ホラーからKawaii曲のアクセントまで出番の多いオルゴール。オルゴールの音源って世にどれくらいリリースされているのでしょう。今回は網羅的にオルゴールのヴァーチャルインストルメントを調査して、ピックアップしてみました。オルゴールの音選びの重要なポイントとしては①音域(実際の楽器はかなり音域が狭いものが多いため、うっかりすると音が足りなくなります)②音色(楽器の特性によってはかなりピーキーなものがあります)といったところでしょうか。③収録されている楽器の種類といったところでしょうか。
数が少ないのでこちらの記事では音源を絞るというよりもむしろできるだけ網羅的にピックアップするよう努めました。
皆さんのお気に入りのものは見つかるでしょうか。
Dual Music Box (Frozen Plain)
Dual Music Box は、2 つのマルチサンプリングされたオルゴールで構成される Kontakt インストゥルメントです。これらの 2 つのオルゴールは、オルゴールの音色とうまく調和するように設計された、他のサウンドの小さなコレクションによって補完されます。各パッチには 3 つのレイヤーが含まれており、1 番目のレイヤーは Victorian Music Box、2 番目のレイヤーは小さくて明るいオルゴール、3 番目のレイヤーはパッチごとに異なります。
主な特長
- 24のプリセット
- 2つのサンプルオルゴール
- レイヤーする7つの交互の音(グロッケンシュピール、撥弦、持続など)
- ステレオ録音 44.1kHz/24bit
- 4 ラウンド ロビン オルゴール
- 21のインパルス応答
- 4 種類のエフェクト: ディストーション、ローテーター、リバーブ、テンポ同期ディレイ (プリセット付き)
- リアリズムのためにノートの開始時間をランダム化する
- アタック/リリースとロー/ハイEQコントロール
2種類のオルゴールを収録。総容量180MB、4 ラウンド ロビンが用意されています。ノートの開始時間をランダム化する機能が搭載。小さく素朴な音色。
Origins Vol.2: Music Box & Plucked Piano
Origins シリーズは、慎重に録音された新しいインストゥルメントと共に戻ってきます。今回、Sonuscore は、不吉な Plucked Piano と一緒に比類のないオルゴールを紹介します。インストゥルメントを個別に演奏するか、強力なマルチ アルペジオ デザイナー (MAD) によって両方のインストゥルメントの相互作用で Origins の真の力を解き放ち、最高品質のクリエイティブな結果を可能な限り最速で得ることができます。オルゴールと弾かれたピアノのリズミカルに相互作用し豊かな相互作用は、その場で不気味な期待の構築または夢のような気分を作成するための最良の基盤を提供します.
特徴
- 個別に演奏可能な 2 つの楽器
- 革新的なマルチ アルペジオ デザイナー (MAD)
- 100以上のリズムプリセット
- 12のユニークなカラー設定
- すべてのコントロールの完全なカスタマイズ
こちらはプラックピアノとオルゴールのハイブリッド音源。独立して鳴らすこともできます。デュアルエンジンとなっており、合わせると簡単にホラーなシーンに使いたくなるようなあの音色が出来上がるようになっています。アルペジオ機能により、絶妙なフレーズを作ることができます。オルゴール単体としても癖のないなかなかの良い音。こちらはだいぶ音色に存在感があります。
LootAudio「 The Cosmic Music Box」
このプロジェクトは、従来のコンデンサー マイクとコンタクト マイクの両方を使用して、木製の響板に配置された分解されたオルゴール メカニズムから 21 のタイン作動を音響的に録音することから始まりました。時計仕掛けのモーターとエアブレーキのメカニズムの音もキャプチャされました。1960 年代の真空管ベースのデュアル トーン ジェネレーターからいくつかのビート サイン波をキャプチャすることにより、タインとブレンドする合成ハロー効果が作成されました。これは、フィルターがほぼ共鳴している Minimoog のフィルター ステージを通過しました。
モーター音等メカニズムのゲインレベルを調整できます。
特徴
51サンプル
コズミック オルゴール GUI
5 サンプルインストゥルメントパッチ
サンプル数は少なめ。楽器の特性からなのか音が綺麗といったヴァーチャルインストルメントではなさそうです。Lofi等には化けそうな印象。しかし、オルゴールのメカニズムをキャプチャしているため、それに基づいて音色をカスタムエディットができるという珍しさがあります。
Have Audio「Toys」
おもちゃのサウンドデザインとたくさんの素晴らしいサウンドのオルゴール(ダブルエスプレッソのみ)。エッジの効いたサウンドに興味のあるすべての映画作曲家や音楽プロデューサーの必需品。オリジナルの録音素材から始めて、最高のモジュラーシンセサイザーと、本格的でノイズの多い悪質なビンテージテープマシン、ウォークマンなどを使用してすべてのサウンドを大量に処理し、ホスト的で恐ろしいスコアに最適なエレクトロニックとディストピアのブレンドを作成しました。このバンドルには、通常のダブルエスプレッソでは利用できない2つのボーナスインストゥルメントが付属しています:クリスタルボックスとダブルボックス。
- おもちゃのワンショットとテクスチャー(モジュラーシンセとビンテージテープで処理)
- オルゴール(ビンテージテープで処理)
【無料】wavesfactory Music Box
