【Review】SUGAR BYTES「GUITARLIST」レビュー(エレキギター音源、使い勝手、他の音源との比較など)

【Review】SUGAR BYTES「GUITARLIST」レビュー(エレキギター音源、使い勝手、他の音源との比較など)

Sugar bytesというディベロッパーは前々から気になっていたのですが、今回初の強気セールに乗って導入してみました。出回ってる情報も少ないのでまとめておきます。ごっつい使いにくそうなUIで大丈夫かと思いましたが、ドンピシャで使いやすく思った以上の収穫です。

メーカー情報

ギタリストは、エレキギターで演奏されるリズムパートをエミュレートするように設計された仮想ギターです。実際のギタリストは、コードや運指のパターンに関しては非常に高度なカスタマイズが可能で、本物のニュアンスと表現を詳細に制御できるステップシーケンサーシステムに変身しました。

3つの異なるギターが組み込まれています:フェンダーのストラトキャスターとテレキャスター、およびデューゼンバーグスタープレーヤースペシャルが含まれています。Starplayerには、「Bright」バージョンと「Normal」バージョンがあります。これらの美しい6弦のそれぞれは、2,000のサンプルで録音されました。フレットノートとオープンストリングの広範なセットがサンプリングされ、それぞれが数回繰り返されています。「ラウンドロビン」機能は、異なるサンプルの再生を交互に行うことができます。ランダムモードでは、トリガーされたノートの使用可能なプールからサンプルがランダムに選択されます。
特徴
  • 4つのエレキギター
  • Sixstringごとに2,000を超えるサンプル
  • かき鳴らし、和音、歌の構造の制御
  • リアルタイム制御のアクションセクション
  • スライド、ビブラートまたはポルタメント
  • ウォームアンプとダイレクトアウト
  • 10エフェクトとワウペダル&トークモード
  • 個々の弦をミュートまたはデチューンします

引用
Sugarbytes

機能紹介

仕組みを説明するとまず、画面に出ているシーケンサー風画面がギターのパターンのパフォーマンスエディット画面です。上方右向き矢印が再生ボタン。最大16ステップですが1/4-1/32の範囲(3連含む)テンポを変えられるのでかなり柔軟に作れるのがポイントです。トリガーでは鳴らす鳴らさないのON OFFだけでなくトリガーバーの高さがヴェロシティとなっており、かなりニュアンスを付けられます。因みにMIDI鍵盤の音程で通常のヴァーチャルインストルメントとして音を鳴らすということはできません。

そして素晴らしいのがActiveの箇所では鳴らす弦を決められます。つまり、コードだけでなく、アルペジオやソロフレーズが作れるということなんですね。メタルのルート反復等も。
そしてのその下のエリアではステップごとにストロークの上下やミュートデッドノート(ドクロマーク)、ドラッグセクションではシーケンストリガーごとのピッチベンドやヴィブラートの奏法ヴァリエーションが用意されており、設定できます。

ストラムスピードや連続の(ジャジャン)ストロークも設定できストップもできます。これがかなり便利で通常の音源だとキースイッチでいちいち入力するところが一画面でポチポチすればすぐできてしまうのです。ランダムラウンドロビン機能もあるので、機械的なストロークを避けられます。


それでも満足できない人向けに左側のAction Sectionがあります。これは再生中にスイッチを押すことでリアルタイムでエフェクトをかけられるというもの。これは演奏する人向けで、例えば、Stopの右のノブは止まるまでの時間を変えられたりできます。そしてマニア向けにループやハーフタイムさらにはリタルダンド(🐌マーク)まで。こういったところがDJ的アプローチなのか面白さを感じますね。


そして画面中央下のコードセクションではコードワークを決めることができます。どれくらいの長さ演奏するかはRepeatで最大16で設定し(なのでかなり複雑なハーモニーリズムが作れます)、NoteとChordではコードネームを決めることができます。9thまでのコードとSus,Dim, aug等がそろっており、3つのおさえ方が用意されているので、ギターになじみない人でもギターコードが簡単に作れます。(ちなみに競合だとAASはOn Chord対応13thやオルタードまで可能、ujamは1パターンの7th,sus,dimまでくらい)しかし、この音源の強いところはフレットボードにて表示されている音を動かして自分でコードをカスタムエディットできてしまいます。(もちろん開放弦も可能、右クリックでミュートできます。)作ったコードは同じく24個まで鍵盤のキースイッチに格納され、先ほどのコード設定画面にて格納されている番号を設定することで、オリジナルchordが呼び出せます。これは競合する便利系ギター音源にはない強みですね。



また、フレットボードのエディットも便利な機能があり、左右の矢印を押すとおさえている指を平行移動できます。そして、各フレーズそして、このパターンは最大24セット作ることができ、Patternキースイッチとして呼び出せるよう鍵盤に割り当てられています。また、これらのパターンをソフト上で組み立てて再生することもできるのですがそれは後々。

画面右側はエフェクターです。これはワウモジュレーションなどもあって便利ですが、音色を自分で作りたい人もいると思うので、エフェクト切って自前のアンプエフェクト挿すのもよさそうですね。

プリセット

プリセットもかなり充実していてジャンルごとに、インストルメントプリセット、フレーズパターン、そしてコード進行のプリセットが用意されています。ジャズ、ロック、ファンクポップ等網羅的に。単純なループでないものも多く、16小節単位の作り込んだものもあり、結構完成度高いのでこれだけでも使えそうです。


Animation画面では先ほどのフレーズパターンのシーケンサーに対し、それぞれの弦の音を上下3フレット分まで音程を変更できるようになっています。つまり、ノンコードトーンの音が使えるのでメロディが作れるということですね。これは多少慣れとコツが要りそうですが、応用が利く機能でありがたいですね。因みにコピペもできます。

フレーズビルディング機能

ここまででかなり使える音源だと思うのですが、筆者が最もあるとうれしいと思っていた機能が搭載されていました。Song機能では先ほどの24まで格納できるフレーズパターンを組み立ててパターンをビルドできるようになっています。Repeatでは最大16小節まで(つまり32小節のフレーズの場合2ステップ使います)各フレーズの再生する小節数を決められます。単純計算で256小節作れるので、これだけで楽曲のギター伴奏全部作れるようになっているのですね。



また、これらのフレーズはMIDIエクスポートできます。(MIDIファイルエクスポートも可能)

評価


まずおすすめしたいのがギター以外の楽器を演奏する人はかなりおすすめです。この音源ならば、おさえ方のヴァリエーションも選べるだけでなく、自分で作ってもフレットが出てくるので無茶なヴォイシングや不可能なハーモニーを作ることを避けられます。同時に使っているとギターの仕組みがわかってくるのも◎ですね。
フレーズを勝手に演奏してくれるという点ではujamやAASのギターもありますが、Sugarbytesはエディット性の高さと簡単なフレーズ作成機能が最大の売り。また、フレーズを面倒なキースイッチ入力だけでなく、ソフト上で完成させられるのがうれしいという人も多いのではないでしょうか。(筆者はこちらの方が使いやすいと思います)ビートマシンなどの電子楽器的アプローチに慣れている人には使いやすい楽器だと思います。
なお容量がやや軽め(独自圧縮規格(?)で約1GB)ことですが、エレキ系はアンプ性能の方も関わってくるので問題ないような気もします。そして、マニア向けのタイムストレッチ系パフォーマンススイッチもなかなか楽しい実験的クリエイティブなことができそうです。
便利なだけでなく、カスタムエディットによる拡張性も備えた使える音源でした。


現在破格のセールが実施されています。
Guitarist

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