ROLI「Equator2」レビュー(MPE対応シンセサイザー・機能、使い勝手など)


ROLI「Equator2」レビュー「MPE対応シンセサイザー・機能、使い勝手など」


気になったのでROLI「Equator2」を導入してみました。搭載されている全機能を網羅敵にみていきながらレビューしていきます。
まずメーカー情報から簡単に。

メーカー情報

Equator2は、ROLIの革新的なMPEシンセサイザーであり、次のレベルに引き上げられました。現代の合成技術、エフェクト、モジュレーターの膨大なコレクションを使用して、想像できるあらゆるサウンドを作成およびスカルプトします。プリセットの広範で多様なライブラリ、および注意深く記録されたマルチサンプルを探索してください。Equator2で表現力豊かなサウンドデザインの限界を押し広げましょう。




特徴
  • 1300を超えるプリセット-530のMPEプリセット、および従来のコントローラー用に構築された848が含まれます。
  • 波形-244の新しいウェーブテーブル、5 VAの波形、44のデジタルEquator1波形、220のバリエーションとアーティキュレーションを備えた42の新しいマルチサンプルインストゥルメント、および独自のサンプルの簡単なドラッグアンドドロップ。
  • 6つの柔軟なソース-4つのソースタイプ(ウェーブテーブル、グラニュラー、マルチサンプラー、ノイズ)の最大6つのインスタンスから選択します。
  • 広範なモジュレーション-5つのエクスプレッションカーブ、5つのLFO、2つのマルチモッド、5つのエンベロープ、4つの数学および4つのランダムモジュール、および直感的なクリックアンドドラッグモジュレーションシステム。
  • クリエイティブエフェクト-12の完全に柔軟なスロットと15のプレミアムエフェクト。
  • ルーティング-フィルターとエフェクトを介した複数の信号ルーティングの可能性。

Equator2の機能

ROLI「Equator2」はまず、必ずしもMPEコントローラ必須の音源ではありません。MPEというのは比較的最近登場したMIDI POLYPHONIC EXPRESSIONという新しいMIDI規格です。

そして、MPEコントローラというのは従来のMIDIコントローラからさらに発展して、音ごとのヴィブラート等のMIDIパラメータを繊細に制御できるMIDIコントローラなのですが、このシンセサイザーの場合、それなしで、普通のシンセサイザー音源として使っても満足できるくらいのスペックを備えています。

ただし、MPEコントローラがあるとさらなる境地につながります。ちなみにシンセサイザー内はに搭載されているヴァーチャルキーボードはMPEとMIDIの2パターンがあるので、持っていなくてもMPEの雰囲気はつかめます。

参考:
Seaboard Block Studio Edition etc..

まず、前のヴァージョンと比べて音源数が圧倒的に増加してます。1は1.3GBに対し、2になると6.5GBに。

そして、音色は244の新しいウェーブテーブルの他、ピアノ、ギターなどのアコースティックなサンプルも多数収録。530のMPEプリセット、および従来のコントローラー用に構築された848が含まれております。

プリセットはデータベース形式になっており、MPE用、通常MIDI用、また、音色やアーティキュレーション等から分類できます。これはありがたい。音色が増えれば増えるほどこれは必須だと思います。

例えば、ピアノでは複数の機種のエレクトリックピアノの楽器プリセットも充実しており、普通の巨大ライブラリとしてみても大変優秀です。

まずメイン画面。波形を囲んだ6つのスロットにはウェーブテーブル、サンプラー、グラニューラ、ノイズのモード中から選んで発信させることができます。ここら辺はモンスターシンセ感出てますね。

OnOFFで使うスロット数は切り替えられます。そのためサンプラースロット6つ、等もできます。


そして、画面下部にはエンヴェロープ5つとLFO5つに加え最大32グリッドのマルチモジュレーションが2つ用意されています。

サンプル編集画面。スライスその他複数の作業が細かくできます。ウェーブだけでなく、サンプルに対してもいじれるのがこのシンセサイザーのひとつのポイントです。





波形編集画面。FMやRINGモジュレーションによる変調も可能。また、フィルタータイプが十数搭載されています。


波形はこのように分類されています。

さらに、オリジナルWAVETABLE波形のドラッグアンドドロップによるロードも可能なのはうれしいところ。因みにサンプルでも同じ機能が備わっております。好きなサンプルでも波形でもロードできてしまうのはなかなかな応用性があります。


画面中央のMOD PANELSエリアではMPEと通常MIDIのパラメータ切り替えができます。MIDIではおなじみのMODホイール等のパラメータが設定できます。つまり、MPE対応はしていますが、通常MIDI規格でも不自由なく使えてしまうシンセサイザーなのです。


Routing画面ではSerial、パラレル等、フィルターのルーティングタイプを設定することができます。

エフェクト画面では、複数のエフェクトを選択して、スロットに搭載していき、自由にルーティングすることができます。


このようにスロットを選択して好きなエフェクターをロードします。



そして、このシンセサイザーのハイライトともいえるのが無制限に各パラメータをルーティングして変調することができる機能。

このように先ほどまでの画面にあるマクロ以外の全てのノブに対し、右クリックでLFOやアフタータッチなどのパラメータを用いて複数の変調のルーティングをすることができます。任意に選んだ複数のパラメータを動かす、マクロコントロールもあります。XYパッドによるブレンドが可能。


これにより圧倒的複雑なサウンドを作ることが可能になります。

そして、MIDIはもちろん、MPEコントローラで得られた情報をすべてのノブに対して割り当てられるので、繊細なコントロールができてしまうということでした。MPEパラメータである「Strike」「Glide」等のパラメータデータをノブに適用させることで、繊細な操作が可能に。




例えば、MPEプリセットのピアノプリセットの中には一見ピアノサウンドなのに、テルミンの様に滑らかなグリッサンドができたりと面白く可能性を感じます。

ちなみにライブ用を想定しているからなのか、変調で複数のノブをうねうね動かしてもそこまで重くならなかったです。

まとめ


総合的にみれば、サンプルライブラリとしても優秀で、様々な方式の機能が搭載されているシンセサイザーとしても優秀な使いやすいシンセサイザーという印象でした。
Serumのように特定の方向性やジャンルに偏っているということもないので、エクスペリメンタルから、ダンスミュージック系、通常のポップスまで幅広い用途で使用できる良シンセでした。グラニューラ機能等があるのでごりごりのエクスペリメンタルにも良さそう。

特に生音源系をシンセで複雑に加工できるのは面白いですね。アコースティック楽器を元にして通常のインストルメントパートの制作をしながら、アクセントでクリエイティブなMPE感を出していく人にはたまらないかもしれません。

MPEがなくても問題ないレベルのハイレベルのシンセでした。なくても問題はないですが、(持っている人が多いと思いますが)MIDIコントローラはあると便利だと思います。MIDIコントローラでも十分色々なパラメータをリアルタイムで操作できます。MPEコントローラ持っている人はもはや迷う点はないと思います。

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