【Review】sonible「smart:reverb」レビュー(機械学習機能搭載型リバーブ、使い勝手、評価等)


【Review】sonible「smart:reverb」レビュー(機械学習機能搭載型リバーブ、使い勝手、評価等)

sonibleの機械学習系が気になっていたので導入しました。

メーカー情報

smart:reverbは、入力マテリアルの個々の特性に合わせて処理を調整することにより、カスタムメイドのリバーブを提供し、ナビゲート可能な範囲のスタイルを最初から作成します。ワンクリックで、smart:reverbはソース素材をすばやく分析し、すべてのリバーブを最初から作成します。リバーブを入力信号のスペクトル特性と時間特性にカスタムフィッティングすることにより、共鳴の乱れや濁ったリバーブテールなどの一般的な問題が最初から回避されます。

音響心理学の原則と広範な実践的なミキシングの経験に基づいて設計されたAIベースのコンテンツ認識システムであるsoniblesmart:engineは、smart:reverbの内部動作を強化します。smart:compおよびsmart:EQ 2と同様に、このインテリジェントプラグインには、smart:engineの処理を入力信号にプライミングするためのさまざまなオーディオソースのプロファイルが装備されています。



smart:reverbは、完全にパラメーター化可能なリバーブの柔軟性と、コンボリューションリバーブの透明性と音の完全性を組み合わせたハイブリッドプラグインです。オーディオプラグインには、リバーブの時間とプリディレイを変更したり、リバーブの幅を広げたり、明瞭さを増したり、色を変更したりするオプションがあります。さらに、smart:reverbには、サウンドデザインのためのサウンドレイヤー機能が含まれています。


主な機能
  • わずか数秒でカスタムメイドのリバーブ。
  • さまざまなスタイルのリバーブマトリックス。
  • リバーブの解剖学的構造のインタラクティブな表現。
  • 最大減衰制御のための時間および周波数依存の調整オプション。
  • 適切なサウンドを設計するための時間依存の広がりと密度の制御。
  • サウンドをレイヤー化するためのInfiniteやFreezeなどのクリエイティブな機能。
  • リバーブの幅、色、明瞭さのための信号適応コントロール。
  • EQをプレフィルターして、信号をすばやく整形します。
引用: smart:reverb

機械学習機能

ワンボタンでオーディオ解析が始まります。精度を高めるためのUniversal(オーディオ全般)、ドラム、スネア、ボーカル、ギター等の解析モードが用意されています。どうやら公式でもまず最初に解析するところから始めることを推奨されているとのこと。

というのもこのリバーブかなりいじれるパラメータが結構多いのです。プリセットはなく、オーディオベースの解析からスタートすると使いやすいように設計されています。

機能紹介


画面、右下の折れ線グラフは、ディケイ、スピード、密度を設定できます。右上の画面は周波数帯域と時間軸のグラフの中でディレイタイムを細かく設定できます。画面に映る粒の大きさがリバーブがどの帯域にどの時間に集中しているかリアルタイムで表示します。

折れ線が全て表示されているのでイメージしやすいようになっています。左下のノブはリバーブ時間とプリディレイの設定。フィルターやアンビエント系レイヤー向けのフリーズ機能も搭載されています。

そして、便利なのが、リバーブマトリックス機能。これは、グリット上の[自然]、[人口的]等のサウンドの特徴に合うように前述のパラメータを動かしてくれる大変便利な機能。
また、ステレオ幅やトーンカラー、明瞭度といったリバーブを使う上で必要なパラメータがきっちりと用意されているので最短ルートで理想のサウンドに近づけるのに最適化されています。

評価


もちろん機械学習機能も優れていますが、このリバーブはそれだけでなく、リバーブの絶妙な調整がしやすいのが最大の特徴。プリセットベースだとぴったりな残響の度合いを調整するのに時間がかかりますが、このリバーブの場合解析した後、少しいじるだけで良い塩梅のヴァリエーションに行き着くことができるのが利点。XYパッドは用途に応じてぐりぐり動かすだけで理想のサウンド二近づけることができるのでかなり便利ですね。

また、複数のパラメータを一グラフの集結させている点やリバーブイメージが表示される点も他のリバーブよりわかりやすい仕様になってます。ただパラメータが充実しているので使い慣れている人も満足できるような設計になっています。リバーブの場合トラックにいくつも挿すといったこともないので、機械学習に合っているのか、かなり高精度に提案してくれる印象があります。
創作系エフェクトとして使えそうなものははそこまで多くないので、どちらかというとインストやヴォーカル等、正統派の音楽作りに最適だと思います。iZotopeと同様、しっかりとした好みのミックスを作るためには機械学習のみで終わらせることは難しいですが、リバーブという全体にかけるという性質上、提案された後はEQコンプのように試行錯誤することなしに、ほとんどの場合微調整で済むのがやはり便利です。最初にいろいろプリセットを探すこともないのも便利。(私の環境では主力リバーブになりました。)
とりあえず挿して、解析して、パッドとリバーブ時間をいじるだけで大抵片付くことがほとんどだと思います。


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