3オクターブ+6の音域。こちらの音源は何といってもも無料。総容量は7.51MB。Wavesfactoryの音源だけあってクオリティもしっかりしています。楽器の特性からか最高音域が若干歪み気味のサウンド。ねじを巻く音もキーにアサインされ収録されています。
wavesfactory Music Box
Bad Cat Samples「Music Box」
オルゴールは、信じられないほど繊細で有機的なサウンドのオルゴール楽器のサウンドを提供します。16個のオルゴールは、クランク、クリーク、スクラッチ、バズ、ティン、スクレイプなど、あらゆる微妙なディテールを含むリボンマイクを使用して、最高の品質とディテールで録音されました。このライブラリには、ノートごとに最低 8 つのベロシティ レイヤーがあり、これまでに聞いた中で最もリアルなオルゴール サンプル ライブラリの 1 つです。これは、不気味なホラー ミュージックの究極の楽器です。
16種類のオルゴールを1音1音丁寧に録音することで、本物そっくりのニュアンスと繊細さを備えた表現力豊かなオルゴールを作り上げました。最高の品質とディテールを備えた楽器を作るために、可能な限り微妙にすべてを含めるようにしました。それぞれのクランク、クリーク、スクラッチ、バズ、ティン、スクレイプが残され、その結果は非常に有機的で、単純に演奏にインスピレーションを与えます。ライブラリ全体は、24 ビット 48khz でリボン マイクを使用して録音されました。ノートごとに最低 8 つのベロシティ レイヤーがあります。オルゴールの性質とそのようなデバイスの一般的な範囲により、一部のピッチ (40+) に対してかなりの数のベロシティ レイヤーが作成されました。ラウンド ロビンを使用する代わりに、多くのベロシティ レイヤーを使用することにしました。これにより、パフォーマンスを簡単に変更できますが、ランダムになることはありません。
仕様
- 深くサンプリングされたオルゴール楽器
- Kontakt 5.3+ および EXS 24 で動作
- カスタム インパルス応答
- リリース、幅、暖かさ、リバーブ コントロール
- 極めて有機的なサウンド
- 420 MB のダウンロードで 750 以上のサンプル
- 10個の追加の「サウンドデザイン」パッチが含まれています
こちらは16種類のオルゴールを収録。容量は420MB、サンプル数は750以上。楽曲でよく聴くような使いやすい音色。ベロシティ レイヤーが充実しております。
SOUNDIRON 「Musique Box」
Musique Box は、深くサンプリングされたアンティーク オルゴールの完全なコレクションです。Soundiron は、乾燥したスタジオから緑豊かなコンサート ホール、さらには水中に沈んだ状態まで、さまざまな環境と構成で 11 のオルゴールを録音しました。次に、サウンドを操作して、さまざまな追加の雰囲気のあるサステイン、パッド、魔法の楽器、さらに調整された一連のアンビエント パッド、進化する雰囲気、ユニークなダイナミック FX を作成し、箱から出してすぐに豊富なクリエイティブの可能性を切り開きました。
Soundiron はノート レンジをフル スケールに拡張し、通常のオルゴールの限界をはるかに超えた、力強く豊かなベース トーンとタイトでパーカッシブな高音を表現します。Soundironの目標は' t 可能な限り最も包括的なオルゴール ライブラリを提供するだけでなく、これらの控えめなオルゴールを頑丈な作曲パワー ツールに変える貴重なクリエイティブ リソースを提供することです。The Musique Box の隣にある残りはただのおもちゃです。
特徴
- オープン Kontakt フォーマットの 1 つのマスター NKI インストゥルメント バンク
- 11 の異なる環境のオルゴール、Winding SFX
- ソースコンテンツから作成された 32 のアンビエンスパッチ
- 24 ビット / 48 kHz 非圧縮 PCM wav サンプル
- 20 のカスタム サウンド デザイン FX およびアンビエント プリセット
- 1,689 ステレオ WAV ファイル
- 2.24GB搭載
- LFO、フィルター、グライド、アルペジエーターを備えた柔軟で直感的なマルチレイヤー ユーザー インターフェイス コントロール
- カスタム ルーム、ホール、チャンバー、FX 環境を備えたコンボリューション リバーブを備えたフル FX ラック
11種類のオルゴールを収録。1,689のステレオ WAV ファイル総容量は2.24GBとなかなかの容量になっています。音が非常に立体的にオルゴールの音色の質感ヴォリューム感を保って鳴ります。この音源は音域をフルレンジに拡張しているので幅広い音域の音を鳴らすことができるのもうれしいところ。アルペジエータやFXにも力が入っているので、サウンドデザインもできます。単なるヴァーチャルインストルメント以上のことができるようになっています。
総評
意外に比較してみるとスペックは似ているものも多いですね。ピアノ音源のように桁が一つ違うといったこともなさそうです。収録した楽器の特性が実は結構大きいといえるかもしれませんね。そうはいっても聴いてみるとやはり差は見えてくるもの。
単純なリアリティでいくとSOUNDIRON Musique Boxが頭一つ出ている印象があります。楽器のヴァラエティはもちろんオルゴールでネックになりがちな音域の問題もカバーできています。価格も考慮して満足できそうなのが、Bad Cat Samples「Music Box」でしょうか。(意外にKontaktライブラリの製品が多いですね。)
ただしオルゴール重要な楽器ではあるものの、常に使用する楽器というわけでもないので、価格の問題もあり、どこまでこだわるかは使う人によって分かれそうです。