【Review】Midi Madness「Midi Madness3」レビュー(作曲支援系自動MIDIアルペジエータ、使い勝手、他MIDIアルペジエータとの比較等)
前々から気になっていたのでこの度導入しました。
メーカー情報
引用元:Midi Madness 3
機能紹介
まず、便利なのが、ルーティング不要で、ソフト内でVST等の自前の音源をロードして鳴らすことができる点。
そして、プレイバックはLoopの他ワンショット等も用意されています。
そして、Parametersエリアではまず、Notesでコードやスケールから生成する楽音を設定できます。バーの高さは生成確率。そのため、例えば、モードで特性音を低めに設定することでよりモーダルな雰囲気を強調したり細かく設定できてしまいます。この機能は意外に他の自動アルペジエータにはないので、プラグインに全部お任せの人だけでなくむしろ、音楽理論にある程度精通している人こそ使える機能といえます。
Velocityは生成しうるヴェロシティレンジを設定できます。Octtoveは最大10オクターブで生成可能。つまり、レンジを狭めればフレーズに、広げれば、ゲーム音楽系のアルペジオに変わります。しかもVelocity以外のパラメータは全て生成確率を設定できるので、自動といえども思った通りのフレーズを作りやすくなっているのです。
そのため、3Voiceに時折1-2Voiceを生成するように設定すると和音に合ったおしゃれな伴奏フレーズができてしまいます。これは正直すごいですね。さらにLengthでは生成する音価(4分音符、付点)等を設定できます。そのため、細かいフレーズやゆったりとしたフレーズまでお手の物。
そして最大の魅力がこれらのパラメータを詳細に設定すれば、ほとんどイメージ通りのフレーズができてしまうのです(条件によってかなり可能性が絞り込まれているため)。
そして、生成するフレーズの長さまで設定できてしまう。ちなみに生成ボタンはGenerateをポチっとするだけでどんどん生成できます。そして生成したものはドラッグアンドドロップできる他、Clipとあるようにメモリーに保存することまでできます。
そして最後に極めつけなのが、フレーズにキューポイントを設定して、それぞれパラメータを設定し生成できる点。つまり、1-2小節までGmで3-4小節までCm等のようにコードパターンやフレーズの特徴を部分部分で設定できてしまうのです。スイング機能まであるのでテクノ、RnB、ジャズまで全て可能。これは神がかっている機能だと思います。
さらにリアルタイムライブパフォーマンス機能も搭載されているそうですが(これもすごい機能とのこと)、それは後ほど書くことにします。
評価
私的に自動アルペジエータというと眉唾物であくまで補助機能的ポジションとあまり期待してはいなかったのですが、このプラグインはそういったスタンスではありません。(他の製品の中ではよくわからないフレーズが出てくる等の印象がありました)
フレーズごとにコードやパラメータを設定できるので機械に任せてはいるものの、かなり自分で偶然性を管理できるので文字通り作曲に使えるプラグインです。さらにMIDIなので修正できるため、イメージをこのプラグインで作って、自分の思ったものに変えていくなんてこともできます。
和音だけ鳴らすこともできるのでScaler的な使い方もできるのも強い。
一方で、あくまで自動生成であることは留意する必要があります。つまり、Kirnu「Cream」やPhraseboxのようなソフトとはそもそも別物で、一からフレーズを作ることはできないです。一方これらのMIDI生成ソフトに付いている自動生成とは比べ物にならないくらいカスタマイズ性に優れているので自動といっても制作者の手を離れている感覚はあまりないですね。Midi Madness3は和音がある程度わかっている人ならほぼ皆が使えると思えるプラグインだと思います。
自動MIDI生成系では間違いなくトップクラスに使い物になるプラグインなのでとてもおすすめです。