UJAM「HYPE」レビュー(使ってみた感想、特徴等)
UJAM「HYPE」レビューです。
先日リリースされた、UJAM「HYPE」の評判がなにやら良さそうなので導入してみました。UJAM「HYPE」はEDMやプログレハウスに適したビート生成音源です。
10ドラムキット、12ミックスプリセットDAWへのMIDIドラッグアンドドロップ20ジャンルスタイル、460パターン50プリセット
まずは基本的な特徴から。この音源はC1からのGM配列に倣った(パーカッションやFXなどがあるので完全に同じではない)とC3からのフレーズセクションに分かれてアサインされています。
そのため、純粋にドラムマシンの様に使うことができ、他音源との音源の入れ替えが簡単なのがまず良いところ。各キットのドラムやスネア等はそれぞれ、フィルターやピッチディケイなどを調整することができます。
Micro TimingではSwing度合いなどリズムの詳細をいじることができます。
プリセットサウンドの特徴としては、プログレ系だからなのか、洗練された音が多い印象です。
アングラ系の極端にハードなディストーションキックとは少し違います。そのため、ゴリゴリサウンドのないポップスにも合いそうですね。
ディスコ、テクノポップにも。ひねりがあるというよりは割とストレートでわかりやすい音色が多いので商業音楽系の方にとってはかなり使いやすい音源です。個性を求めるというよりは聴きなじみを求めた音源。プリセットは50ありますが、どれも変に尖っていない使いどころの多そうな音源です。ややプリセットのラベル名がわかりにくく音色を見つけるのに時間がかかるかもしれません)
画面中央の左右にある4つのノブは様々な複数のエフェクトパラメータが同時にかかるいわゆるいじるだけで音が良くなります系ノブ。このジャンルの制作は細かく作りこむというよりはむしろ大胆なMixが求められるので、とてもありがたいです。
FXが用意されているのでFill時のエフェクトをこれ一つで作ることができます。
次にフレーズ集をを見ると、UJAMではおなじみの用途ごとに分かれた、フレーズ分類がされているので、純粋に曲のセクションに対応しているフレーズを再生し組み立てることによって、簡単にまとまりのあるビートトラックができてしまいます。Fillがあるので盛り上がりも簡単に作ることができます。ビートはそこまで主張しない曲って結構あると思うので、かなり便利です。Latch機能があるので変わり目の小節にMidi入力でフレーズキースイッチを変更するだけです。
そして、鍵盤にアサインされたフレーズをドラッグアンドドロップでDAW上にMidiとして持ってくることができます。つまり、フレーズの微調整ができてしまうということ。同じループだと少し退屈だから、少しだけ変えたいということはEDM系ではよくあることなので、これはとてもうれしい機能です。(古いヴァージョンのUJAM音源ではこの機能がありませんでした。)
ただFillに関しては、各キットごとのFXの音色は多くないので、これだけで作ると満足しない人もいるかもしれません。なのでフィル時には他の音源の力を借りてオリジナリティを出していくのも良いかと。しかし、全体の骨組みをほとんどこれで作れてしまうのでかなり使える音源でした。
まとめ
パンチ、音の厚み: ★★★☆☆
サウンドの質感、素材感: ★★★★☆
聴きなれたサウンド : ★★★★★
サウンドメイクの可能性: ★★★☆☆
使用頻度: ★★★★★
機能の理解のしやすさ :★★★★★
動作の軽さ :★★★★★
コスパ :★★★★★
プリセットのバラエティー:★★★★☆
汎用性 :★★★★★
特徴:キャッチ―なEDM、ポップス、テクノポップ、クラブミュージックなどのぴったりなドラムマシン、聴きなれたサウンドが多いので使いどころは多い、Fillは最小限入っているのでもっと派手にしたい人はさらに外部音源を使うことを推奨
おすすめできる人:王道のキャッチ―なサウンドづくりを時短で作りたい人、はじめてクラブミュージック制作にあたる人、サンプルパックよりも手を込んで作りたい方
ということでなかなか良い音源でした。