Aria Sounds「London Symphonic Strings」レビュー(ストリングス音源・使い勝手、他音源との比較等)

Aria Sounds「London Symphonic Strings」レビュー(ストリングス音源・使い勝手、他音源との比較等)


流石に安すぎるので速攻でAria Sounds「London Symphonic Strings」を導入しましたのでレビューします。

まずは基本情報から。

メーカー情報

「LondonSymphonicStrings」には、美しい響きのホールで4つのマイク位置(Close、Main、Rigs、Room)で24ビット/ 48kHzを録音した標準の5セクション弦楽アンサンブル(Violins 1、Violins 2、Violas、Cellos、Basses)が含まれています。各セクションには最大3つの動的レイヤーがあり、ノートごとに最大4つのRRがあります。弦のセクション全体が正しいオーケストラの座席位置に記録されているため、ライブラリをロードすると、プレーヤーが従来どのように座っていたかに応じて、各セクションがステレオイメージに正しく配置されます。各セクションに複数の真のレガートパッチが含まれており、リアルなノートトランジションを提供します。



まず驚くのが容量。なんと総容量42GBにもなっています。Violin(1st、2nd)、Viola、Cello、Bassと収録されております。

音源の性能・機能


4マイクで録音されており、ブレンドミックス可能なのでオケのサイズや距離感を微調整できます。
また、マイキングが通常オケの配置で収録されているので、複雑なパンニングなしでオーケストラになるのも利点。

他の音源と少し違うのが、奏法ごとにNkiパッチとして分かれている点です。例えば、Violinの場合11種類の奏法が収録されております。ソルディーノレガートやスピッカート、サステインレガート等、ピッツィカート、トレモロ、ハーモニクス等の通常奏法の他、SFXやスル・ポンティチェロ、コル・レーニョのような特殊奏法まで入っています。

それぞれのパッチには複数のラウンドロビン及びヴェロシティレイヤーが搭載されているので作りこむとかなりリアルな演奏に。ソロでも使えそう。
SFXはシネマティック系にぴったり。


スルタストがサステインとトレモロ2種類入っていたり。なんとバルトークピツィカートまで入っています。コンチェルト用のヴァイオリン音源も用意。

参考:奏法一覧
  • Sustained Legato – (Violin I, Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • Spiccato – (Violin I, Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • Sordino Sustain Legato – (Violin I, Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • Sul Tasto Legato – (Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • Sul Ponticello Legato – (Violin I, Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • Sordino Spiccato – (Violin I, Violas, Cellos)
  • Harmonics – (Violin I)
  • True Glissando/Slide – (Violin I)
  • Colle – (Violin I)
  • Martele – (Violin I, Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • Pizzicato and Bartok Pizz – (Violin I, Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • Col Legno – (Violin I, Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • “Violin Concerto” texture – (Violin I)
  • String SFX – (Violin I, Basses)
  • Tremolo – (Violin II, Violas, Cellos, Basses)
  • Sul Tasto Tremolo – (Violas, Cellos)

合成されたピッチベンドや人工的な手段を使用せずに、任意の2つのノート間で長いスライドグリッサンドを実行できるのが特徴。レガートでピッチがつながります。また、Spiccatoなどは複数の速度レイヤーが用意されているのでかなり柔軟な演奏ができてリアル。


ちなみにパッチによってはそこそこロードに時間がかかります。


UIは各パッチほぼ共通で、4マイクポジションのミックスバランスを調整できるのとパンニングや音の幅を調整できるとシンプルなつくり。
他の楽器もほぼ似たような奏法がそれぞれ収録されています。




音質・評価等

複数マイクで録っていることと容量が大きいこともあって音はかなりリアルで高音質です。音もしっかりしており太い印象。シンフォニックとあるように、音色は暖かみのある深いサウンドでクラシック寄りかもしれません。

似たようなクラシック系音源に「Miroslav 2」がありますが、あちらよりも弦の勢いや迫力、圧力、パワーを感じます。そのため、映画音楽にも良さそう。パンチを重視した(ように聴こえる?)「Hollywood」シリーズよりも自然なオーケストラの印象があります。

サステインなどのトランジションもなかなか。また、奏法がかなり充実しているので弦楽器の奏法で困ることも少ないかと思います。特殊な、それでいて重要なクラシック系特殊奏法を求めるならこれだと思います。

双方の多様さから真価を発揮するのは恐らくクラシック系のオーケストラでしょう。音色も壮大なオーケストラや抒情的なオーケストラにぴったりです。特殊奏法もあるので映画音楽系にも。ただキースイッチ方式ではないのが鳴れずに苦手な人がいるかもしれませんね。そこさえ気にならなければ、絶対におすすめです。
総合的にみれば、かなり正統派のオーケストラ音源でオーケストラならではの自然なサウンドを目指す人にも、映画系の人にも、ポップス系の人にも幅広くお勧めしたい音源です。

現在クレイジーセール中ですので導入も全然ありだと思います。容量を考えれば他の音源のセールではありえないくらいにはぶっちぎり価格です。(一昔前のセールでは考えられない価格です)


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