【 Review 】UJAM「beatmaker KANDY」レビュー(フレーズライブラリ搭載型ビートマシン、使い勝手、他のUJAM製品との比較等)


【 Review 】ujam「beatmaker:KANDY」レビュー(フレーズライブラリ搭載型ビートマシン、使い勝手、他のujam製品との比較等)

beatmakerからのクロスグレードで安かったので「beatmaker:KANDY」を導入しました。早速レビューしていきたいと思います。

まずメーカー情報から。

メーカー情報

KANDYは最先端のバーチャルビートメーカーであり、ビルボードチャートの上部に非常に処理されたサンプルと最先端のサウンドデザインを採用しています。現代のAリストポップミュージックの全帯域幅のビートを簡単に作成できます!


何が入ってるの?

  • 20のスタイル、50のプリセット
  • 10ドラムキット、460パターン
  • MIDIドラッグアンドドロップ
  • 特別な制御:甘さのアルゴリズム
引用元:ujam

基本的特徴

仕組みは知っている人も多いとは思いますが軽く触れておきます。
ujam beatmakersシリーズはGM配列風のドラムキットエリアに加えてプリセットごとにC3からの音域にキースイッチが用意されており、入力によって内蔵されているドラムフレーズを再生することができます。

さらに、黒鍵に用意されたFillを入力することでFillを挿入することができるという使ってみるとかなり便利なシステムです。また、最近リリースされたbeatmakerシリーズには鍵盤上のスイッチをドラッグアンドドロップすることで、内蔵されているドラムパターンをMIDIデータとして、DAW上に出力することができます。




この音源ならではのパラメータについて触れておくと画面左のSweetnessノブではかけるとタイトなサウンドになる印象があります。コンプ的な処理なのでしょうか。
右のBeat Intensityはフィルター的なパラメータ、そしてMixでは様々なミックス処理及びFX処理がかあかり、Amountで調整することができます。結構スペース系のクリエイティブな効果もあり面白いです。

その他鍵盤下のノブは見てわかると思うので割愛。ちなみにプリセットごとのバスドラム等の各キットは、それぞれ独立して別の音源に変えることができます。


音色・音源の特徴等・評価


音色は909, 808等、歴代のビートマシンを思わせるようなキットが多数用意されています。パーカッションの電子音あたりはあのハードウェアに入っていたものではないかと気付くようなものも。またパーカッションはシェイカーや金属質なパーカッションも用意されています。

また音色としては所謂テクノ系のものから、ヒップホップ系のダーティなもの、そして一部ハードコア系の歪んだキックのものもありますが、基本的にハードなものはほとんどないと考えてよいでしょう。基本的に電子ドラム風なものが多い印象ですが、ハット等は生を使ってそうなものも。音立ちはクリアなものが多く即戦力なあたりは流石のujam。ミックス済みということだと思いますが、オケに混ぜてもきっちりとビートが浮き出てくるようになってます。(ノブの調整で控えめにすることも可能です。)




また、ヒットチャート常連のナンバーにあるようなパーカッションの入ったフューチャー風のキットもあります。ただし全体的にキックパターンはモダンなものも多いので、古い印象は受けないです。

恐らく聴いたことのない音色はほとんどなく、真新しいものに追求したというよりは使えるものを厳選して作られた音源であるという印象。ujamらしさというよりもリスナーになじみのあるものがコレクションされている印象。

他のujam beatmakerシリーズと比較して癖の強さがなく、汎用性が高い音源です。例えば、前回リリースされたHypeはかなりダンスミュージックに限定されていますが、この音源はポップスからヒップホップその他ジャンルまでまでかなり幅広い守備範囲です。
商業音楽系の人にはうってつけのドラムではないでしょうか。