【Review 】Sonoma Wire Works「DrumCore 4」(巨大フレーズライブラリ搭載型ドラム音源・使い勝手、評価等)

Sonoma Wire Works「DrumCore 4」(巨大フレーズライブラリ搭載型ドラム音源・使い勝手、評価等)

とても気になったのですがほとんど日本では情報がないのでどんなものかと思い導入しました。
まず、メーカー情報から。

メーカー情報


DrumCore 4は、有名なドラマーによる感動的なパフォーマンスの24ビットオーディオおよびMIDIドラムループと、そのマルチスピードサンプリングドラムキットを備えた仮想楽器です。改善されたブラウザーと検索、64ビット互換性、挿入効果のあるミキサービュー、ループを組み立てるための曲のタイムライン、プレビュー付きの統合ストアを備えたDrumCore 4は、ソングライター、作曲家、ミュージシャン、プロデューサーに最適なツールです。

 


有名人のドラマーによるロイヤリティフリーのドラムループ(さまざまなスタイルでテンポ調整可能なGrooveSetとして提供)を使用するか、MIDIマップおよびカスタマイズ可能なドラマーのキットを使用して独自のグルーブを作成することを選択して、DrumCoreを使いやすくします外部コントローラー付き。MacとWindowsで最も人気のあるレコーディングアプリケーションのトラックにグルーブをドラッグアンドドロップします。

グレード情報

このドラム音源はLiteとPrime、そしてUltraの3段階のグレードが用意されています。





各ヴァージョンの違いは収録されているライブラリキットの量が異なるだけでその他の機能はどのヴァージョンにも搭載されているのが大きな特徴です。Liteでさえ4GB、2200のフレーズが用意されています。標準グレードのPrimeになるとヴォリュームが大きく変わって20GB、104のドラム音源キットが用意されフレーズ数はなんと12000にもなります。因みに何が収録されているかは公式ページで調べられます。


搭載されている機能


この音源は通常のGM配列のドラムキットにその上のハイレンジにパーカッションが収録されているキットが用意されており、通常のドラム音源として使うこともできるのです。ドラム音源それぞれのアーティストのオーディオによるフレーズで収録したドラムキットが音源として用意されております。
このようにジャンルごとにアーティストがデータベース化されております。
また、拍子やスイング等を絞り込んだり、
キットの特徴やスタイルの特徴等のタグで絞り込むことも可能(これに関しては一覧のプルダウンではなくもっと分類を整理して欲しいですね、さらなる良データベースへの改良の余地はありそうです)。

そしてフレーズライブラリが少し変わっていて、オーディオサンプルによるものとドラマーの演奏を収録したMIDIによるものの2種類が用意されています。オーディオサンプルはプロの演奏による空気感やライブ感をそのまま使う場合、MIDIは自分でフレーズを修正したり、キットを変えたりカスタマイズ性に優れています。どちらもテンポ同期されていてどのテンポでも合わせてくれますが、もちろんオーディオの場合、倍速等、極端なテンポの違うものは違和感のあるものになります。MIDIの場合は問題なし。




ちなみにオーディオサンプルのフレーズで使用されているキットは基本的にすべて用意されているのですが、(当たり前といえば当たり前ですが)同じキットを用いたオーディオサンプルとMIDIフレーズをそのまま並べると残響等が異なるので違和感があり、調整が必要です。キットはLiteヴァージョンでも電子ドラムが入っており、ジャズやメタルヒップホップ等併せて11のドラムキットが用意されています。

その上のヴァージョンになると数え切れないくらいのキットが用意されているので、キット選びには困らないかと思います。なおどちらかというと電子ドラムは圧倒的に数が少ないので(あるだけうれしいですが)、基本的に生ドラムの音源がメインです。

ジャズのブラシ奏法もストロークはオーディオとして用意されています。ブラシヒットキットもあります。またヒップホップのようなLOFI風のキットも多いです。音質に関しては問題ないレベルですが(マルチレイヤー対応)、もちろん100GB越えのドラム音源のような超最高音質みたいなものとは違います。音質を極めるというよりはリアルな演奏で攻めるタイプの音源です。動画等でおおよその音の感じを確認してみるとよいかと思います。

