音楽理論系作曲支援ソフトウェア・プラグイン比較【2021/1/22更新】

音楽理論系作曲支援ソフトウェア・プラグイン比較【2021/1/02更新】


音楽理論系作曲支援ソフトウェアはここ最近増えてきました。音楽理論系作曲支援ソフトウェアというとざっくり言って
・MIDI生成
・コード・スケール提案
あたりを機能として持っているものが多いかと思います。

比較の際に重要な観点として制作者の手がどれだけ加えることができるのかという点が大きいかと思います。機械学習やアルゴリズムによる生成にどの程度製作者の意図、指示が加えられれば良しとするのか。オリジナルの音色を作品のアイデンティティとしているアーティストにとってさほど1から作るフレーズに重点を置かないという選択肢もありそうですよね。

ここではまず話題に上がり特に機能の優れていると思われるプラグインをピックアップして比較しています。随時更新していきます。

InstaComposer


特徴
  • インテリジェントMIDI生成プラグイン 
  • メロディー、フレーズ、リフ、コードなどを作成する
  • ボタンをクリックするだけで無限のアイデア
  • 5つのトラックを同時に生成する
  • マルチトラックおよびマルチチャネルルーティング
  • 自動ハーモニーとコード進行の生成
  • 包括的なMIDI編集
  • MIDIドラッグアンドドロップ
  • 複数の拍子記号
  • 確率、複雑さ、変動に対する多くのコントロール
  • 総合的な柔軟性
Instacomposerは、選択したスケール、拍子記号、リフの長さを考慮して、あなたと同じようにユニークです。5つのトラックの1つ、一部、またはすべて、およびメロディー、リズム、ベース、パッド、コードの任意の組み合わせで新しいシーケンスを作成することを選択します。 オンボードMIDIエディターを使用して、インターフェイス自体の中でInstacomposerの出力を微調整できます。これは、プラグインを離れる前に音楽を操作できることを意味し、プラグインが提供するものに加えて、独自の創造性と個人的なスタイルを追加します。おなじみのピアノロールインターフェース内でノートを移動、コピー、削除し、ベロシティを変更することもできます。 



 

引用元:WA Production

2021年にリリースされたプラグイン。W.A Productionというと一昔前はぱっとしないエフェクトプラグインもあった印象ですが、最近はそうとも言えなくなってきました。優秀な開発者を集めてきているのでしょうか。
パラメータが他の作曲支援プラグインと異なりPopluarかどうか等、曲想に合わせた対応ができる点。さらにプラグイン内でピアノロールが用意されており、MIDIノートをいじることができるというのが非常に使いやすくなっています。
拍ごとにコード進行を設定したうえで機械学習による自動MIDI生成をすることができるので制作が人間の手から完全に離れることがないのも大きなポイント。自動生成はコード、リフ、ベース等、テクスチュアに合わせて生成することができます。5トラックが用意されているのでMIDIルーティングで曲の骨格をこのプラグイン内でスケッチすることができるのは他のプラグインにはない特徴。(複数立ち上げれば似たこともできるでしょうが)MIDIエクスポートももちろんできます。
価格が抑え目なところもポイント間違いなく作曲支援系プラグインで最もお勧めできる製品かと思います。

利点

・ダンスミュージック系だけでなく、ポップミュージックにも使えそうな汎用性と使いやすさを重視したインターフェース
・ピアノロールが内蔵しているのでMIDIの調整も非常に効率的
・5トラックの制作ができるので作品の骨格をしっかりとスケッチできる
・機械学習によるフレーズ生成はなかなか実用的

欠点

・最近のプラグイン等でユーザーがまだ多くはない、アップデートの見通しは不明

Scaler 2




一時期(今もかもしれませんが)爆発的な人気があったと記憶している作曲支援ソフトウェア。コード生成機能が優れており、設定したコードネームと転回系を設定したコードブロックを並び替えることでコード進行を作ることができます。ブラックミュージックやヒップホップ、EDM系では満足に使用することができるかと思います。2にヴァージョンアップしたことで、コードブロックごとに内蔵のMIDIパターンを適用させることで、コード進行に沿ったフレーズを演奏することもできるようになりました。
鍵盤を設定したスケールのみの音が鳴るように(スケール外の音は隣接するスケール音に置き換わります)するスケールロック機能は音楽制作をする上で大変便利だと思います。次のコード進行を提案する機能もありますが、転調はまだ満足いく提案が難しいようで不完全。総じて、作曲する上でサポートしてくれるといった面が色濃く反映されています。

利点

・キーやスケール、ジャンルにあったダイアトニックコードを提案してくれる
・コードを鳴らしながら組み立てることができるので、コード進行を作るのに便利、同じ機能のコードを提案してくれるので試行錯誤もしやすい
・ストラムモードがあるのでギターのコードワークを作るのにも便利

欠点

・内蔵音源がアップグレードしたもののやはり頼りない
・MIDIエクスポートはできるものの内蔵されているMIDIフレーズパターンは固定なので、ジャンルを選ぶ
・このプラグインのみでフレーズを作るのは無理がある

MIDI MADNESS




こちらはInstacomposerに似ている機能やインターフェースですね。(このプラグインを意識しているのでしょうか)こちらはより具体的なパラメータにより自動生成をすることができるのが最大の特徴。拍ごとにコードを指定して生成することができる点も似ていますね。どの音価(音の長さ)の範囲を使ってフレーズを作り、音の使用頻度、オクターブ音の使用具合、フレーズにどれくらい和音を使うか等楽譜的なパラメータを設定して生成することができるので、ふわっとイメージから作っていくというよりもメカニックな思考で作っていく人にはお勧めできそうですね。MIDIエクスポートももちろんできます。


利点

・作曲上の音楽的パラメータが大量に用意されており、充実しているので複雑なフレーズも設定次第で生成することができる
・生成したフレーズをバンクに格納しておくことができる
・音源のホストになることができるのでルーティングが不要

欠点

・UIが若干わかりづらい
・フレーズの生成のためのパラメータが数的であり直感的ではないので、ある程度の作曲感覚がないと思い通りのフレーズを生成する、使いこなすのが若干難しい

いかかでしょうか。人によってどれくらい自分の手でMIDIデータを作りたいかによって好みが分かれてくると思いますね。ではでは。

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