【Review】AAS「Lounge Lizard EP-4」レビュー(物理モデリングエレクトリックピアノ音源、比較等)
メーカー情報
Lounge Lizard EP-4プラグインは、本物のビンテージエレクトリックピアノサウンドを必要なものすべてのパッケージで提供します。時間が重要な場合は、100以上のカスタムエレクトリックピアノプリセットから選択するだけです。しかし、サウンドの探索がプログラムにある場合、プレーヤーは、ハンマーの硬さ、タインの色と減衰、ダンパーノイズ、およびピックアップの配置をリアルタイムで制御して、卓越したレベルのカスタマイズを実現します。
ギグをするミュージシャンは、Lounge Lizardの小さなメモリフットプリント、インスタントプリセットのリコール、および安定性を高く評価します。さらに、クラシックなエレクトリックピアノのサウンドの膨大なライブラリとエフェクトの完全な選択により、セットリストを簡単に作成し、各曲に最適なトーンを得ることができます。
特徴
- 完全に物理モデリングに基づいており、優れた音質を実現します
- 最高品質のプリセットライブラリ
- 音のリアルタイム計算-サンプルなし
- 32ビット浮動小数点内部処理
- 最大192kHzのサンプルレート
- プリセットの簡単な共有
- 無制限の元に戻す/やり直し機能
- 標準のプラグイン形式のサポート
- MIDIプログラム変更のサポート
- 高品質の統合マスターエフェクト:コーラス、ディレイ、リバーブ
- ホストのテンポ同期
- 動的な音声割り当てとCPUオーバーヘッド保護
引用元:AAS
機能紹介
AAS「Lounge Lizard EP-4」は物理モデリング方式によるエレクトリックピアノ音源ですが、具体的に通常のエレクトリックピアノ音源と何が違うか整理しておきましょう。
基本的なところでは通常のエレクトリックピアノ音源、とりわけサンプルを収録した音源に対し、フィジカルモデリング音源はリアルタイムで演算し、サウンドを創り出します。容量が軽いのはもちろんですが、アーティキュレーションや表情がより即興的になります。
また、エレクトリックピアノ音源のパラメータがモデルとなるエレピのノブ(ワウ等)に基づくのに対し、AAS「Lounge Lizard EP-4」は内部の構造(フォーク、ピックアップ、ハンマー等)のパラメータをいじることができるので、音色の柔軟性がより優れている点。ちなみにローズ、ウーリッツァーをモデルにしているようです。
UIは3画面からなります。Playモードは大変シンプルな画面。ここまでなら通常のエレクトリックピアノ音源と大きく変わるものでもないかもしれません。
しかし、エディット画面からがAASならではの機能。まずハンマーがフォークをたたき、フォークはハンマーによって叩かれるTineと、共鳴するTone Barからなります。振動をピックアップで広いアンプで増大というわけですね。
ハンマーの硬さ(Hzで調整できます、金属質な音色にも変えられます)等の他、ピックアップのタイプを細かく変えることができます。ノイズでは打鍵時のアタックの質感を付与できます。ガムランのような質感に変えられたりとにかく幅広い。
極端にしてもピアノらしさが残っているので、様々な音色を創り出すシンセサイザーのような音色づくりとは異なり、パラメータが多くてもより直感的に音作りができます。ベルのニュアンスが自分好みに変えられるのがとても良いですね。グロッケンのようなサウンドにも代えられます。
定番のサウンドを多く収録したプリセットが用意されているので、音づくりがよくわからない状態でも問題なく使っていくことができます。
エフェクト画面。これに関してはおまけ程度だと思います。特に取り上げるものでもありません。AASのフィジカルモデリング音源の中で最も癖がなく、汎用性の高く使いやすい音源であるといえるでしょう。(GS2は慣れるのに時間がかかる等)
音色も大変リアルで違和感が全くありません。ウェットなものからパーカッシブなものまで網羅できるのでこれひとつで幅広くエレピサウンドをカヴァーできます。フィジカルモデリング系ですと、SAMPLESONでもスペクトルモデリングのライブラリがリリースされていますが、あちらは実機の再現を目標としているのに対し、こちらはリアルなのはもちろん音作りのパラメータが大変充実している点で優れています。