最強のドラムマシン音源を探してみる【ドラムマシン音源の比較】
ヴィンテージドラムマシンをモデルにした音源はいくつかありますが、その中からアナログらしさやリアリティの高い音源がどれなのか探るべく探してみました。ここで取り上げるアナログ音源というのは単にアナログからサンプリングモデリングするだけでなく、出音を+αでアナログらしさを追求している専用音源のみを取り扱います。(総合ドラムライブラリやBattery 4等も除外しています)
比較して聞いてみることで違いが見えてきますね。
製品比較
D16 Group「Drumazon」
Drumazonシンセシスは、オリジナルの9O9のすべてのサウンドをエミュレートします。すべての楽器は、オリジナルとまったく同じ方法で合成されます。オリジナルのすべてのニュアンスとディテールが完璧にキャプチャされています。さらに、すべてのDrumazon機器には、強化されたコントロールがあります。この追加機能により、ユーザーは元のユニットよりもさらにサウンドを調整できます。これにより、まったく新しいサウンドクリエーションの世界が開かれます。
Drumazonは909のエミュレーション。すべて一から合成される方式でサンプルは一切使っていないです。サウンドはオリジナルの回路と同じようにシュミレートされているようです。実機と同じように スイッチが用意されています。
参考:Roland TR-909ハードウェア本体の様子
D16 Group「Nepheton」
こちらは808のエミュレーション。同じように個別ルーティングも可能になっています。
Nephetonには、元の808ドラムマシンをエミュレートするために連携して動作する17の完全に合成されたモジュールが含まれています。オリジナルのすべてのサウンドと詳細なニュアンスが完璧にキャプチャされています。Nephetonのモジュールには、深い音色とエンベロープの微調整のための追加のコントロールが装備されています。オーディオの例を聞くか、デモをダウンロードして、今日からビートメイキングを始めましょう!
D16 Group「Nithonat」
こちらは606のエミュレーション。Drumazonと同様にシーケンサーが用意されています。(いわゆるソフトウェアのシーケンサーと見た目が異なるので、慣れていないと最初どのように使うのか戸惑うかもしれませんね。)
Nithonatは完全にゼロから設計されました。ネフェトンのものと比較しても、その合成は特別です。オリジナルの回路のエミュレートされた構造に起因する、非常にユニークで特徴的なハイハットとシンバルのサウンドがあります。バスドラムは比類のないアタックキャラクターと強いパンチを持っています。スネアは砂っぽく聞こえます。これらのユニークな属性は、606が標準以下の808ではないことを保証しますが、使用されているトラックに古い学校の雰囲気をもたらすユニークな音色の優れた楽器です。
Softube「Heartbeat」
Heartbeatは、1980年代の最高のアナログドラムシンセからインスピレーションを得ていますが、既存のドラムマシンをエミュレートしていません。サウンドは主に、慎重に選択された波形で補強された、Softube独自のモデル化されたアナログシンセサイザーから発生します。Heartbeatのコアは、8つのインストゥルメントチャンネルで構成されています。2つの異なるバスドラムチャンネルがあります。これらは、必要に応じてパンチの効いた深みのあるものにすることができますが、きびきびとした打撃の強い木質のテクスチャーを完全に作り出すこともできます。2つの専用スネアドラムチャンネルにはそれぞれ6つのパラメーターがあり、エッジの効いたリムショット、柔らかくささやくようなスネアロールから、機械のような拍手まで、あらゆるものを実現できます。パーカッションチャンネルは同一であり、80年代スタイルの合成タムからカウベルやノイズドロップまで、あらゆるものをモデル化するために使用できます。また、他のチャネルと同様に、ハイハットチャネルとシンバルチャネルは柔軟な合成エンジンを提供します。心の欲求に合わせて調整してください。
このドラム音源はアナログドラムマシンをモデルにしながらも一からアナログシンセエミュレーションによってアナログドラムマシン風のサウンドを作り出す音源です。ドラムシンセの純粋なエミュレーションと異なるのでアナログ風らしさを保ちながらも自由に音作りができる点が優れています。Softubeだけあって音質の良さがありますね。レイヤー機能も搭載。
特徴
- 主にモデル化されたアナログシンセサイザーに基づくドラムサウンドの8チャンネル
- ボリューム、EQ、エフェクトセンド、各チャンネルのパンを備えたミキサー
- サウンドをレイヤーしたり、ビートパターンをトリガーしたりするための4チャンネルオートレイヤーマシン
- カオススライダーは、自動レイヤーマシンの動作にランダム性を追加します
