【Review】Plugin Boutique「Scaler 2」レビュー(音楽理論ソフトウェア、機能、他の製品との比較等・セール情報と最安値)




【Review】Plugin Boutique「Scaler 2」レビュー(音楽理論ソフトウェア、機能、他の製品との比較等)


メーカー情報



Scaler 2 は、新しいアイデア、表現、メロディーの世界にアクセスできる、インスピレーションを与える強力な音楽理論ワークステーションです。Scaler 2 は、MIDI とオーディオを強力に検出することで、現在のキーとスケールを判断し、音楽にマッチするコードを提案します。このプラグインは、パフォーマンス表現で完璧なメロディーを発見するのに役立ち、あるキーから別のキーに変更する方法を提案することさえできます.

利点


  • 音楽のキーを発見し、別のスケール、モード、コード セットを探索
  • 何百ものキーとモードから選択し、シーケンサーで進行をすばやく構築します
  • プロのミュージシャンが書いた旋律表現、フレーズ、パフォーマンス、シーケンス、ベースライン、メロディー、リズムをさまざまな拍子記号で演奏
  • オーディオ検出とMIDI 検出を使用して、音楽のキーとスケールを確立します。
  • 五度圏から検索して選択するか、コード作成/編集モードでキーボードで音符ごとに音符を入力して、独自のコードを作成します
  • コード チャートは、任意のコードのギター コード ダイアグラムを表示し、フレットボード ビューでは、ギターのネックを調べることができます。
  • サジェスト モードは、コード進行に複雑さと芸術性を追加するのに役立ちます
  • 進行に多様性を与えるコード置換を発見し、コードのバリエーションをブラウズして、一時停止、延長、ドミナント セブンス、およびジャズ コードを取得します
  • ボイス グルーピングを試して、ノートをキーボード全体に分散させ、コードを特定の範囲内に維持してボイス リーディングを実現します。
  • Keys Lockを使用すると、キーをコードにロックして感情的なメロディーを作成できます
  • モジュレーションの提案は、音楽の目的地に到達するための新しい方法を提供します
  • ドラッグ&ドロップするだけでMIDIをDAWにエクスポート
  • MIDIキャプチャにより、Scaler 2内で実行し、結果をMIDIとしてエクスポートできます
  • 任意の VST / AU インストゥルメントを Scaler 2 に割り当てて、お気に入りのシンセを制御したり、45を超える内部電子、アコースティック、オーケストラ サウンドを使用したりできます
  • Scaler 2 のバインド MIDI 機能を使用して、1 本の指でコードとメロディーを演奏および録音する
  • ベースモードで現在のスケールとコードに適応したベースラインを生成
  • メロディーモードとシーケンスモードで現在のスケールとコードに適応したメロディーラインを生成
  • コンピューターのキーボードまたは MIDI コントローラーへのMIDI マッピングにより、キー、パフォーマンス、メロディー、ベースラインをオンザフライで変更
  • ヒューマナイズとクオンタイズ機能で、より自然なメロディーと表現を手に入れましょう
  • キーボード コマンドまたは UI ボタン​​を使用してモードとページ間を移動する

引用元:Scaler 2

バージョン 2.7.0 の新機能について

バージョンアップされました。マルチボイス出力対応になったのは良いですね。複数のパターン(パターン1、パターン2)等で作成したコードを一つのコードセットファイルにまとめられるようになったのも助かります。
新機能
  • Progression Builder (セクション C) を他の Scaler インスタンス間でリアルタイムに同期させる Live Sync 機能を追加します。
  • Parallel Harmony に新しいモードを追加して、3 度、4 度、5 度の進行を生成します。
  • ブラウザ (セクション A) に自動再生を追加して、コード セットのクイック プレビューを有効にします。
  • 和音の各ノートを別々のチャンネルに分割するためのマルチボイス出力 (Multi Midi Out) オプションを追加します。
  • インターフェイスを介して再生される MIDI ノートの強さを変更するグローバル UI ベロシティ コントロールを追加します。
  • 複数のパターンのコードを 1 つのコード セット ファイルに統合する機能を追加します。


プリセットやシーケンスパターンも追加されました。
新しいコンテンツ

  • スケールベースのシーケンス。
  • 80年代、クラシック、ヒップホップ、ローファイのコードセット。
  • 固定ベース コード セット (Triad および Extended)。
  • Divisi 4 Part Chord Sets (Multi Midi Out で動作するように意図されています)。
  • 前衛的なフレーズ
  • 前衛公演
  • 内部オーケストラベース楽器
  • 内部 LoFi インストゥルメント
改良点
  • セクション C で元に戻す/やり直しボタンが常に表示されるようにします。
  • 状態をクリアするとき、または状態ファイルをインポートするときに、元に戻す/やり直しの履歴をクリアします。
  • Cubase で再生が早く開始される原因となる Daw-Sync タイミングを修正しました。
  • Play-Quantize オフセットの計算を修正しました。
  • Voicing Editor で五度圏で最後に選択した音階を覚えておいてください。

機能紹介

Scaler 2はどのようなプラグインかというと、主な機能としては、コード進行を作ることができるプラグインです。スケールやジャンルのプリセット、アーティストのスタイルのプリセットからコードセットプリセットを選び、(コードはブロックのように表示されています。)このコードブロックを画面下部のシーケンスレーンにドラッグアンドドロップして並べていくだけ。


