【Review】Pitch Innovations「Fluid- Pitch」レビュー(MIDIキーボードピッチベンドにMPE機能や拡張機能を加えるプラグイン、使い勝手など)

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メーカー情報

Fluid Pitchは、標準のMIDIキーボードを使用するすべてのミュージシャンのための革新的な次世代MIDIピッチベンドシステムです。MIDIキーボードにスマートピッチベンドホイール+マイクロチューニングエッジ+ MPE機能を提供します。Fluid Pitchは、MIDIからMPEへの高級エンジンを搭載した世界初のScale-Locked-Pitch-Bendシステムを発表しました。ミュージシャンは、ピッチベンドホイールを使用しているスケールや場所を考える必要がなくなりました。FluidPitchは、常に正しい音符に導きます。

 

新しいキーボードを購入したり、新しい学習曲線を踏んだりすることなく、比類のない簡単さであらゆるスタイルの音楽を再生し、ステージでの自信を高めることができます。流体ピッチベンディング、ポリフォニックピッチベンディング、MPEシンセへのアクセス、個々の音符の微調整、音楽制作の新しい次元の開拓を体験してください。

特徴
  • Fluid Pitchは、キーボードのピッチベンドを任意のスケールにロックできる世界初のスケールロックピッチベンドシステムを導入し、流体ピッチベンドにアクセスできるようにします。
  • MPE Upscale Technologyを搭載した音楽にコードベンドを導入し、コード全体をピッチベンドします。
  • Fluid Pitchを使用すると、スケール内の任意の音符を最大100セント上下に調整できるようになり、微音スケール、メロディー、ハーモニーのまったく新しい世界にアクセスできるようになります。インドのラーガと中東のマカームで微調整された音階の新しい世界にアクセスします。
  • ピッチベンドホイールの範囲を選択して、演奏中にリアルタイムで変更できます。
  • このプラグインは通常のMIDIキーボードにMPEキーボード機能を追加できるプラグインです。

引用元:Fluid Pitch

機能紹介

このプラグインを用いることでできるようになる機能を具体的に言うとまず、大きなところではコード全体のピッチベンドを行うことができるようになります。(※このプラグインはMIDIキーボードのピッチベンドホイールを前提としています)
そして、スケールをロックすることで、絶妙な操作をしなくともピッチベンドをより音楽的なピッチにはまるようにできます。これは世界初の機能とのこと。
それぞれの設定を確認すると、まずホイールの全体の音域を設定できます。2は通常の2オクターブですが、12、24、48が用意されており、より、細かな操作が可能になります。
またMPEシンセサイザーにも対応。

NO Last Bendはピッチベンドの後に入力したノートにピッチベンド情報を適用せず元のピッチで鳴らすこと後できる機能。和音をベンドしてその後の入力されるフレーズはそのままのピッチで鳴らすことができるということですね。
No Return Bend機能もとてもありがたい。これはピッチベンドホイールの戻りをピッチに反映させない機能で、早いフレーズを演奏する際手で動かしたスライドのみを入力することができます。ストリングスやホーンセクションのベンドにはとても良さそうです。
ミクロチューニングではスケールロックしたそれぞれの鍵盤のピッチを微分音で最大100セントで上下に調整できます。鍵盤ごとのスライダーを上下に動かして調整できます。

これは複雑なことや新しいことをしたい人にはたまらない機能ですね。


評価


コードのピッチベンド等、MPEキーボードの機能を加えることができますが、全ての機能が加わるわけではないようです。(要確認・恐らくコード構成音の独立した一部のピッチベンド操作(和音で鳴らしてそれぞれを別の方向にピッチベンド等)は不可能?)
一方でMPEにはない機能が加わるのも見逃せません。

特に世界初とのことですがスケールロックによるピッチベンドはピッチベンドをセオリー的に美しい響きにする上で大変便利です。自分で微分音レベルまでスケールをカスタマイズまでできます。
また、ピッチベンドの音域を通常の2オクターブからさらに細かい単位まで分けられるのもジャンルごとにピッチベンドを分けられるので便利です。
そして、スケールを微分音で構成できる等、クリエイティブな機能もそろっています。
また、プリセットを保存して、キースイッチで呼び出せるので、ピッチベンドの操作をよりシステマティックに演奏できるようになるのはうれしいところ。
やはり、目玉?ともいえるスケールロックが強力です。これだけで、思い通りのピッチベンドが簡単にできるようになります。
総じて、単なるMPEキーボードに拡張するプラグインとしてみるよりも、MPE機能を含めたピッチベンドを音楽的に使いやすいものにするプラグインとしてみるとよいかと思います。
ポピュラーライティングでオーケストラのハーモニーやフレーズをピッチベンドするのには良さそうですね。

MPEと相性が悪かった人や、MPEが高価なので導入しにくい人にもお勧めできます。
MPEは一昔話題を呼んだ一方で、操作性の限界等も指摘されていたような気がします。その点で鳴れているMIDIキーボードを拡張するというのは演奏面を考えた一つのユニークな答えかもしれませんね。


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