【Review】FXpansion「Geist 2」レビュー(高機能ビートシーケンサー&スライサー、機能、使い勝手など)

【Review】Fxpansion「Geist 2」レビュー(高機能ビートシーケンサー&スライサー、機能、使い勝手など)

Fxpansion「Geist 2」レビューです。歴史の長いソフトですが、意外に情報が多いとは言えないので機能等をまとめて紹介します。

メーカー情報


Geist2は、ビートの作成とサウンドの彫刻のための合理化された環境であり、作品に即座のインスピレーションと新しいアイデアを提供します。直感的で高速なワークフローのために、深いサンプル操作、配置、および変調機能を組み合わせています。Geist2は、創造性を妨げるものが何もないように設計されています。
特徴 
  • パッドに直接サンプリングし、ループをスライスし、ビートを直感的にシーケンスし、前例のない速度でサウンドを操作します。
  • シーンとレトロキャプチャパフォーマンスをトリガーして、レコーディングプロセスからプレッシャーを取り除きます。
  • 個々のトラック長、イベント確率、新しいTransModモジュレーションシステムを使用して、進化するポリリズムビートを作成します。
  • 再加工されたベクターインターフェースは、ニーズに合わせてサイズ変更、再スケーリング、再構成できます。
  • 回路モデルのフィルター、新しいエフェクト、ループポイントモジュレーション、長いループをスライスするための64個のパッドなど。
  • 本格的なオールドスクールクランチのためのビンテージサンプラーエミュレーションモード。
  • あなたの創造性を刺激する高品質のサウンドとループ。
引用:Geist 2

機能紹介

一見するとどんな機能のソフトなのかわかりにくいですが、どのようなソフトで何ができるかを簡単にまとめると、
①64のサンプルがロードできるパッドが用意されたドラムマシン(サンプラー)
②ロードするサンプルのスライス機能
③最大1024ステップのシーケンサー、ステップごとにパンフィルター等のパラメータを設定可能、LFO
④24のパターンを格納するメモリ機能
⑤レイヤーは8つ(つまり64パッド×8)、それぞれ独立して64のサンプル(マルチレイヤー対応)がロード可能
⑥レイヤーごとのエフェクト機能
⑦作ったシーケンスパターンを組み立てるソング機能

とおおまかにはこんな感じとなっております。デフォルトのサンプルやプリセットも用意されていますが、自前のサンプルを投入するとやはり可能性広がります。

デフォルトのファクトリーライブラリーが約3GB用意されています。それにはDnBやDub等各ジャンルのドラムループやシンセ、ベース等のループやワンショットが大量に用意されています。それぞれのサンプルはGeistに最適化されています。具体的に言うならば、後述のオートスライス機能に対応しており、ロード時に瞬時にスライスしたサンプルをパッドに割り当てられるだけでなく、サンプラーにロードした際にスライス時に生じうるノイズが生じないように処理されています。(自前のサンプルの場合、クロスフェード機能等もよういされていますが切り方によっては通常のサンプルと同様プチっと入ります。)

この時点で如何にすごいがわかると思います。まず驚くのが使用できるシーケンスレーンの数。パッドの数分あるので、64レーン×8レイヤー。ステップも無数に用意でき最大1024ステップと作れないビートはまずありません。シーケンス内のノートは長さを変えられるあたりはDAWと使い方は同様ですが、クリックした状態でドラッグするとノートを埋められたりとかなり使いやすく操作性が◎。

似たようなプラグインで人気のiZOTOPE「BreakTweaker」がありますがあちらは6レーンです。レイヤーは上部のデフォルトで数字の書いてある丸いアイコンを押すことで切り替えられます。また、MIDIパッドと同じ要領でパッドをたたくことで鳴らすこともできるので、MIDI録音もできます。


このようにシーケンスのステップごとにパンから始まりヴェロシティ、オクターブ、ピッチ、逆再生(画面▲印)まで様々なパラメータをそれぞれ調整できます。ドラッグすることですすっと描けるので棒グラフは便利ですね。願わくばこれらのパラメータが一画面で見られるとよかったですね。また、ステップごとの再生位置を数値分微調整してずらすパラメータもあり、これは自然なビート作りに重宝します。作ったフレーズを複製してヴァリエーションを作ることも簡単です。




また、右下のサンプルエディット画面にみられるようにそれぞれのパッドはマルチレイヤー対応なので、かなり音作りの応用性が効きます。パッドのサンプルに対するチューニング処理などはおおよそ通常のサンプラーと同様です。

LFOや複雑な数学演算処理、シーケンサーなどがかなり充実していて、フリーエンベロープ等もあります。16スロットプラスαが用意されているので相当複雑な処理も可能。



スライス機能はスライスポイントを決めてサクサク切っていくと極めてシンプルですが、自動でスライスしたサンプルをパッドに割り当ててくれる機能が結構便利ですね。ビートのトランジェントを自動で解析してそれに応じてスライスのキューを付けてくれるようです。

パッド画面ではどのエフェクトあるいはパラメータが有効なのか青色のボックスで瞬時にわかるようになっています。
ソング機能は先ほどまで作った最大24のシーケンスパターンをブロック化し、組み立てることによってフレーズをビルドすることができる機能です。レイヤーごとにパターンを組み立てられるので、ほとんどDAWのリージョン感覚で組み立てられるのがとっても便利です。ドラムトラックはもちろんシンセのメロディやその他のセクションを組み立てることでおおよそ楽曲全体が完結します。


評価


ソング機能が結構直感的に作れて(ドラッグでリージョンを設定し、その後呼び出すパターンを選びます、ソートでも変えられるのがリアルタイムで試行錯誤できて便利)好印象です。似た製品だとWaveDNAのRequid Rhythmも似たようにフレーズをブロックに入れて組み立てていく感じですが、あちらはよりざっくりとしたフレームワークから骨組みを具体化していく単位が細かく短い単位でフレーズの制作に便利だと思います。(インスピレーションがわくようなフレーズヴァリエーションレファレンス機能など)
 
 Geistはインスピレーションをソフトが刺激するのではなく、完全に制作者に創造力を委ねています。その代わり、制限なくとことん直感的操作で作ることができるので、自然とひらめきが得られるというプラグインです。そのため、ある程度作り慣れている人にとってはいろいろなことができるのでストレスフリーで制作できるという利点があります。
シーケンサーの機能が優れていて、感覚的にノーストレスでスタッター等のエフェクトを付けられるのが素晴らしいですね。また、ビートだけでなく、メロディなどのサンプルをスライスしてシーケンサーに乗せて、パターンをソング機能で組み立てることでソフト内でフルトラックが完成するのも見逃せません。
サンプルをしっかり持っていれば、ドラム音源が要らなくなるくらいには多機能極めるモンスター系サンプラーの紹介でした。

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