ドラムパフォーマンスのデータベース

アーティストごとにデータベース形式で分類されており、ジャンルごとに絞り込んだり、ビートの特徴やキットの特徴ごとに絞り込むことができます。ジャンルはLiteヴァージョンでさえもロックやポップ、ジャズ等多岐にわたっています。
フレーズライブラリは単独購入することもでき、そのジャンルはディスコからエレクトロ、メタル、RnB、レゲエ、ジャズ、ビッグバンド、ファンク、プログレ等、全てのジャンルのフレーズが用意されています。ボサノヴァ等も。ここまで徹底したライブラリは他のドラム音源ではみられない強みです。

特にジャズの複雑なフレーズ等がきっちり用意されているドラム音源は珍しいので大変貴重。民族楽器が収録されたラテンキットが入っているグレードもあるので、かなり強力です。フレーズはこのようにFillとループで色分けされております。

これらのフレーズはプラグイン上のシーケンスレーンにロードし並び替えてオーディオ出力できるほか、ドラッグアンドドロップでDAW上に投げることができます。そして面白いのはMIDIフレーズの場合、あるアーティストのあるジャンルのフレーズを他のアーティストのドラムキットで演奏する等のことができるのでかなり応用性が高いです。例えば、電子ドラムでスウィングファンクのフレーズを演奏するなど可能性がかなり広がります。



エディット機能


ドラムキットのエディット機能が意外に充実しています。このようにヴェロシティレイヤーを調整し、ADSRやレイヤー配置を調整することができます。また、自前のサンプルもロードでき、ヴェロシティの上限なく(5つ以上でもロードできたので恐らくですが)自前のサンプルを追加することができます。一般的なGM配列だけでなく、その上のレンジにパーカッションも多数用意されているので、通常のドラムキットより収録音色が多く、オリジナルのヒットをロードすることで、My kitを作ることができるのはなかなか面白いです。

ミキサー画面。以下のように出力が分かれており、楽器ごとにどのチャンネルに出力するか決めることができます。チャンネルごとのエフェクトも用意されています。チャンネルごとにどのエフェクトがインサートされているかはチャンネルごとの4色のランプでわかります。


エフェクトも意外に充実しており、マルチバンドコンプレッサーの他EQその他ディストーションやリバーブなどのエフェクトが用意されています。アナライザーがついているのでもちろんこのプラグインで完結することもできるようになっています。(EQがやや使いにくいのでDAW上で処理する方が良いかもしれません)また、ドラムキットごとのマルチバンド出力も可能。エフェクトに関しては普通だと思います。

評価


やはり各ジャンルの専門的なドラマーによる演奏が収録されているのでリアルなグルーブがそのまま使えるのが強みです。イメージとしては各ジャンルの専用ドラム音源が用意されている印象。使いこなせる人は圧倒的に制作の幅が広がるドラム音源だと思います。

また、慣れないジャンルの開拓にもピッタリ。さらに拡張ライブラリも大変充実しているので、買い足すことで変拍子のパターンやアフロキューバンまで対応できるのは流石。そしてMIDIの場合ドラムキットとスタイルをカスタムチョイスできるのでジャンルを融合させた未開のビートが作れるのも面白いです。

また、MIDI出力ができるので、単にMIDIライブラリとして使って持ち前のドラム音源で鳴らすということができるのもかなりうれしいところ。

ライブラリが充実しているのでかなりかっちり音楽制作をする人にとってはかなり魅力的だと思います。また、Liteヴァージョンであってもかなり充実しているので、サブドラム音源として持っておくのも悪くない選択肢です。私はセール時にLite購入しましたが(のちにグレードアップしました。)、機能が変わらないLiteのこの価格でこのヴォリュームとクオリティはなかなかすごいと思います。ちなみに本家ではアップグレード価格が用意されていますので後からグレードアップもできます。

一方、ライブラリ自体は大変洗練されていて使いやすいですが、エフェクトがもう少し使い勝手が良くなり、魅力的なUIになるとなおよし。まあどの音源もあまり内蔵エフェクト使わないので私的にはほとんど問題ないです。
ドラムキットの選択がプルダウンで長大になりやや使いにくいのはアップデートに期待ですね。

あまりセールをやらないディベロッパーのようですが、まだセールしているようです。

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