)。
  • Divisi 4 Part Chord Sets (Multi Midi Out で動作するように意図されています)。
  • 前衛的なフレーズ
  • 前衛公演
  • 内部オーケストラベース楽器
  • 内部 LoFi インストゥルメント
改良点
  • セクション C で元に戻す/やり直しボタンが常に表示されるようにします。
  • 状態をクリアするとき、または状態ファイルをインポートするときに、元に戻す/やり直しの履歴をクリアします。
  • Cubase で再生が早く開始される原因となる Daw-Sync タイミングを修正しました。
  • Play-Quantize オフセットの計算を修正しました。
  • Voicing Editor で五度圏で最後に選択した音階を覚えておいてください。

機能紹介

Scaler 2はどのようなプラグインかというと、主な機能としては、コード進行を作ることができるプラグインです。スケールやジャンルのプリセット、アーティストのスタイルのプリセットからコードセットプリセットを選び、(コードはブロックのように表示されています。)このコードブロックを画面下部のシーケンスレーンにドラッグアンドドロップして並べていくだけ。


ブロックを入れなかったところはRestとなり、休符となります。クリックするとそのコードが鳴るため、とりあえず聞きながらならべておけば、 誰でもコード進行を作ることができるようになっています。設定してあるスケール外のコードの場合水色ではなく灰色で表示されるため、コードセオリーの破綻なく(ダンスミュージックの場合はそれよりもサウンドカラーが優先されることも多いですが)組み立てることができるのが特徴。EDMプリセットからコードを選べば簡単にEDM風の進行が作れてしまうわけです。雰囲気を変えるのであれば、トランスポーズ機能によって、キーを変えることも可能。

コードの長さや音域はEDITセクションでそれぞれ調整することができます。リピートなどもできるので思いのほか柔軟性があります。


また、ヴァージョン2からは白玉のコードに対してフレーズをつけることができるようになりました。画面のように様々なスタイルのアレンジをコードに加えることでそのコードに合わせたフレーズパターンを演奏することができるようになっています。
そしてこれらの組み立てたコードパターンは録音することでMIDI出力し、DAW上にドラッグアンドドロップすることが可能。その後DAW上で微調整することも簡単にできるようになっています。また、様々な楽器の内蔵音源が用意されていますが、MIDIルーティングすることによって、外部音源のサウンドでScaler内のコードも鳴らせるようになっているので実際のサウンドを聴いて確認できるのが便利。

ざっとこのような機能がメインとなるのですが、コードを組み立てる上で優れた機能が数多く搭載されています。


まず、スケール判定機能。MIDIやオーディオ、そしてオーディオファイルのデータを入力することにより、サジェストされるスケールを表示してくれる機能です。

例えば、適当にMIDIキーボードで音を入力してみたとします。すると画面のようにノートが表示され、そのノートを含むスケールが表示されるのです。

これは自分の思いついたメロディがどのスケールで使えるか(そしてどのコードで載せられるのか)見つけるのに役立ちます。これは音楽理論をある程度身に着けている人にとっても有効で、自分のコードの癖から離れてより良いハーモナイズの可能性を発見できる可能性があります。

スケールをロックする機能も搭載されており、スケール外の鍵盤を隣接するスケール内の音に置き換えてくれる機能があります。これを使用するとどのように鍵盤を弾いたとしてもスケールから外れることがなくなるため、メロディの破綻を避けることができます。

また、キーボードよりもギターのフレットの方が分かりやすいという人のために、ギターのモードも用意されています。

コードはコードネームだけでなくファンクションから探すこともできます。同じ機能のヴァリエーション(I, Isus4、Iadd9等)だけでなくドミナント、サブドミナント、その他から探すこともできます。

ある程度音楽理論が分かる人向けにはコードダイヤグラムや転調、モーダルインターチェンジの可能性のあるコードを絞ることもできるのでかなり本格的。(この機能になってくるとコードについて全く知らない状態だと使い方はよくわからないかもしれません。)

また、もしかしたらほとんどの人が?かもしれませんが、北米系の理論体系もしっかりカバーしています。例えば、ネオリーマン理論に基づくプログレッションまで対応しているのは驚かされます。ビギナーだけでなく、作曲家のプロユースも想定していることがわかります。



また、コードパットも用意されています。



評価

コードパットはCubase等のDAWに備わっているものもありますが、転回やコードの音域、テンション等をここまで細かく設定できるのはやはり専用のソフトならではのメリットだと思いますね。まず、最適な利用としてはダンスミュージック。ダンスミュージックはセオリーも大切なもののやはりコードのサウンドカラーが活きるジャンルでもあるので、ポチポチと探して組み立てているうちに良いサウンドが出てくることは間違いないはずです。

 また、作曲をする上でもコードパレットとして、コードを組み立てていく上であると行き詰まりを回避できそうなポテンシャルがあります。改善点としては、コードのフレーズパターンがまあ悪くはないのですが、もう少し実用性といいますかひねりといいますか、があるとよいなあと思いますね。(UJAMくらいよくできたフレーズが入っているとよいのですがね、今後パワーアップする可能性は十分にあります。)また、プリセット等を探すのがSerumのように探しにくいのでブラウズ画面が進化すると使いやすそうです。(全体的にブラウズがやや不親切なところがあるような気がしないでもない)作曲支援系だとWA ProductionがInstaComposer等の製品をリリースし始めましたが、あちらと比べた際に作曲ではなく支援の方にウェイトが置かれているのがScaler2 であるように思われます。(Scaler 2はどちらかというと作るのはあるまで制作者側、InstaComposer 2はプラグインの機械学習によって作曲までも提案するため、目指す方向性が若干ことなります)ただし筆者の意見ではありますが、まだMIDIジェネレーターはプロユースに耐えるほどのメロディやコードを精度が少ない試行で得られるものはほとんどなく(例えば、InstaComposer 2は他製品と比較してかなり作曲の根本に踏み込んだ構造的なアプローチでアルゴリズムを設計していますが、やはり一定数使えないMIDIデータを生成することはあると感じます。)、業界としてはまだまだ発展途上であると考えておりますので、作曲支援としては実は意外に(?)堅実なアプローチで好感が持てます。

いずれにしても、Scaler2のブロックを組み立てるという操作方法は他のコードジェネレーション系プラグインの中で操作性やわかりやすさ、汎用性、使いやすさ、柔軟性といった面で一線を画していると思われます。初心者向けかと言いますとしっかり全ての機能を使うのであれば実はそうではないといいたいところなのですが、コードブロックを並び替える操作は直感的でプラグインにさほど精通していない人でも使いやすいというところはあると思いますね。

最安値とセール情報

現在最安値29ドルとなっています。

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