【Review】Waves「CR8 Creative Sampler」レビュー(AI搭載サンプル管理機能搭載のサンプラー、使い勝手等)
最近Wavesは気合が入ってますね。一昔前と比べて、様々なプラグインカテゴリーに手を伸ばしている印象とUIも現代的になってきているのは時代の流れでしょうか。
メーカー情報
サンプルを調理するときは、すぐに創造性を発揮したいと考えています。Waves CR8 Creative Samplerは、サンプリングに関するすべての面白くてエキサイティングなものを取り入れ、すべてを高速で簡単なワークフロー内に配置します。CR8を使用すると、あらゆるサウンドを数秒で刺激的な演奏可能な楽器に変えることができます。
特徴
- 8つのサンプルレイヤー。サンプルをスタックしてミックスしたり、キー間で分割したりできます。
- 5つのストレッチアルゴリズム–ボイス、ビート、メロディック、ハーモニック、クラシック–それぞれ、ピッチと時間を個別に制御できます
- キーとBPMの分析により、セッションを数秒で調整および同期できます
- イージーループ、リバース、フリーズオプションなど、サンプルの再生を即座に制御できます
引用元:Waves
機能紹介
Waves「CR8 Creative Sampler」はサンプラーのプラグインですが、データベースソフトウェアと統合されています。
Waves「COSMOS Sample Finder」について
Waves「COSMOS Sample Finder」は自動タグ付け機能の搭載されたサンプル管理ソフト。波形ビューとリスト、Cosmosと3つのサンプル管理画面が用意されています。内蔵のサンプルが2500ほどありますが、手持ちのサンプルフォルダを参照することももちろんできます。
お気に入り機能もあるので、オリジナルにサンプルを分類することもできます。
使ってみると時折?となる配置もありますが(AIなので仕方がないかと)、ほとんど気にならないレベルで上手くカテゴリに応じてサンプルを配置してくれます。
COSMOSは、ハードドライブ上のすべてのワンショットとループを1つの検索しやすい場所にもたらします。高度なWavesNeural Networksテクノロジーを使用して、サンプルのコレクション全体を分析、自動タグ付け、および並べ替えて、すべてを簡単に見つけることができる1つの統合データベースにします。サンプルを配置した場所やファイルの名前に関係なく、COSMOSがサンプルを検索します。COSMOSはあなたの流れを維持するので、時間や創造性を失うことはありません。波形、リスト、コスモスの3つのアクセス可能なビューで、目の前に視覚的に配置されたすべてのサンプルを見ることができます。楽器、BPM、キー、さらには明るさ、彩度、ダイナミクスなどの音響特性によって、すべてのワンショットとループをフィルタリングして検索できます。
注目すべきはCosmosというサンプルのラベリングの類似性に 基づいてマッピングされた表示方法。サンプルの楽器による分類や空間の広さ等パラメータに応じてサンプルを並び替え、再配置できます。散らばったスポットをクリックすると音が鳴ります。履歴機能も用意されているのが良いですね。タグの絞り込みによって、表示するサンプルを絞り込むこともできます。
さてここまで見てきたWaves「COSMOS Sample Finder」はなんと無料で使えるという驚きのソフトなのですが、スタンドアロンのみとなっています。
追記:2022.6.22現在有料化されています。
つまりDAWにロードするときは「COSMOS Sample Finder」とDAWを立ち上げてドラッグアンドドロップする形となります。
そのワークフローを改善する上でプラグイン上からCOSMOS Sample Finderにアクセスできる「CR8 Creative Sampler」が便利になってくるということですね。
「CR8 Creative Sampler」の使い方
「CR8 Creative Sampler」は8レイヤーまでロードできるサンプラー。サンプルをロードすると上部にタブが増えていって画面切り替えることができます。
スライス、クロスフェード等の基本機能はもちろん、自動トランジェント検出機能も備わっています。
フィルター等ももちろん搭載。注目すべきはモジュレーション機能の充実。エンヴェロープとモジュレーションをそれぞれ4パターン用意することができ、それぞれのパラメータノブにドラッグアンドドロップでアサインすることができます。(割り当て方はSerumと同じ使い方です。)
LFOやシーケンサ等様々なモジュレーションが用意されています。
そのため、サンプルベースのシンセサイザー並みにサンプルを加工することができてしまうということですね。
ミキサー画面。このように複数のレイヤーでサウンドづくりができるので、ヴァーチャルインストルメントのように使うことも可能です。セッティングがプリセットとして保存しておくこともできます。(プラグイン自体にファクトリープリセットも用意されています。)それぞれのサンプルをどの鍵盤の音域にアサインするか決めることもできます。レイヤー化したりスプリットをしたりする等、パフォーマンスにも適した機能となっています。ルートも一画面の中で変えることができます。非常にUIが整理されており、使いやすさが際立っています。
評価
間違いなくここ数年のWavesソフトの中ではもちろん他のサンプル管理ソフトと比較しても上位に食い込むソフトウェアであることは間違いないでしょう。
マッピングされているサンプルから探すことができるのは大変便利ですね。XOとは異なり、ドラム以外もマッピングされていますが、複数の配置方法が用意されているので、欲しいサンプルを探しやすく整理されているのですね。
「 Sample Finder」COSMOSでもサンプル管理はできますが、やはり、プラグインから瞬時にデータベースにアクセスできるのは便利。そして、EDMや電子音楽を想定した、モジュレーションやサンプラー機能が使えるのも便利。他の電子音楽向けのサンプラーにもっと機能が充実しているものはあるかと思いますが、最低限しか機能が備わっていないものではないので充実している部類かと思います。
価格も考えたら、文句ない恐ろしく充実した製品かなと思います。
まずは無料の「COSMOS Sample Finder」で試してみてから気に入ったら「CR8 Creative Sampler」を使ってみるのが良いでしょう。