- TSAR-1ReverbとValleyPeople Dyna-miteの適応バージョン、およびFilterEchoと出力飽和
- モジュラーでHeartbeatのインストゥルメントとEQモジュールを使用します(これはこれらのコンポーネントにのみ適用され、TSAR-1とDyna-miteには適用されません)
Arturia「Spark 2」
Sparkは革新的なドラム製造ソリューションです。その最先端のサウンドライブラリ、複数の合成エンジン、および高度なシーケンス機能により、ビートメイキングタスクをクリエイティブに行うことができます。リアルタイムのパフォーマンスツールとエフェクトは、スタジオやステージで新しい音の領域を探索するためにここにあります。
こちらはサンプリングと物理モデリングのハイブリッドライブラリ。音質も大変よく図太いサウンドが特徴。プリセットも充実しているのでアナログモデリング以外にも出張できます。
Sparkは常に完全にモジュール化されたバーチャルアナログサウンドエンジン上に構築されてきましたが、これまでは開発者だけがこれにアクセスできました。モジュールを追加および削除したり、独自のパッチルーティングを作成したり、最大6つのマクロコントロールを割り当てて即時制御したりできます。現在フルアクセスできるモジュラーエンジンにより、Sparkは究極のドラムシンセサイザーになります。拡張性も高く、モジュラーシンセ的にパッチルーティングをすることができる点はかなり強力です。
Sparkの主な機能:
- 16トラックドラムマシン
- TAE®バーチャルアナログ、サンプリング、フィジカルモデリングサウンドエンジン
- 強力なパターンベースのシーケンス:リアルタイムシーケンサーとクラシックなTRスタイルのステップシーケンサー
- スタジオエフェクトを備えたフル機能のミキサー
- 詳細なサウンド編集のためのモジュラーシンセエンジン
- リアルタイムパフォーマンスルーパーとエフェクト
XILS Lab「StiX」
StiXは、さまざまな時代の信じられないほど多様なドラムサウンドを提供します。ビンテージのアナログドラムマシン、または初期のデジタルドラムマシンです。そして、次の時代の多くの音。仮想アナログモーフィングオシレーター、FM @オーディオレート、サイン+ウェーブシェーピング、サンプル、CroSSシンセシス。第4世代0DFフィルター、マクロノブ、ステップモジュレーター、LFO、ユニークなR-Clap EvsとADSR、専用のPolyStepオートモジュレーター:10個のドラムサウンドのそれぞれを調整するためのシンセサイザー全体。
ハードウェア由来のサンプルとシンセのハイブリッドによるドラムマシン。歴代の名機のプリセットも用意されているようです。そしてかなり音が良い。
Wave Alchemy「REVOLUTION」
「2017年のベストソフトウェアインストゥルメント」(Music Tech Magazineから受賞)を受賞したRevolutionは、世界で最も象徴的な14台のドラムマシンを単一の画期的な仮想インストゥルメント内でDAWに直接忠実に配信する、深く製造されたドラムマシンです。プラグインは、808、909、606、CR-78、CR-8000、Linndrum、Drumtraks、Drumulator、OB-DX、SP-12など、私たちの時代で最も影響力のあるドラムマシンの真のサウンドを初めて提供します。ただし、Revolutionは単なるエミュレーションではありません。それは、限界を押し広げる新しい強力なサウンドを作成することです。ドラム制作が再定義されました。
Revolutionのサウンドエンジンは、何万ものサンプルを搭載しており、アナログエレクトロニクスに固有の動作の微妙な違いに加えて、元のドラムマシンのあらゆる可能なサウンド/トーンのバリエーションとニュアンスをキャプチャします。各サウンドは、トランスバランスのとれたラジアルJDIを介して慎重に録音され、NEVE 1073 / API512cプリアンプでラインレベルになりました。オリジナルの楽器の全周波数範囲とダイナミクスを維持するために、各ドラムのピークレベルを注意深く一致させ、マスタリンググレード変換を通じてそれらを録音しました。Revolutionはデジタルの「エミュレーション」ではなく、世界で最も象徴的で人気のある14台のドラムマシンの本物のサウンドです。
まとめ
アコースティックドラムと比べてなかなか甲乙つけがたいと感じます。そうはいうものの、現時点でサンプルベースでかなり有力なところでいえば「Revolution」ではないかと思いますね。また、一度に複数のハードウェアエミュレーションが一度に手に入るところも◎。「StiX」はサンプルとシンセサイズのハイブリッドにすることによって、折衷しているのが魅力的。個人的な好みもあると思いますが、サンプル系は合成にはない質感が出てくる印象がありますね。