Rast Sound「Master Shakuhachi」レビュー(尺八音源、使い勝手、他音源との比較等)


Rast Sound「Master Shakuhachi」レビュー(尺八音源、使い勝手、他音源との比較等)


尺八音源であるRast Sound「Master Shakuhachi」は前々から気になってはいて、前回のセール時に導入したのでレビューします。恐らく、初レビュー記事だと思います。
まずはメーカーの載せている基本情報から。

日本の福田輝久師匠と共に録音されたこのユニークな尺八ライブラリーは、6つのアーティキュレーション、豊富な珍しい演奏とパターンを備えたソロ楽器を提供します。KontaktおよびWAV形式で利用できます。

特徴
  • KONTAKT&WAVの場合は814 MB
  • 250以上のサンプル
  • キースイッチを使用した6つのソロアーティキュレーション
  • パターン-フレーズ-パフォーマンス
  • 追加のスタイルと効果
  • Kontaktフルバージョン(5.8.3以上)

動画のインパクトがまずすごいですね。

機能紹介


この音源にはソロアーティキュレーションとして「ビブラートサステイン(2,5オクターブ)」「サステイン(2,5オクターブ)」「スナップスタッカート(2オクターブ)」「スタッカート(2オクターブ)」「ノイズサステイン(1.5オクターブ)」「トリル(1.5オクターブ)」の6つのアーティキュレーションが用意されており、それぞれ黄色と赤のキースイッチで切り替えることができます。噪音奏法が入っているので切れの良い尺八サウンドも可能。



また、画面中央のプルダウンを開くとグリッサンドや、その他の特殊な奏法が収録されています。セミシフトは隣音(ドレド等)のフレーズが収録されています。


また、ループや即興等のフレーズが大量に収録されているのも大きな特徴。どれも一度は聞いたことのあるようなThe尺八なフレーズが大量に収録されているので、ピンポイントに挟むことで尺八感を倍増させることができます。なんとLong Walkには1分近くある長大なフレーズも収録されています。もちろん短いフレーズもあるので様々な形で組み合わせられます。

画面下にリバーブやディストーション等のエフェクトがみられますが、これはどれも標準的。


音色や使い勝手の総合評価


そもそも尺八音源自体が少ないですが、Kontakt標準装備の尺八よりも断然良いです。あちらは単一の奏法しかないだけでなく、サウンドが西洋音楽的というのかフルート的なのですが、こちらのの音源は奏法が多数収録されているだけでなく、かなり日本的な音程の絶妙な使い方が表現されています。

他に専用音源としては「SHAKUHACHI PREMIER G」「Sonica Instruments SHAKUHACHI」等がありますが奏法に限って言うならば、あちらの方が楽器演奏者の吹き方の具合を細かにコントロールする機能などもあるため、もし尺八の専門知識がある人や日本伝統音楽系統の人ならばそれらを選んだ方が良いと思いますが、如何せん価格が全然異なります。

というのも、専門知識がないとそもそも使いこなせないような機能があったり(私も吹けません)、いい感じに日本風であれば問題なしのニーズの方が圧倒的多数なのが実際のところだと思いますので、「Master Shakuhachi」は手軽に風情のある和風のサウンドが作れるという点が魅力です。
また、公式デモでのトラックにみられるように長大なフレーズのループも含まれているので、ダンスミュージック等にも応用できます。トラップ等のビートメイクの隠し味にも最適です。ここら辺の仕様は海外的な視点が含まれている気がしますね。

また、こちらは奏者が優れているのでサンプル自体のリアルさといえばかなり高く評価できると思いますね。まず、若手ではなく、福田輝久氏による大御所さんの演奏ということで味が強烈です。尺八はマスターするに数十年かかる奏法があるほど習得の難しい複雑な楽器なのですが、やはりそうした奏者が誰かという色眼鏡を抜きにしても、雰囲気の出ているサウンドであることは間違いないでしょう。(ピアノ等と異なり、尺八等の伝統楽器の音源はまず自前の楽器がそれぞれ異なり、音の出し方や腕で楽器が別物になってしまうので、ある程度このような楽器類を知っている人はわかるとは思いますが、単純な機能で比べるのは慎重になる必要があります。)

また、フレーズが大量に含まれているので、打ち込みで作っていくところとフレーズのパッチワークで作っていくところを混ぜることでかなり高度な演奏が可能になるのも魅力的です。フレーズの多さという点では前述の音源よりもこちらの方が多く収録されています。

少し惜しい点を挙げるならば、レガートに関する特殊なスクリプト機能などが備わっていないので、もしかなり早いフレーズを打ち込むには細かな一工夫が必要かもしれません。(ベタ打ちをするとフルート風になりがち。)
それでも、価格が安めに設定されていることを考えれば、かなりコスパの良い本格派音源であることは間違いないでしょう。

時折セールで半額になったりするので、チェックしてみてください。

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