ブロックを入れなかったところはRestとなり、休符となります。クリックするとそのコードが鳴るため、とりあえず聞きながらならべておけば、 誰でもコード進行を作ることができるようになっています。設定してあるスケール外のコードの場合水色ではなく灰色で表示されるため、コードセオリーの破綻なく(ダンスミュージックの場合はそれよりもサウンドカラーが優先されることも多いですが)組み立てることができるのが特徴。EDMプリセットからコードを選べば簡単にEDM風の進行が作れてしまうわけです。雰囲気を変えるのであれば、トランスポーズ機能によって、キーを変えることも可能。

コードの長さや音域はEDITセクションでそれぞれ調整することができます。リピートなどもできるので思いのほか柔軟性があります。


また、ヴァージョン2からは白玉のコードに対してフレーズをつけることができるようになりました。画面のように様々なスタイルのアレンジをコードに加えることでそのコードに合わせたフレーズパターンを演奏することができるようになっています。
そしてこれらの組み立てたコードパターンは録音することでMIDI出力し、DAW上にドラッグアンドドロップすることが可能。その後DAW上で微調整することも簡単にできるようになっています。また、様々な楽器の内蔵音源が用意されていますが、MIDIルーティングすることによって、外部音源のサウンドでScaler内のコードも鳴らせるようになっているので実際のサウンドを聴いて確認できるのが便利。

ざっとこのような機能がメインとなるのですが、コードを組み立てる上で優れた機能が数多く搭載されています。


まず、スケール判定機能。MIDIやオーディオ、そしてオーディオファイルのデータを入力することにより、サジェストされるスケールを表示してくれる機能です。

例えば、適当にMIDIキーボードで音を入力してみたとします。すると画面のようにノートが表示され、そのノートを含むスケールが表示されるのです。

これは自分の思いついたメロディがどのスケールで使えるか(そしてどのコードで載せられるのか)見つけるのに役立ちます。これは音楽理論をある程度身に着けている人にとっても有効で、自分のコードの癖から離れてより良いハーモナイズの可能性を発見できる可能性があります。

スケールをロックする機能も搭載されており、スケール外の鍵盤を隣接するスケール内の音に置き換えてくれる機能があります。これを使用するとどのように鍵盤を弾いたとしてもスケールから外れることがなくなるため、メロディの破綻を避けることができます。

また、キーボードよりもギターのフレットの方が分かりやすいという人のために、ギターのモードも用意されています。

コードはコードネームだけでなくファンクションから探すこともできます。同じ機能のヴァリエーション(I, Isus4、Iadd9等)だけでなくドミナント、サブドミナント、その他から探すこともできます。

ある程度音楽理論が分かる人向けにはコードダイヤグラムや転調、モーダルインターチェンジの可能性のあるコードを絞ることもできるのでかなり本格的。(この機能になってくるとコードについて全く知らない状態だと使い方はよくわからないかもしれません。)

また、もしかしたらほとんどの人が?かもしれませんが、北米系の理論体系もしっかりカバーしています。例えば、ネオリーマン理論に基づくプログレッションまで対応しているのは驚かされます。ビギナーだけでなく、作曲家のプロユースも想定していることがわかります。



また、コードパットも用意されています。



評価

コードパットはCubase等のDAWに備わっているものもありますが、転回やコードの音域、テンション等をここまで細かく設定できるのはやはり専用のソフトならではのメリットだと思いますね。まず、最適な利用としてはダンスミュージック。ダンスミュージックはセオリーも大切なもののやはりコードのサウンドカラーが活きるジャンルでもあるので、ポチポチと探して組み立てているうちに良いサウンドが出てくることは間違いないはずです。

 また、作曲をする上でもコードパレットとして、コードを組み立てていく上であると行き詰まりを回避できそうなポテンシャルがあります。改善点としては、コードのフレーズパターンがまあ悪くはないのですが、もう少し実用性といいますかひねりといいますか、があるとよいなあと思いますね。(UJAMくらいよくできたフレーズが入っているとよいのですがね、今後パワーアップする可能性は十分にあります。)また、プリセット等を探すのがSerumのように探しにくいのでブラウズ画面が進化すると使いやすそうです。(全体的にブラウズがやや不親切なところがあるような気がしないでもない)作曲支援系だとWA ProductionがInstaComposer等の製品をリリースし始めましたが、あちらと比べた際に作曲ではなく支援の方にウェイトが置かれているのがScaler2 であるように思われます。(Scaler 2はどちらかというと作るのはあるまで制作者側、InstaComposer 2はプラグインの機械学習によって作曲までも提案するため、目指す方向性が若干ことなります)ただし筆者の意見ではありますが、まだMIDIジェネレーターはプロユースに耐えるほどのメロディやコードを精度が少ない試行で得られるものはほとんどなく(例えば、InstaComposer 2は他製品と比較してかなり作曲の根本に踏み込んだ構造的なアプローチでアルゴリズムを設計していますが、やはり一定数使えないMIDIデータを生成することはあると感じます。)、業界としてはまだまだ発展途上であると考えておりますので、作曲支援としては実は意外に(?)堅実なアプローチで好感が持てます。

いずれにしても、Scaler2のブロックを組み立てるという操作方法は他のコードジェネレーション系プラグインの中で操作性やわかりやすさ、汎用性、使いやすさ、柔軟性といった面で一線を画していると思われます。初心者向けかと言いますとしっかり全ての機能を使うのであれば実はそうではないといいたいところなのですが、コードブロックを並び替える操作は直感的でプラグインにさほど精通していない人でも使いやすいというところはあると思いますね。

最安値とセール情報

現在最安値29ドルとなっています。